ありったけの愛を子どもたちに注ぐオードリーの姿 映画『オードリー・ヘプバーン』本編映像解禁
ドキュメンタリー映画『オードリー・ヘプバーン』より、女優オードリー・ヘプバーンが生涯の使命として全精力を傾けたユニセフ親善大使としての活動を映し出す本編映像が解禁された。
【動画】オードリー・ヘプバーンが子どもたちに愛を注ぐ映画『オードリー・ヘプバーン』本編映像
永遠の妖精と呼ばれ、美の概念を変えた革新的な存在でスターとしての名声を得たオードリー。世界中から「愛された」彼女は一方、実生活では愛に恵まれなかった。多くの悲しみと孤独を抱えながらも、「人生の最後に、自分のことを好きになれた」と語る彼女の本当の姿とは―。
本作では、過去の貴重なアーカイブ映像をふんだんに盛り込み、近親者によって語られるインタビュー、そして滅多に聞くことができない本人の肉声によるインタビューによって、名声の裏に隠された彼女の本当の姿が描き出される。
1929年5月4日、ベルギーに生まれたオードリー。第二次世界大戦の真っ最中に多感な少女時代を過ごし、ナチス占領下のオランダで過酷な子供時代を経験する。食料もなくやせ細って栄養失調に苦しみ、家は破壊され地下室や牢獄のような環境での生活を強いられていた。さらに、幼い時分に父は家族を捨てて両親は離婚、戦時下という過酷な環境を、悲しみと孤独を抱えて辛くも生き延びた。
オードリーは本作でも当時を振り返り「ナチス親衛隊に直接支配され、誰もが口をつぐみ、身を隠して自由に話せず、ラジオも聴けない牢獄のような環境で私は育った」と語っており、「オランダ解放のあと赤十字とユニセフが来て廃屋に物資を運び込んだのを覚えてる。食糧や衣類や薬をね。戦争が終わった時私は重度の栄養失調だった。食べ物の価値は知ってるわ。私の人生はその頃の記憶で形作られてる。子供の頃にこちら側の人生を知った。あの苦しみと貧しさは今も心に残っている」と、ユニセフの助けを借りて生き延びていたことを明かしている。
この経験は、晩年、ユニセフ親善大使として活動するオードリーに多大な影響を与えることになる。今回到着したのは、オードリーが生涯の使命として全精力を傾けたユニセフ親善大使としての活動を映し出した本編映像だ。
デビュー作『ローマの休日』でアカデミー賞主演女優賞を受賞して以降、数々の名作に出演。銀幕の妖精として今なお世界中から愛される大スターとして世界へ羽ばたいたオードリー。しかし辛い幼少期を過ごした彼女が求めたのは、スターとしての成功ではなく、暖かい家庭を築くことだった。愛する家族とともに穏やかな生活を送ることを望んだ彼女は、一度は女優業の第一線から距離を置くことに。
しかし晩年、オードリーはユニセフ親善大使として多くのメディアに露出し、世界中を飛び回って戦争と悪政の犠牲となった子供たちの元に駆けつけることを決意。世界中の誰もが知る「オードリー・ヘプバーン」という名前を武器に、自分が表に出ることで飢えた子供たちに世界の目が向けば本望と考え、ありったけの愛情を子どもたちに注いでいった。
解禁された映像でも、やせ細り弱りきった子供に食事を与える慈愛に満ちた姿が映し出されている。こうしたユニセフ親善大使の活動についてオードリーは「あの苦しい時代が教えてくれた一番大切なことは、どんな悲惨な状況でも人は助け合えるということ。悲惨であればあるほど互いが必要になるの。女優という仕事が私に特別なものをくれたとしたら、この声を残してくれたこと。今も私に興味を持つ人が子供たちのために役立てることができる」と話している。
そしてその言葉通り、彼女は残りの人生のすべてを子供たちのために費やし、その惨状を世界に発信することを自らの使命とした。その姿を世界に届けることで“愛すること”の大切さを世界へと投げかけたのだ。
本作の公開に先駆けて映画を鑑賞、オードリーの生き方に賛同した著名人からのコメントが到着。オードリーと同じ誕生日という縁のある女優の伊藤沙莉は「より多くの方々に伝わってほしい」と本作を絶賛。映画コメンテーターのLiLiCoも「世界中に愛されていたオードリーが愛に飢えていた。彼女の気持ちを知って涙が流れた」としている。
映画『オードリー・ヘプバーン』は、5月6日より全国公開。
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