
木下惠介
木下惠介 出演映画作品
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二十四の瞳〈デジタルリマスター〉
制作年:2007年3月3日(土)公開
日本が世界に誇る巨匠・木下恵介の1954年の名作が、最先端の技術を駆使して映像を修復したデジタルリマスター版として甦った。小豆島の学校に赴任した女教師とその教え子たちが織り成すドラマや、そこに込められた反戦のメッセージは、現代の観客の心にも強く訴えかけるもの。ゴールデングローブ外国語映画賞も獲得した傑作を、美麗な映像で見直したい。
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二十四の瞳〈デジタルリマスター〉
制作年:2007年3月3日(土)公開
日本が世界に誇る巨匠・木下恵介の1954年の名作が、最先端の技術を駆使して映像を修復したデジタルリマスター版として甦った。小豆島の学校に赴任した女教師とその教え子たちが織り成すドラマや、そこに込められた反戦のメッセージは、現代の観客の心にも強く訴えかけるもの。ゴールデングローブ外国語映画賞も獲得した傑作を、美麗な映像で見直したい。
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どら平太
制作年:2000年05月13日(土)公開
巨匠、市川崑の74本目の監督作となる娯楽時代劇。山本周五郎の『町奉行日記』を原作に、型破りな行動で勧善懲悪を成し遂げていく男の活躍を、ユーモアたっぷりに描き出す。
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結婚
制作年:
終戦間もない当時を背景に、経済苦のため、なおも結婚できずにいる相思相愛の男女と、彼ら二人をなんとか結婚させてやろうと努力する娘の父親の姿を描いたメロドラマ。木下惠のオリジナル・ストーリーを、前年に脚本家デビューした新藤兼人が脚色。美術は「母を恋はずや」以来、「秋刀魚の味」まで小津の全松竹作品を担当した浜田辰雄。DVDは「木下惠介 DVD-BOX 第1集」に収録。
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結婚
制作年:
終戦間もない当時を背景に、経済苦のため、なおも結婚できずにいる相思相愛の男女と、彼ら二人をなんとか結婚させてやろうと努力する娘の父親の姿を描いたメロドラマ。木下惠のオリジナル・ストーリーを、前年に脚本家デビューした新藤兼人が脚色。美術は「母を恋はずや」以来、「秋刀魚の味」まで小津の全松竹作品を担当した浜田辰雄。DVDは「木下惠介 DVD-BOX 第1集」に収録。
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五人の兄妹
制作年:
島津保次郎門下生として映画界でキャリアを開始した吉村公三郎の第5作。脚本は同じく島津門下の木下惠介で、これが彼の脚本としては初めて映画化されたものとなった。選挙違反で父親が自殺した長男・健一郎が、残された母や弟妹のために一所懸命働き、やがて弟妹たちも成長するが……。典型的な松竹家庭劇。
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五人の兄妹
制作年:
島津保次郎門下生として映画界でキャリアを開始した吉村公三郎の第5作。脚本は同じく島津門下の木下惠介で、これが彼の脚本としては初めて映画化されたものとなった。選挙違反で父親が自殺した長男・健一郎が、残された母や弟妹のために一所懸命働き、やがて弟妹たちも成長するが……。典型的な松竹家庭劇。
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四谷怪談・前篇/後篇
制作年:
木下監督は、鶴屋南北の原作にかなり手を加え、お岩の亡霊は伊右衛門の良心の呵責による妄想だという新解釈を与えている。また、この作品を日本の伝統的な絵巻物という視点で捉え、全編を俯瞰撮影の長回しで撮った異色作品。
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生きてゐる孫六
制作年:
「花咲く港」で華麗にデビューした木下惠介の第2作。オリジナル脚本を演出したものとしてはこれが第1作となる。農村に代々名家を構える旧家の小名木家と、その所有する土地の開放を要求する村の若者たちの間で繰り広げられる騒動、そして周辺であたふたと動き回らされる人々の姿を、喜劇タッチで描いた作品。DVDは「木下惠介 DVD-BOX 第1集」に収録。
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生きてゐる孫六
制作年:
