『VIVANT』“別班”平山祐介「和田としての存在意義を全うしたい」 壮絶な最期と、堺雅人の言葉にこらえた涙
――乃木と息絶えた和田が対面するシーンには強く引き込まれました。堺さんと対峙しての印象を教えてください。
平山:息を止めて体も一切動かしてはいけない。「用意、スタート」がかかってからは、少しの“動”の気配も出さず、完全に息絶えている静寂を作っていました。
そんな中、乃木さんが入ってくる足音が聞こえてくるんです。音を聞いているだけで、乃木さんが和田を見つけて、何かしらの感情を抱きながら駆け寄ってくるのが伝わってくるんです。歩いてくる空気感そのものに、乃木さんの感情がものすごく乗っているんです。
目の前で止まり、「よく耐えたな、立派だ」と言われた時は、思わず素の自分に戻りそうになるくらい胸が熱くなりました。さらに近寄って「日本に帰るぞ」と言われた瞬間は、危うく涙がこぼれそうになって…それを我慢するのが本当にしんどかったです。
死んでいる和田としては無心でいられるはずですし、もちろん息は苦しいんだけど、不思議と平気なんですね。でも役者としての自分は「早くカットがかかってくれないかな」と思いつつ、「この空気のまま、ずっと乃木さんに抱かれていたい」とも思っている。真逆の感情がせめぎ合っていました。
カットがかかった後は、苦しさというより、乃木さんの思いが一気に流れ込んできた感覚で少しフワフワしていました。しかも堺さんは、撮影が終わると自ら縄を外すのを手伝ってくださるんです。同じ作品を背負う役者仲間としての堺さんへの信頼や感謝と、同じ別班員を演じる乃木と和田の関係性が重なって、一緒に仕事をさせてもらえて良かったなと感じました。気持ちが昇華していくというか、そんな感覚がありましたね。
――第20話の放送を見た時には、撮影時の感情がよみがえったそうですね。
平山:その後の第20話のオンエアを見た際も、乃木さんの表情を見て当時の感情がぶわっとよみがえってきて。さらにその放送直後に、TBSラジオの『VIVANT 悪役会議室』への出演が決まっていたので、和田の気持ちをもう一度手繰り寄せていたんです。「死んだ後に乃木さんが来てくれて、みんなも助かったんだ」と思ったら、ちょっと恥ずかしいくらい、えづくほど泣いてしまいました。でもその感情があったからこそ、『悪役会議室』でも、死んだ後の和田としてしっかり気持ちを乗せて臨むことができました。本当にこのチームでやらせてもらえたからこそだと感謝しています。
――第21話、第22話の展開はいかがでしたか?
平山:台本を読んでいるので結末は知っているはずなのに、見ていると「ひょっとして…!」と思わせてくれるんですよね。「こうなる」と分かっていてもハラハラできるのが本当にすごい。ここから日本へ戻り、ジャミーン(本間さえ)や薫さん(乃木の恋人で医師の柚木薫/二階堂ふみ)との物語がどう展開していくのか、僕自身も純粋に楽しみにしています。
