蒔田彩珠、女優は“天職”「どんなことにも代えられない楽しさがある」
■準備してきたものは、現場で一度すべて忘れる
――ほかに実写の作品に入るときに準備することは?
蒔田:撮影に入る前に、自分の部屋で本番と同じように感情をイメージして演じます。でもそこから、いったん自分で作ったものは、全部忘れてゼロにするんです。
――それはどうして?
蒔田:お芝居には相手がいるので、対峙(たいじ)する人の雰囲気とか空気感で大きく変わってくると思うんです。変な先入観があると良くないので、一度フラットな状態に戻すようにしています。
――現場ですべてゼロにするのに、家で感情をイメージするのは、体に覚えさせるみたいな感覚なのでしょうか?
蒔田:そういう感覚に近いと思います。一度そういうことをしていると、どこかで何かのきっかけで、イメージした感情がスッと出てくるかもしれませんしね。
――お話を聞いていると、準備はするものの、あまり役を作り込まずに、その場で出た感情を大切にするやり方なのかなと。
蒔田:それはあります。テストやリハーサルをやっても、やっぱり本番になるとガラリと変わってしまうこともあります。もちろん監督から「違う」と言われることもあります。そこは監督にすべてを委ねています。
――本番で感情が湧いてこなかったら…という恐怖はありませんか?
蒔田:あります。『ヨーイ、スタート』が掛かるまでは、イチかバチか「神様、お願いします」みたいなところはありますね(笑)。性格上、あまりハラハラドキドキするのは好きではないのですが、本番で100%役に入り込めたときは、本当に楽しいです。
――100%役に入り込めたという感覚は、どんな感じなのでしょうか?
蒔田:役と自分が重なって、泣きたくないのに泣けてきたり、カットが掛かっても涙が止まらなかったり…そういうときは「天職だな」って思います(笑)。