「花咲く港」で華麗にデビューした木下惠介の第2作。オリジナル脚本を演出したものとしてはこれが第1作となる。農村に代々名家を構える旧家の小名木家と、その所有する土地の開放を要求する村の若者たちの間で繰り広げられる騒動、そして周辺であたふたと動き回らされる人々の姿を、喜劇タッチで描いた作品。DVDは「木下惠介 DVD-BOX 第1集」に収録。
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歓呼の町
制作年:
1943年「花咲く港」でデビューした木下惠介監督の第3作。戦時下、人々が一人、また一人と疎開して消えてしまった町で、家を出たままの夫を待ち続ける母・きよとその息子・慎吾を中心に、なおも町に残ろうとする数少ない家族たちの人生模様を描いていく。ある日きよの夫が戻ってきて、一家に再び幸せが訪れたかに見えたが……。現存フィルムは冒頭が欠けている。DVDは「木下惠介 DVD-BOX 第1集」に収録。
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不死鳥〈1947年〉
制作年:
女学生の頃に出会い、激しい恋に燃え、父の頑強な反対にもかかわらず結婚した主人公が、その後戦争で失った夫を回想する。当初、田中絹代と上原謙のコンビ映画として企画されたが、上原の調整がつかず急きょ代わりに佐田啓二が抜擢されデビューを飾った。楠田浩之のカメラワークがいい。DVDは「木下惠介 DVD-BOX 第1集」に収録。
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不死鳥〈1947年〉
制作年:
女学生の頃に出会い、激しい恋に燃え、父の頑強な反対にもかかわらず結婚した主人公が、その後戦争で失った夫を回想する。当初、田中絹代と上原謙のコンビ映画として企画されたが、上原の調整がつかず急きょ代わりに佐田啓二が抜擢されデビューを飾った。楠田浩之のカメラワークがいい。DVDは「木下惠介 DVD-BOX 第1集」に収録。
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父よ母よ!
制作年:
いじめ、非行、登校拒否、家庭内暴力など、現代社会の問題点の縮図である学校では何が起ころうとしているのか。共同通信記者の斎藤茂男がまとめたルポルタージュの映画化。非行の実例を積み重ねながら、親たちに訴えるという形をとっている。
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父よ母よ!
制作年:
いじめ、非行、登校拒否、家庭内暴力など、現代社会の問題点の縮図である学校では何が起ころうとしているのか。共同通信記者の斎藤茂男がまとめたルポルタージュの映画化。非行の実例を積み重ねながら、親たちに訴えるという形をとっている。
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少年期
制作年:
心理学者・波多野勤子と息子との往復書簡をまとめた“カッパブックス“シリーズの同名ベストセラーを映画化した作品。戦時中、自由主義者で読書ばかりしている学者を父に持った少年が、自らが受けた軍国主義教育や周囲の人間の愛国的行動との狭間で悩む姿が描かれている。脚本は本作が2作目の田中澄江。
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少年期
制作年:
心理学者・波多野勤子と息子との往復書簡をまとめた“カッパブックス“シリーズの同名ベストセラーを映画化した作品。戦時中、自由主義者で読書ばかりしている学者を父に持った少年が、自らが受けた軍国主義教育や周囲の人間の愛国的行動との狭間で悩む姿が描かれている。脚本は本作が2作目の田中澄江。
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父
制作年:
木下惠介お得意の家庭コメディ。日暮菊太郎は、県議会議員に立候補したり、女子プロレスの興行師の仕事に手を出してみたりと、40歳を過ぎても夢ばかり追いかけるダメ親父。家族に苦労をかけながらも、憎めない父親役を板東英二が好演している。
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父
制作年:
木下惠介お得意の家庭コメディ。日暮菊太郎は、県議会議員に立候補したり、女子プロレスの興行師の仕事に手を出してみたりと、40歳を過ぎても夢ばかり追いかけるダメ親父。家族に苦労をかけながらも、憎めない父親役を板東英二が好演している。
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善魔
制作年:
某ブルジョア・マダムが離婚。それを二人の新聞記者が追いかけていくが……。岸田国士の原作小説を、小津とのコンビで不朽の名作群を生みだした野田高梧が脚色。三國連太郎のデビュー作で、彼の芸名は本作の役名をそのままいただいたもの。
