蒔田彩珠、女優は“天職”「どんなことにも代えられない楽しさがある」
子役としてデビュー以来、是枝裕和や瀬々敬久、大森立嗣、河瀬直美ら錚々(そうそう)たる映画監督の作品に出演し、高い評価を受けている女優・蒔田彩珠。そんな彼女が劇場版アニメ『神在月のこども』では、主人公カンナの声を担当した。さらに現在放送中の連続テレビ小説『おかえりモネ』(NHK総合/毎週月〜土曜8時ほか)では主人公の妹・未知を好演するなど、作家性の強い作品からエンターテインメント作品まで幅広い活躍を見せている。蒔田はどんな思いで女優業に取り組んでいるのだろうか――胸の内に迫る。
【写真】8月に19歳になったばかりの蒔田彩珠
■お芝居の現場では、あまり台本を読み込み過ぎないように
――長編アニメーションでの声優は初でしたが、主人公のカンナを演じてみてどんな感想を持ちましたか?
蒔田:自分が想像していたよりも何倍も大変で、1日で録る予定だったものが、4日くらい掛かってしまいました。小学生の女の子役だったので、声を含めてカンナを演じることに、すごく苦戦しました。
――じっくりと声のお芝居をしてみて気づきはありましたか?
蒔田:声の仕事では、自分にはできていないことが明確に分かるなど、技術的なことも大切になってくるなと感じました。今回のアニメの場合は、すでに相手の方の声が入っていたので、カンナの気持ちだけでしっかりと表現していかなければいけないところは難しさでもあり、新しい感覚でした。
――女優としても数多くの作品に出演していますが、声優として臨む上で、何かこれまでと違うプロセスはありましたか?
蒔田:お芝居のときは、あまり台本を読み込み過ぎないようにしているのですが、今回はしっかりと台本を読んで、事前に頂いた動画に合わせてセリフを発する練習をしました。
――普段の映画やドラマに出演する際、あまり台本を読み込まないというのは、どういった意図が?
蒔田:もともとの理由は、小さい頃からあまり本を読むのが得意ではなかったという個人的な理由ですね(笑)。でも実際、自分が演じる役が出ているシーン以外というのは、その役にとっては知らないわけで、あまり物語全体を把握していない方が、演じる上ではいいのかなと思うようになったんです。