クリストファー・ノーラン最新作『TENET テネット』押さえておきたいポイント6つ

日本公開まで1週間を切ったクリストファー・ノーラン監督の最新作『TENET テネット』。今回は、これさえ知っておけば映画がより一層楽しめる鑑賞までに押さえておきたいポイントを6つを紹介する。
【写真】建物爆破&謎のマスク『TENET テネット』フォトギャラリー
◆ポイント1:謎のキーワード「TENET」とは?
タイトルにもなっている「TENET」とは信条、主義、原則を意味する単語だが、この言葉が意味するものが本作最大の謎であり鍵とも言える。
ラテン語の回文「SATOR式」
実は「SATOR式」と呼ばれる1世紀中頃に確認されているラテン語の回文と関係があるのでは? とネット上で騒がれており、この回文は前から読んでも後ろから読んでも「SATOR AREPO TENET OPERA ROTAS(農夫のアレポ氏は馬鋤きを曳いて仕事をする)」と読むことができる。正方形の方陣にセットすると四方から同様に読むことができ、中央の「TENET」だけは上下左右のどこから読んでも「TENET」と読めるようになっているのだ。
「使い方次第で未来が変わる――」重大な秘密が隠されるこのキーワードの本当の意味が明らかになった時、新たな衝撃を与えてくれることだろう。
◆ポイント2:TENETをめぐるキーパーソンたち
キーパーソンは4人。
『TENET テネット』のキーパーソン(左から)名もなき男、ニール、キャット、セイター
1人目は、主人公の名もなき男(ジョン・デイビッド・ワシントン)。本作の主人公には名前がない。「名もなき男」と呼ばれる彼は、あるテロ事件に特殊部隊として参加したことから、第三次世界大戦を防ぐための謎のキーワード「TENET」を巡るミッションに巻き込まれる。
2人目はニール(ロバート・パティンソン)。国家を揺るがす重大な任務を任された名もなき男の頼れる相棒として登場するのがニールだ。優秀なエージェントで、名もなき男と世界各国を旅するが彼の素性は一体…?
3人目はアンドレイ・セイター(ケネス・ブラナー)。ロシアの新興財閥。天然ガスで富を築いたとされているが、裏の顔は武器商人。未来と現在を繋ぐブローカー的役割を持つ謎の悪人。
そして、4人目がセイターの妻で一児の母であるキャット(エリザベス・デビッキ)。イギリスの貴族階級の生まれで美術品の鑑定士。セイターの秘密を知っており、名もなき男に目を付けられる。セイタ―から離れられない理由があるが、その理由とは…?
◆ポイント3:≪時間の逆行≫を映像で表現
名もなき男に課せられたミッションは、人類がずっと信じ続けてきた現在から未来に進む<時間のルール>から脱出すること。車の横転クラッシュから元に戻るカーアクション、破壊されたジャンボジェット機のパーツが戻り、奇妙な動きの敵と戦うことになる。この世界では≪時間を逆行≫することが可能となっており、さまざまなシーンで≪逆行≫する不思議な映像が繰り広げられる。誰も見たことも無いほど不思議かつ圧巻の映像の数々が体感できる。
◆ポイント4:世界7ヵ国のロケ
エストニア、イタリア、インド、デンマーク、ノルウェー、イギリス、アメリカの7ヵ国での撮影を敢行した『TENET テネット』。ストーリーと並行して、その土地ならではの建造物や街並みが堪能できるのも魅力の一つである。
ノーラン監督は、「この映画がもつ国際性は物語にとっても重要だ。描いているのは世界全体つまり我々の存在への脅威で、それが物語のドラマ性に必要不可欠だった。だからこの映画に世界規模の雰囲気があることは、映画のテンポやスケールを演出するのに非常に重要だった」と語っており、その土地が故のリアルな映像が楽しめるだろう。
◆ポイント5:本物の飛行機を爆破
事前に公開されている映像にある衝撃的なシーンだが、CG無しで「本物」を撮影することにこだわるノーラン監督らしく、本作ではジャンボジェット機を実際に爆破させている。
◆ポイント6:ノーラン作品常連のマイケル・ケイン
ノーラン監督作品の常連でもあり、『TENET テネット』で8作品目の出演となるマイケル・ケイン。今回はマイケル・クロズビー卿役として、英国情報部の重要人物として登場。名もなき男に、謎の悪人アンドレイ・セイターの情報を教え援助をする。ノーラン作品では押さえるべき人物だ。
時間が“逆行”するという未知なる映像体験が常識を一瞬で吹き飛ばす。世界7ヵ国を舞台にIMAX(R)カメラで撮影された究極の映像からなる、ノーラン作品の集大成と呼ぶに相応しいタイムサスペンス超大作の公開までもうすぐだ。