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善魔
制作年:
某ブルジョア・マダムが離婚。それを二人の新聞記者が追いかけていくが……。岸田国士の原作小説を、小津とのコンビで不朽の名作群を生みだした野田高梧が脚色。三國連太郎のデビュー作で、彼の芸名は本作の役名をそのままいただいたもの。
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遠い雲
制作年:
休暇で帰郷した圭三は、家のために市会議員の息子と結婚した初恋の娘・冬子と再会する。彼女は未亡人となっており、二人の間に若き日の思い出がよみがえる……。飛騨高山の美しい自然を背景に、大人の男女の恋愛を繊細なタッチで抒情豊かに描いた木下惠介作品。揺れ動く女心を高峰秀子が見事に演じる。
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遠い雲
制作年:
休暇で帰郷した圭三は、家のために市会議員の息子と結婚した初恋の娘・冬子と再会する。彼女は未亡人となっており、二人の間に若き日の思い出がよみがえる……。飛騨高山の美しい自然を背景に、大人の男女の恋愛を繊細なタッチで抒情豊かに描いた木下惠介作品。揺れ動く女心を高峰秀子が見事に演じる。
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まごころ〈1953年〉
制作年:
木下惠介の脚本を得て、前年監督デビューした小林正樹が少年の愛を叙情豊かに綴った名編。受験生の弘は、胸を患い部屋から一歩も出られない少女ふみ子を、窓越しに見つめ恋に落ちる。映画2本目の出演で、純粋な愛に生きる少女に扮した野添ひとみは、この1作で清純派スターの印象を決定づけた。
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女
制作年:
オール・ロケ、登場人物は男女二人だけという、木下惠介ならではの意欲的な趣向の作品。意志が弱くヤクザな仕事しかできない一人の男と、彼にふがいなさを感じながらもついていく一人の女の道行きを追っていく。木下組カメラマンとして知られる楠田浩之は、木下惠介の妹で脚本家でもある楠田芳子の夫。外景を生かした撮影が優れている。
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女
制作年:
オール・ロケ、登場人物は男女二人だけという、木下惠介ならではの意欲的な趣向の作品。意志が弱くヤクザな仕事しかできない一人の男と、彼にふがいなさを感じながらもついていく一人の女の道行きを追っていく。木下組カメラマンとして知られる楠田浩之は、木下惠介の妹で脚本家でもある楠田芳子の夫。外景を生かした撮影が優れている。
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妻の日の愛のかたみに
制作年:
リューマチを患い闘病生活を強いられた池上三重子の同名手記を木下惠介が脚色した純愛映画。見合い結婚で北原家に嫁いだ千枝子は、夫の正之と仲むつまじく暮らしていたが、突然病魔が彼女を襲った。正之は入院する千枝子に、1日に何通もの手紙を書き、健康な日の訪れを信じて待つのだが……。
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新・喜びも悲しみも幾歳月
制作年:
木下監督自身が1957年に作った「喜びも悲しみも幾歳月」のあとを受けて、現代の灯台守夫婦とその周辺を描いた松竹大船撮影所50周年記念映画の一つ。伊豆・石廊崎の風景が美しく、植木等が老け役に味を見せた。
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新・喜びも悲しみも幾歳月
制作年:
木下監督自身が1957年に作った「喜びも悲しみも幾歳月」のあとを受けて、現代の灯台守夫婦とその周辺を描いた松竹大船撮影所50周年記念映画の一つ。伊豆・石廊崎の風景が美しく、植木等が老け役に味を見せた。
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新・喜びも悲しみも幾歳月
制作年:
木下監督自身が1957年に作った「喜びも悲しみも幾歳月」のあとを受けて、現代の灯台守夫婦とその周辺を描いた松竹大船撮影所50周年記念映画の一つ。伊豆・石廊崎の風景が美しく、植木等が老け役に味を見せた。
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大曽根家の朝
制作年:
