濱田龍臣、“女性を演じる”ことに「迷いはなかった」メッセージ性を意識

大河ドラマ『龍馬伝』での龍馬・幼少期や、CMなどで可愛らしい子役として人気を博してきた濱田龍臣もいまや16歳の高校生。新たに公開となる映画『ハイヒール革命!』では、トランスジェンダーの主人公の少年時代を演じている。女装に挑戦した同作を振り返るとともに、私生活での現在の興味も聞いた。
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『ハイヒール革命!』はニューハーフ・アイドルとして活動するトランスジェンダーの真境名(まじきな)ナツキが辿ってきた子供時代から現在までを見つめたドキュメンタリードラマ。本人や周囲への取材に、再現ドラマを交えながら、本当の自分とは?という根源的なテーマに迫っていく。濱田は真境名の中学時代、高校時代に扮し、女装にも挑戦した。
「自分が女の子の役をやるなんて、おもしろいなって。長くこの仕事をしていても、1回あるかないかの機会だし、演じることへの迷いは一切なかったです」。真境名本人に会い、いろいろと話も聞いた。「感情という意味で難しい点はありませんでした。ただ、(本編にもあるように)中学生の頃に指導室に呼ばれて、辛い体験をするんですが、そういうのってすごいトラウマになってしまっているのかもしれないから、ちょっと暗めの人かもしれないと思ってたんです。でもご本人はすごく明るい方でした。真境名さんのお母さんともお話ししましたが、ふたりが揃うとすごくテンションが高いんですよ。親子というよりは姉妹という感じで、話が止まらない状態だったので、僕はただ聞いている感じでした(笑)」。
身体は男として生まれたが、本当は女の子という役を演じるにあたり、濱田も女の子にならなければならなかった。「一番難しかったのは、歩く、立つ、座るの3つです。クラスの女子や周囲の人の歩き方なんかを気にしてみて、自分の中で動きを飲み込んでなじませるように頑張りました。意識してやった瞬間に不自然になってしまうので、できるだけ自然体で女子の動きができるように工夫しました。それとただの真境名さんのものまねにならないように。映画としてのメッセージ性を持たせるためにも、真境名さんの事実と、僕の感情、監督のイメージをうまくひとつにまとめて表現する必要がありました」。