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写真家ロベール・ドアノー「カメラは腕の一部」 孫娘が明かす真実と素顔とは

映画

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 ところで、ドアノーは、「パリ市庁舎前のキス」で世界中に恋の魔法をかけ、愛<アムール>の国・フランスをイメージ付けたが、なぜ、こんなにも人々に愛される写真を撮ることができるのだろうか?「ドアノーは人間の“幸せ”を見せる写真が基本だった」と振り返るドルディル監督。生涯にわたり、パリの日常を捉え続けたドアノーは、街角に潜む瞬間のドラマを職人技ですくい取り、ときには演出によって“真実”をより深く表現する。

 「有名な『パリ市庁舎前のキス』も、まだ路上でキスをすることなど珍しい時代、役者に頼んでドアノーが演出したもの。彼はどんな写真でも、まず、“ここは絵になるぞ”という風に全体をイメージするんです。背景、情景、セットが決まったら、そこにメッセージを込めて被写体を撮る」。構図を決め、何を伝えるかを考え、そして撮影に臨む。それはまるで、一編のドラマを構築していく映画監督のようだ。

 「カメラを持っていないドアノーを見たことがない。 本人も“カメラは腕の一部”だと言っていたわ」と笑顔を見せるドルディル監督。「祖父としては、優しくてユーモアがあって楽しい人だったけれど、写真家としては、とてもこだわりが強く、頑固だった」と述懐。「不服従と好奇心は写真家の原動力」と本編で語っているが、彼は自身の作品によって何を伝えたかったのだろうか。「厳しい時代を生き抜いた人だけれど、自由で、軽やかだった」と言葉を噛みしめるドルディル監督は、最後に「祖父の姿を通して、生きる“幸せ”を伝えたい」と締めくくった。(取材・文・写真:坂田正樹)

 映画『パリが愛した写真家 ロベール・ドアノー<永遠の3秒>』は、東京都写真美術館ホール、ユーロスペースほかにて公開中。

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