木下惠介監督の戦後第1作で、戦前プロレタリア演劇運動の中心的作家であった久坂栄二郎が、脚本を担当した反戦映画の力作。大曽根家は戦争によって息子たちが次々に出征し、軍人の叔父がわが者顔で家を占拠するが、終戦になり息子たちを失った母は、毅然として叔父の卑劣な態度をなじり、立ち退きを要求し……。戦後、占領軍指令部によって軍国主義の批判と民主主義の啓蒙というテーマが日本映画に課せられた。この作品は、そうした軍国主義批判の最初の力作として記憶に残る作品となった。木下惠介はこの作品の後、セキを切ったように傑作、話題作を次々に発表し、黒澤明と並ぶ戦後日本映画の巨匠となった。DVDは「木下惠介 DVD-BOX 第1集」に収録。
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香華 前後篇
制作年:
「永遠の人」以降「今年の恋」という喜劇を除けば、以前のように優れた作品を続々と発表することもなく、どちらかといえば低迷した状態にあった木下惠介が久々に手掛けた力作。原作は、舞台化され評判にもなった有吉佐和子の同名ベストセラー。60年以上にも及ぶ母娘二代の波乱に富んだ人生を描く超大作である。20歳で後家になった郁代は娘・朋子を連れて再婚したが、夫の親との折り合いが悪く子供を連れて家出。貧乏生活の果てに朋子は半玉として売られる。朋子13歳の時、母・郁代が花魁(おいらん)となって現れ、17歳の時、伯爵に水揚げされる。やがて、芸者置屋を始めたり旅館を開業したり、淫蕩で虚栄心の強い母に痛めつけられながらも、黙々と生きていく女性像が、あざやかに浮かび上がっていく。木下流女性映画の真骨頂。
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この天の虹
制作年:
九州の八幡製鉄所とその社員住宅の人々の生活を描いたホームドラマ。一帯が製鉄所の社員が住む街で、正社員と下請け企業の家庭の格差、そこに起こるあつれきを映し出した社会的なテーマ性が見もの。題名の「この天の虹」とは、工場の煙突が生み出す多様な煙のこと。
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この天の虹
制作年:
九州の八幡製鉄所とその社員住宅の人々の生活を描いたホームドラマ。一帯が製鉄所の社員が住む街で、正社員と下請け企業の家庭の格差、そこに起こるあつれきを映し出した社会的なテーマ性が見もの。題名の「この天の虹」とは、工場の煙突が生み出す多様な煙のこと。
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婚約指環(エンゲージ・リング)
制作年:
病弱で療養中の夫に代わって銀座で貴金属店を営む妻が、夫を担当するたくましい医者に惹かれていく。この作品の製作された1950年に一時渡米(俳優としては戦後初)し、話題となった田中絹代の帰国第1作。彼女がよろめく相手の医者役には、デビューまもない三船敏郎が抜擢された。
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婚約指環(エンゲージ・リング)
制作年:
病弱で療養中の夫に代わって銀座で貴金属店を営む妻が、夫を担当するたくましい医者に惹かれていく。この作品の製作された1950年に一時渡米(俳優としては戦後初)し、話題となった田中絹代の帰国第1作。彼女がよろめく相手の医者役には、デビューまもない三船敏郎が抜擢された。
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破戒〈1948年〉
制作年:
自然主義作家の島崎藤村の小説で、瀬川丑松とお志保の愛の物語。この部落差別の問題を扱った原作を、木下監督は千曲川を背景にした自然の中で、きわめて叙情的に描く方法に徹し、差別問題という重い題材には深入りせず、ピュアな青年と少女の恋愛物語として仕立て上げている。
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風花〈1959年〉
制作年:
女優の岸恵子のために木下監督が書き下ろして監督した、純愛モードのメロドラマ。信州の田園地帯をバックに二世代にわたる身分違いの恋を、差別などの社会問題を取り入れながら描いた秀作。大地主の次男と小作人の娘が心中して娘だけが生き残った。男の子供を妊娠中の彼女は相手方の家に渋々迎えられ子供を産んだ。後にその子が長男の年上の娘に淡い恋心を抱くことに。
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風花〈1959年〉
制作年:
女優の岸恵子のために木下監督が書き下ろして監督した、純愛モードのメロドラマ。信州の田園地帯をバックに二世代にわたる身分違いの恋を、差別などの社会問題を取り入れながら描いた秀作。大地主の次男と小作人の娘が心中して娘だけが生き残った。男の子供を妊娠中の彼女は相手方の家に渋々迎えられ子供を産んだ。後にその子が長男の年上の娘に淡い恋心を抱くことに。
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なつかしき笛や太鼓
制作年:
