迷い猫とホームレス男性、感動の実話が映画化

2012年にイギリスでベストセラーとなった元ホームレスの男性ジェームズ・ボウエンさんによる自叙伝が映画化されることが決定した。ロンドンの迷い猫ボブと、ヘロインを常習しホームレスへと転落した男の再生の物語だ。
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自叙伝「A Street Cat Named Bob(原題)」は、出版されるや76週にもわたりSunday Timesのベストセラーリストにランクインする快挙を成し、30ヵ国語に翻訳された。
物語は、ジェームズがヘロイン中毒を克服するためメタドン治療を始めた2007年初頭から始まる。ミュージシャンを夢見ていたが、ヘロインから抜け出せずにいたジェームズは、ある日体にひどいけがを負った茶トラの猫を発見。医療機関へと連れて行き治療を施すと、その猫はジェームズについて歩くようになった。
ジェームズはその猫にドラマ『ツイン・ピークス』の登場人物から“ボブ”と名付ける。繁華街や広場などで流しを続けていたジェームズだったが、ボブがジェームズに寄り添うようになり、いつしか流しの収入は大幅に増え、その姿がインターネット上でも広がり出版者の目にとまった。現在ジェームズは、ヘロインを克服し、ホームレスの憩いの場となる“猫カフェ”をオープンしようと計画しているという。
the guardianによれば、主演は舞台などで評価されるイギリス人俳優ルーク・トレッダウェイが演じ、『ジキル博士はミス・ハイド』(96)のティム・ジョンが脚本を、『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』(98)のロジャー・スポティスウッドが監督を務め、10月より撮影が始まるという。