瀬戸康史「打ち解けられない自分が嫌」 俳優生活を変えたキッカケ
そんな瀬戸だが、約10年の俳優生活で多くのことが変化していったという。「一番変わったのは人とコミュニケーションをとるようになったことですね。以前は共演者やスタッフの人に『飯食いに行こう』って誘われても断っていたんです。でも『TOKYOエアポート~東京空港管制保安部~』というドラマに出演したとき、人見知りで周囲と打ち解けられない自分が嫌で、クリスマスの日に開催されたスタッフさんだけの飲み会に参加したんです。そうしたらめっちゃ楽しくて……。スタッフさんと仲良くなると現場が楽しいし、プラスのことしかないんですよね。それから共演者も含め、現場では積極的にコミュニケーションをとるようになったんです」。
また、南海キャンディーズの山里亮太や、声優・俳優の山寺宏一との出会いも瀬戸の人生に大きな影響を与えたという。「山里さんも僕も人見知りなのですが、山ちゃんが『人見知りは素晴らしい才能だよ』って話をしてくれたんです。色々な人に気を使えるし、いろんな情報を得られるって。山ちゃんもタモリさんにそう言ってもらったんだって話していましたが…」とエピソードを語ると、山寺に対しても「10代からお世話になっていますが、ものすごく褒めてくださいます。ネガティブなこと一切言わずにいつも僕の背中を押してくれるんです」と大切な存在であることを明かした。
積極的にコミュニケーションをとることによって多くのことが見えてきた。本作でも、主人公・一ノ瀬を演じる中島裕翔をはじめ、現場は非常に良い雰囲気だという。「桐明と一ノ瀬は『こいつ!』という緊張感ある関係ですが、僕からみる裕翔は『こいつ~』みたいな可愛い感じ(笑)。6歳年下なのですが、年齢差を感じませんね。色々考えているし、僕が本番でテストと違うことをしても、ちゃんと対応してくれるので、伸び伸びやらせてもらっています」と中島へ絶大な信頼を置く。
年を重ねるごとにポジションも上がり、本作のサブタイトルのように「期待ゼロ」というわけにもいかない立場になってきていると思われるが、「全く期待されていない立場の方がいいですよね」と認めたうえで「“期待ゼロ”という響きは悪いですが、低い位置からの方が伸びシロもありますし、僕は全然いいですよ」と爽やかな笑顔で語っていた。(取材・文・写真:磯部正和)
『HOPE~期待ゼロの新入社員~』はフジテレビ系にて毎週日曜21時放送。24日放送の第2話は21時30分スタート。
<瀬戸康史:プロフィール>
1988年福岡県生まれ。2005年俳優デビュー。今後は舞台『遠野物語・奇ッ怪 其 ノ参』への出演が決まっている。