32年間松竹に在籍し作品を発表してきた木下惠介の、松竹退社後第1作。松竹を去ったあとは木下プロを主宰し、TVシリーズを手掛けてきた彼の3年ぶりの映画である。内容は、瀬戸内海の貧しい島で生まれ育った少年少女たちが、バレーボールの練習に打ち込み、ついには大会で優勝する、というもの。
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なつかしき笛や太鼓
制作年:
32年間松竹に在籍し作品を発表してきた木下惠介の、松竹退社後第1作。松竹を去ったあとは木下プロを主宰し、TVシリーズを手掛けてきた彼の3年ぶりの映画である。内容は、瀬戸内海の貧しい島で生まれ育った少年少女たちが、バレーボールの練習に打ち込み、ついには大会で優勝する、というもの。
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肖像
制作年:
ともに戦中から注目された新人監督だった黒澤が、木下のためにオリジナル脚本を書き下ろしたのが本作品である。借家人の老画家一家を追い出すために父娘を装って不動産屋と妾が入居するが、老画家一家の温かい人情に触れ自分の過ちに気づき、妾は旦那と別れて自立の道を歩む。可憐な桂木洋子のデビュー作でもある。
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今年の恋
制作年:
正月映画として製作された軽いタッチの風俗映画。親友同士の高校生・光と一郎、それぞれの兄と姉ということで偶然出会った正と美加子。正は美加子に一目惚れしてしまう。美加子はいつまでもつっけんどんな態度をくずさないのだが……。「東京湾の突風野郎」など新東宝作品で活躍していた吉田輝雄の松竹移籍第1作。
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今年の恋
制作年:
正月映画として製作された軽いタッチの風俗映画。親友同士の高校生・光と一郎、それぞれの兄と姉ということで偶然出会った正と美加子。正は美加子に一目惚れしてしまう。美加子はいつまでもつっけんどんな態度をくずさないのだが……。「東京湾の突風野郎」など新東宝作品で活躍していた吉田輝雄の松竹移籍第1作。
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死闘の伝説
制作年:
木下作品としては珍しくアクション映画的要素を持った作品。太平洋戦争末期の北海道を舞台に、疎開してきた園部家の娘に村長の息子との縁談が持ち込まれる。だが村長の息子は大陸で残虐行為をしていたため、園部家はこれを断る。以来、村人たちの園部家への嫌がらせが始まり……。異色の戦争寓話でもある。
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日本の悲劇〈1953年〉
制作年:
戦争未亡人の春子は、熱海の旅館で働いている。敗戦後の混乱のなかで彼女は歌子と清一という二人の子供を抱え、かつぎ屋や怪しげな女としての商売までやらねば生きていけない。おまけに唯一の財産だった土地も義兄夫婦に騙し取られる。時がたち、歌子は英語塾に通い、清一は医科大学に進学。春子には二人の将来がなによりの生きがいだった。しかし、春子の思いとは裏腹に子供たちは母に冷たくあたり、ついに春子は失望のあまり自殺を図る。木下惠介には珍しいリアリズム色濃い作品。春子をとことん追いつめていく木下惠介の厳しい演出は見事である。望月優子の力演と桂木洋子の可憐さが印象的。
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日本の悲劇〈1953年〉
制作年:
戦争未亡人の春子は、熱海の旅館で働いている。敗戦後の混乱のなかで彼女は歌子と清一という二人の子供を抱え、かつぎ屋や怪しげな女としての商売までやらねば生きていけない。おまけに唯一の財産だった土地も義兄夫婦に騙し取られる。時がたち、歌子は英語塾に通い、清一は医科大学に進学。春子には二人の将来がなによりの生きがいだった。しかし、春子の思いとは裏腹に子供たちは母に冷たくあたり、ついに春子は失望のあまり自殺を図る。木下惠介には珍しいリアリズム色濃い作品。春子をとことん追いつめていく木下惠介の厳しい演出は見事である。望月優子の力演と桂木洋子の可憐さが印象的。
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陸軍
制作年:
西南戦争から日清・日露の両戦争、さらに日中戦争に至る富国強兵政策にダブらせて描く、福岡のある一家の3代にわたる大河ドラマ。田中絹代が出征する息子を捜し、行進する部隊を追っていくラストシーンは感動的である。ただし本作で木下惠介は軍部からにらまれる結果となった。DVDは「木下惠介 DVD-BOX 第1集」に収録。
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花咲く港
