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映画『廃用身』原作者・久坂部羊、主人公演じた染谷将太は「イメージにピッタリ」と絶賛!

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映画『廃用身』トークショー付き最速試写会より(左から)吉田光希監督、原作者・久坂部羊
映画『廃用身』トークショー付き最速試写会より(左から)吉田光希監督、原作者・久坂部羊(C)2025 N.R.E.

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 染谷将太主演で映画化される5月15日公開の『廃用身』のトークショー付き最速試写会が15日に開催され、現役医師の原作者・久坂部羊と吉田光希監督が登壇。原作の背景や映画化に至った経緯についてや、本作が内包するテーマについて語り合った。

【写真】原作者・久坂部羊と吉田光希監督がトーク! 映画『廃用身』最速試写会の様子

 ステージに登場した久坂部は、映像化のオファーが来た当初は「大丈夫かな……?」と不安の方が大きかったと明かすも、「吉田監督の原作に対する思いが非常に深かったので、大変良い作品に仕上がったと思っています」と信頼を寄せた。

 不安が大きかった理由は、原作の出版当時「映像化、絶対不可能!」との宣伝文句を付けられていたから。過激過ぎる作品として受け止められるのではないかと不安視していた久坂部だが、作品内に登場する印象的なシーンについて「ロケーションを含め、原作の持つ空気感が丁寧に再現されている」と評価した。

 本作は、外務省医務官を経て、在宅訪問医として終末医療の最前線に立ち続けてきた久坂部自身の経験から生まれた物語。自身が勤めていた実在するクリニックをモデルにしており、訪問診療を通して目の当たりにした高齢者とその家族の関係性、そして日常の中に潜む危うさ―そうした現実の積み重ねが、本作の着想につながっているそうで、「理想的なケアの姿だけでなく、さまざまな事情を抱えた家族の在り方や、思いがけない事故の現実も含めて描いた」と語り、フィクションでありながらも現実に根差した物語であることを強調した。

 吉田監督が本作と出会ったのは、大学生の頃。「読み終えたあと、心の置き所がなくなるような、宙吊りにされたような気分になりました」と振り返る。「誰かに答えを迫られているわけではないのに、“自分はどうすればいいのか”と考え続けてしまう」という、その独特の読後感に強く惹かれ「いつか映像化したい」と長年温め続けてきたと明かす。

 その想いは、偶然の出会いをきっかけに実現。プロデューサーとの何気ない会話の中で、本作への関心が一致。「今作を制作するアークエンタテインメントの中でも、一度企画が持ち上がったことがあったそうで。無数にある小説の中で、やりたい作品が一致するというのはなかなかの奇跡」と、偶然が映画化を大きく前進させたと話した。

 脚本づくりについては、久坂部から「自由に書いてほしい」と一任されたことも明かされた。久坂部は、原作と映像では表現方法が異なるからこそ「完成した作品から学ぶことも多い」と語り、これまでも基本的にノータッチの姿勢を貫いてきたという。

 その言葉を受け、「自分の色に塗り替えるのではなく、原作から受け取ったものを大切にしたかった」と吉田監督。本作のテーマを「単純な是非にとどまらず、異人坂クリニックが社会の縮図のように見えたり、その中での同調圧力や、第三者が当事者の在り方を語ってしまう危うさなど、現代にも通じる奥行きがある」と解釈し、その問いを映画として提示することを意識したという。

 それに対し、久坂部は「そうした側面が作品の中にしっかり表れていた」と太鼓判。本作を通じて「どんな医療にも光と影がある」ということを伝えたかったと言い、良い結果だけで終わるものではなく、予測できない現実や、その先にある葛藤まで含めて描くことこそが意図だったそう。「この映画の中にもそれが出ていたので、私はとても満足です」と映画が申し分ない仕上がりになっていると保証した。

 また、染谷演じる主人公・漆原のキャラクター造形について、久坂部は「善意を持って行動する誠実な人物であるがゆえに、その選択が極端な方向へと進んでいく」と語る。その複雑さが作品の核になってくるのだが、そうした難役を体現した染谷については「イメージにピッタリ」と高く評価。善意と葛藤のあいだで揺れ動く繊細な人物像を、説得力をもって表現していたことに触れ、「まさに書きたかった人物像がそのまま描かれていた」と称賛した。

 医療現場の描写についても、久坂部は「100点満点」と高得点を。専門家による監修に加え、実務経験を持つ俳優の起用など、細部までリアリティにこだわった制作体制を組んだと吉田監督は明かす。手術シーンの演出についても、現場の高揚感を表現する工夫を音楽面に施したことを明かした。

 イベントの最後には、改めてそれぞれが作品への思いを語る。久坂部は「改めてこの作品を観て、本当に満足感でいっぱいです」と手応えをにじませ、「ぜひこの感想を周りの方にも伝えて、多くの人に作品を観ていただきたい」と呼びかけた。

 吉田監督は、本作で描かれる介護や高齢化社会といったテーマに触れつつも、「問題意識を押し付けたいわけではない」と強調。「“面白い”という言葉が適切かは難しいが、まずは映画体験としてしっかり成立する作品にしたかった」とあくまで“映画”としての手応えを大切にしたことを明かし、そのうえで「すぐに言葉にするのが難しい作品かもしれませんが、それでいいと思います。それぞれが感じたものを持ち帰ってもらえたら」と観客に委ねる姿勢を見せていた。

 映画『廃用身』は、5月15日より全国公開。

※吉田光希監督の「吉」は「つちよし」が正式表記

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