明石家さんま、大竹しのぶと31年ぶり再タッグ「大竹さんしかできなかった」
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お笑い芸人の明石家さんまが、初めて劇場アニメ映画の企画・プロデュースを務めた『漁港の肉子ちゃん』は、漁港の船に住む母娘の愛情が胸を熱くさせる物語。主人公のキュートな母・肉子ちゃんのボイスキャストは大竹しのぶが担当し、小学5年生の娘・キクコ役のCocomiと阿吽(あうん)の呼吸を見せた。31年ぶりの明石家&大竹という最強タッグの手綱をしっかりと握った渡辺歩監督も交え、3人で作品に対するありったけの思いを語ってもらった。
【写真】笑顔で手を振る、渡辺歩監督、大竹しのぶ、明石家さんま
◆明石家さんま、大竹しのぶと31年ぶり再タッグ「大竹さんしかできなかった」
(C)2021「漁港の肉子ちゃん」製作委員会
――笑って泣ける『漁港の肉子ちゃん』において、肉子ちゃんを演じた大竹さんの声が抜群でした。
さんま:僕が指名したわけじゃないんですけど、大竹さんはこれまでもいろいろなアニメで声優をやっていらっしゃるし、大昔に短編のアニメ(1989年『サンタクロースつかまえた!』、1990年『リリが見たやさしい虹』)を2人で作ったこともあるので、芝居や声優の部分では安心していました。でも(大竹さんが)「大阪弁が心配なの」と言ってきたんですが、「心配」と言うときは、できるときなんですよ(笑)。「私、このシーンダメかもしれない」とか言いながら全部できるのはわかってましたから。スタッフ全員が声をそろえて「肉子ちゃんは大竹しのぶさんで」と言ったのはわからないでもなく、大竹さんで正解だった。完成した今、感謝してます。これは大竹さんしかできなかった。
――大竹さんは、現場でさんまさんからの演出やリクエストで驚いたことはありましたか。
明石家さんま、大竹しのぶ、劇場アニメ映画『漁港の肉子ちゃん』完成報告会より
大竹:ほんのすこしセリフの前が空いているところに、突然「一言だけギャグを入れてくれ」「オフショットで一言、言ってくれ」と言われるんです(笑)。そのアドリブが、監督にとってはすごく大変だったと思うんですけど、私は楽しかったです。
さんま:大竹さんは、こっちの意図をすぐ汲んでくれるんですよ。ほんまにありがたい。大阪弁でやっといて、途中、ノリで東京弁にしているシーンがあるんですけど、あそこは「さすが大竹しのぶ」と思いましたね。僕もたまにコントなんかで、東京弁でノったりすることもあって。それを肌で感じていただいてたのは、すごくありがたかったですね。
――本作では、Cocomiさんが声優として参加されています。さんまさんのご推薦だそうですね。
さんま:Cocomiちゃんが15歳のとき、声優の学校に通っていて、「今度、俺アニメ作るから、主役ね」と、冗談で言ってたんですよ。そうしたら、5年後の今、Cocomiちゃんがモデルの仕事をやっていて。(ボイスキャストとして)大竹さんは先に決まっていたので、大竹さんが引っ張ってくれるから大丈夫というのが最初でした。まずは監督に声を聴いてもらおうと、アフレコのテストで(Cocomiに)第一声を出してもらったら、「うわー!!」「この声はやさしくていい!」とスタッフが満場一致でした。ほんまに鳥肌が立った。
――Cocomiさんは初めての声優チャレンジですよね。
キクコ役のCocomi、劇場アニメ映画『漁港の肉子ちゃん』完成報告会より
さんま:後から気が付いたんですけど、芝居するのも大阪弁をやるのも初めて、アフレコも、もちろん初めて…。よう起用したなーって(笑)。共演者たちが皆うまいので「Cocomiちゃん、いけるか!?」と心配になったけど、やればやるほど良くなっていったから、驚いてます。本当に思った以上。試写会にはCocomiちゃんのお父さん、お母さん、おばあちゃん、妹まで来てくれて、皆さんも驚いてたらしいです。
大竹:みんなで観てくれたのよね。
渡辺監督:本当に、全然お世辞じゃなくて、少女の持つちょっとしたブレだったり、儚(はかな)さみたいなものをすごく感じました。この声を大事にしたほうがいいと思って演出していましたね。