制作年:
南九州のある港町に、昔ある男が漂然とやって来て造船所を造ろうとしたが失敗。しかしその男は豪胆な性格のため、人々から尊敬をもって迎えられる。ある日、男は突然南方へ旅立って行く。それから15年が過ぎ、その男の遺児と名乗る男が港町に出現。それに続いてまた一人、遺児と名乗る男がやって来る。二人の遺児は兄弟だった、と思いきやそれは真赤な嘘。彼らペテン師が純朴な村人たちの中で繰り広げる騒動を描いたユーモラスな作品。木下惠介の第1回監督作である。木下は最初松竹蒲田の現像部に入社、その後撮影部に転じ、入社3年目にして念願の演出部に移った。やがて書き続けた脚本が認められ監督に昇進した。DVDは「木下惠介 DVD-BOX 第1集」に収録。
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野菊の如き君なりき
制作年:
原作は伊藤左千夫の有名小説『野菊の墓』。思い出の信州の故郷を何十年か振りに訪れた一老人の回想のなかに、旧家に生まれ育った少年時代の主人公と年上のいとこの、淡く美しく、そして悲しい恋の物語を描く。木下惠介の筆致は、最も脂の乗り切った時期の作品だけに、練達のリリシズムを感じさせる。若い二人の恋心は封建的な道徳観を持つ大人たちによって無理やり引き裂かれ、少女は他家へ嫁がされる。やがて少女は胸を病み、少年の手紙を抱いて死ぬ。老人は少女が好きだった野菊の花を墓前に供えるのだった……。回想場面を白地の楕円形のマスクで囲い、古い写真帖をめくるような手法が効果的で、詩情あふれる撮影も相まって涙なくしては見られぬ名作となった。
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野菊の如き君なりき
制作年:
原作は伊藤左千夫の有名小説『野菊の墓』。思い出の信州の故郷を何十年か振りに訪れた一老人の回想のなかに、旧家に生まれ育った少年時代の主人公と年上のいとこの、淡く美しく、そして悲しい恋の物語を描く。木下惠介の筆致は、最も脂の乗り切った時期の作品だけに、練達のリリシズムを感じさせる。若い二人の恋心は封建的な道徳観を持つ大人たちによって無理やり引き裂かれ、少女は他家へ嫁がされる。やがて少女は胸を病み、少年の手紙を抱いて死ぬ。老人は少女が好きだった野菊の花を墓前に供えるのだった……。回想場面を白地の楕円形のマスクで囲い、古い写真帖をめくるような手法が効果的で、詩情あふれる撮影も相まって涙なくしては見られぬ名作となった。
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わが恋せし乙女
制作年:
木下の「大曽根家の朝」が戦後初のキネマ旬報ベストワン作品に輝いた同じ年、同5位としてランクされた作品。ある農家に育てられた兄妹が実の兄妹ではないことを知らされ兄は動揺するが、妹の幸福な結婚を壊してはならぬと自ら身を引く、という木下的ロマンチシズム色濃い物語。DVDは「木下惠介 DVD-BOX 第1集」に収録。
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歌え若人達
制作年:
同じ家で生活する4人の大学生、それぞれの明るく苦い青春を軽く描いた風俗喜劇。当時の青春ものといえば、大島渚ら新世代の監督たちが「青春残酷物語」などでその時代の気分とぴったりマッチした作品を発表していた中、保守派の旧世代作家であることを印象づける内容だが、今観てみるとむしろ新鮮な仕上がりになった。
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夕やけ雲
制作年:
下町の魚屋の家に生まれ育った息子が、家業の魚屋を継ぐのはいやで、船乗りに憧れていたにもかかわらず、結局は父の死によって魚屋の跡継ぎになるまでを描いた作品。前作「野菊の如き君なりき」でデビューした新人・田中晋二が、主役に抜擢された。脚本の楠田芳子は木下惠介の妹で、撮影の楠田浩之の夫人でもある。
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スリランカの愛と別れ
制作年:
スリランカを舞台に、漁業プロジェクト出張員と宝石商の雇われ買付人との愛の行方を、複雑な過去を持つ大金持ちの老婦人の悲劇を絡ませて描いた人間ドラマ。人間の美しさを徹底的に描こうと、木下監督が取り組んだ意欲作で、スリランカの風景が美しい。
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スリランカの愛と別れ
制作年:
スリランカを舞台に、漁業プロジェクト出張員と宝石商の雇われ買付人との愛の行方を、複雑な過去を持つ大金持ちの老婦人の悲劇を絡ませて描いた人間ドラマ。人間の美しさを徹底的に描こうと、木下監督が取り組んだ意欲作で、スリランカの風景が美しい。
