岸井ゆきの主演×三宅唱監督『ケイコ 目を澄ませて』、何気ない日常が美しい場面写真解禁
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女優の岸井ゆきのが主演する映画『ケイコ 目を澄ませて』より、場面写真が解禁された。
【写真】シャドーボクシングに励むケイコ(岸井ゆきの)と会長(三浦友和)
本作は、聴覚障害と向き合いながら実際にプロボクサーとしてリングに立った小笠原恵子さんをモデルに、彼女の生き方に着想を得て、『きみの鳥はうたえる』の三宅唱監督が新たに生み出した物語。ゴングの音もセコンドの指示もレフリーの声も聞こえない中、じっと<目を澄ませて>闘うケイコの姿を、秀でた才能を持つ主人公としてではなく、不安や迷い、喜びや情熱などさまざまな感情の間で揺れ動きながらも一歩ずつ確実に歩みを進める等身大の一人の女性として描き、彼女の心のざわめきを16mmフィルムに焼き付けた。
2月に開催されたベルリン国際映画祭でプレミア上映されると、「すべての瞬間が心に響く」「間違いなく一見の価値あり」と熱い賛辞が次々に贈られ、その後も数多くの国際映画祭での上映が続いている。
主人公ケイコを演じた岸井ゆきのは、厳しいトレーニングを重ねて撮影に臨み、新境地を切り開く。ケイコの実直さを誰よりも認め見守るジムの会長に三浦友和。その他、三浦誠己、松浦慎一郎、佐藤緋美、中島ひろ子、仙道敦子など実力派キャストが脇を固める。
この度解禁された場面写真には、ケイコと彼女のまわりに生きる登場人物たちの日常が切り取られている。河川敷でのロードワークやシャドーなど、会長と二人三脚で練習に励むカットが印象的だが、注目すべきは、友人たちとカフェで楽しそうに会話する姿、同居する弟とのやりとりなど、ケイコの日常を切り取った何気ないシーン。その何気ない日常が美しいことを思い起こさせてくれるようなシーンの連続で、家族や友人、ジムの仲間と関わりあいながら一歩ずつ前に進んでいくケイコの姿、そしてそのさまざまな表情、まなざしが印象的なカットがそろった。
各国の映画祭で続々上映が決定し、10月24日から開催される第35回東京国際映画祭へも出品が決まった本作だが、映画人から早くも注目を集めている。濱口竜介監督、吉田恵輔監督をはじめ、映画祭ディレクター、映画評論家などから絶賛コメントが到着した。
濱口竜介監督は「光と闇と運動を求める三宅唱の歩みは留まるところを知らず、この国ではもはや他の追随を許していない(が、何とかついていきたい)。『ケイコ 目を澄ませて』は流れる時間を柔らかにフィルムへと定着させた傑作だ。岸井ゆきのの瞳の輝きと、手と腕の動きとともに渦を巻くような粒子の蠢きを存分に感じるには大画面で見る以外の選択肢はない」とコメント。
吉田恵輔監督は「岸井ゆきのは、間違いなく天才! ボクシングは練習の積み重ね。地味な努力を継続する才能が必要。岸井さんが、ケイコさんが積み重ねた、その日々に泣いた。静かな世界が、こんなに熱く、美しいなんて。間違いなく傑作!」と絶賛。
市山尚三・東京国際映画祭プログラミング・ディレクターは「1作ごとに驚異的な進化をとげる三宅唱の現時点での最高傑作。いろいろと素晴らしい点は多いが、特に日記の使い方に感動した」としている。
映画『ケイコ 目を澄ませて』は、12月16日より全国公開。
※コメント全文は以下の通り