『シラノ』戦場の兵士たちが美しい歌声を響かせる「Close My Eyes」本編映像
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現在公開中の俳優ピーター・ディンクレイジ主演映画『シラノ』より、雪景色の中で戦場の兵士たちが美しい歌声を響かせる本編映像が解禁された。
【動画】映画『シラノ』より「Close My Eyes」歌唱シーン
本作は、1897年の初演以降、日本をはじめ世界各地で幾度となく上演され、映画化・ミュージカル化されている名作『シラノ・ド・ベルジュラック』を、名匠ジョー・ライト監督が壮大なスケールで再構築したミュージカル映画。デトロイト映画批評家協会賞にて作品賞と主演男優賞(ピーター・ディンクレイジ)を受賞したほか、第94回アカデミー賞では衣装デザイン賞にノミネートを果たしている。
自身の外見にコンプレックスを持ち、恋心を打ち明けられずにいた主人公のシラノ(ピーター)は、思いを寄せている親友ロクサーヌ(ヘイリー・ベネット)から青年クリスチャン(ケルヴィン・ハリソン・Jr.)に一目ぼれしたことを告白され、恋の仲裁役を依頼される。本作は、シラノがクリスチャンの代筆でロクサーヌへ恋文を書くことによって三角関係へと展開していく純愛物語だ。
劇中でシラノ、ロクサーヌ、クリスチャンの3人は、恋文の“代筆”という三角関係だけではなく、より過酷な運命へと向かっていく。地位と富を武器に、ロクサーヌに結婚を迫るギーシュ公爵によって、シラノとクリスチャンは過酷な戦地の最前線へと送り込まれることになる。
今回到着したのは、その戦地でクリスチャンをはじめとする近衛隊の兵士たちが「Close My Eyes」を歌う本編映像。撮影はシチリア島の活火山・エトナ山にて行われ、当初戦場シーンの背景は“黒”を想定していた。しかし撮影1週間前に、雪は降らないと言われていたはずのエトナ山で、ここ20年で一番となる大雪が降ったという。それにより現地では、雪で真っ白になった後灰色へと変化し、偶然にも白と黒のコントラストが映える美しい景色が浮かび上がった。
映像ではそんな景色の中、クリスチャンとともに歌う近衛隊の兵士3人が登場。彼らは劇中コーラス隊のような位置付けだが、実はこの3人を演じているのは、傑出したアーティストとして知られている、グレン・ハンサード、サム・アミドン、スコット・フォラン。
グレンは、今もなお多くの人に愛される映画『ONCE ダブリンの街角で』(2006)で主演を務めアカデミー賞歌曲賞(「Falling Slowly」)受賞したほか、アイルランドのロックバンド、ザ・フレイムスのメンバーとしても知られるミュージシャン。サムは、トラディショナルな音楽に新しい解釈を加えていくスタイルで、独自の音世界を築いているシンガー&ミュージシャン。スコットも、シンガーソングライターのほか俳優としても活動している。
同シーンでの彼らのパフォーマンスについて、ミュージカル演出を担当したマーク・アスピノールは「彼らのパフォーマンスをしかるべき場所で目にし、耳にすると、素晴らしい声でとてつもなくリアルなものに感じられる」と称え、「他のパフォーマーたちと半年も仕事をすることができず、周りのエネルギーも感じられなかったあとに、これほど素晴らしい才能を持つ歌い手たちと同じ場に立ち、何十人もの人が声を合わせて歌うのを聞くことができたのは本当に光栄なことだった」と振り返っている。
本作では彼らがメインで歌唱した楽曲「Wherever I Fall - Pt. 1」が、ヒューストン映画批評家協会賞で主題歌賞を見事受賞。同曲は、戦地での兵士たちの心情を表す重要な楽曲の一つとなっている。数々の美しい歌声で紡がれる『シラノ』の世界観を、ぜひスクリーンで堪能したい。
映画『シラノ』は公開中。