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スリランカの愛と別れ
制作年:
スリランカを舞台に、漁業プロジェクト出張員と宝石商の雇われ買付人との愛の行方を、複雑な過去を持つ大金持ちの老婦人の悲劇を絡ませて描いた人間ドラマ。人間の美しさを徹底的に描こうと、木下監督が取り組んだ意欲作で、スリランカの風景が美しい。
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笛吹川
制作年:
木下惠介としては珍しく、戦国時代を背景とした作品。しかし木下はこの作品をよくあるような華々しい合戦絵巻などにはせず、むしろ戦乱の中に生きる百姓の一家を年代記的に捉えることで、合戦がいかに退屈で空虚なものかを描くことに成功している。甲斐の国、笛吹川に架かる橋の下に、貧しい百姓一家が住んでいた。うち続く戦乱で男手は次々戦死。そうしたなかで定平はおけいを嫁にする。数年がたち、ようやく二人の男の子が生まれる。子供たちは成人して戦に出るが、高遠城が落ちたために二人は笛吹川に敗走する……。
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笛吹川
制作年:
木下惠介としては珍しく、戦国時代を背景とした作品。しかし木下はこの作品をよくあるような華々しい合戦絵巻などにはせず、むしろ戦乱の中に生きる百姓の一家を年代記的に捉えることで、合戦がいかに退屈で空虚なものかを描くことに成功している。甲斐の国、笛吹川に架かる橋の下に、貧しい百姓一家が住んでいた。うち続く戦乱で男手は次々戦死。そうしたなかで定平はおけいを嫁にする。数年がたち、ようやく二人の男の子が生まれる。子供たちは成人して戦に出るが、高遠城が落ちたために二人は笛吹川に敗走する……。
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太陽とバラ
制作年:
生まれ育った環境の貧しさゆえに不良グループの仲間入りをしていく青年を、社会的な視線で描き出した木下惠介ならではの作品。同年の日活作品「太陽の季節」に代表される太陽族、愚連隊などの流行や神聖化に対する木下の批判的な姿勢が明確に示されている。
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太陽とバラ
制作年:
生まれ育った環境の貧しさゆえに不良グループの仲間入りをしていく青年を、社会的な視線で描き出した木下惠介ならではの作品。同年の日活作品「太陽の季節」に代表される太陽族、愚連隊などの流行や神聖化に対する木下の批判的な姿勢が明確に示されている。
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海の花火
制作年:
北九州、呼子港の遠洋漁業組合長・神谷は、不正を犯し組合を赤字化させた二人の船長をクビにして、若くて有能な兄弟を雇う。しかし組合の赤字は回復せず、しかもクビにした二人は、彼らに次々と嫌がらせを仕掛けてきた。木下惠介監督が海に生きる男たちの誇りを問うヒューマン・ドラマ。
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海の花火
制作年:
北九州、呼子港の遠洋漁業組合長・神谷は、不正を犯し組合を赤字化させた二人の船長をクビにして、若くて有能な兄弟を雇う。しかし組合の赤字は回復せず、しかもクビにした二人は、彼らに次々と嫌がらせを仕掛けてきた。木下惠介監督が海に生きる男たちの誇りを問うヒューマン・ドラマ。
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カルメン純情す
制作年:
「カルメン故郷に帰る」の主人公リリィ・カルメンとマヤ朱実の後日談を描く続編。浅草のストリッパー、カルメンのもとに男に捨てられた朱実が赤ん坊を抱いて転がり込んでくる。二人は泣く泣くこの赤ん坊を捨てるが、折からの出火騒ぎで急に心配になる。もとの場所へ戻ってみると、パリから帰ったばかりの芸術家が捨て子は元の情婦の仕業だと思い、電話をかけて相手に怒っているところ。この芸術家と知り合ったカルメンは、彼の描いたシュールな作品に感激し芸術家に恋心を抱くようになる。ストリップを芸術と信じ、それゆえに芸術家まがいの男には、まるで弱いカルメンという女の天真爛漫ぶりが好評を博した。前作に続き、松山善三、川頭義郎が助監督についている。
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カルメン純情す
制作年:
「カルメン故郷に帰る」の主人公リリィ・カルメンとマヤ朱実の後日談を描く続編。浅草のストリッパー、カルメンのもとに男に捨てられた朱実が赤ん坊を抱いて転がり込んでくる。二人は泣く泣くこの赤ん坊を捨てるが、折からの出火騒ぎで急に心配になる。もとの場所へ戻ってみると、パリから帰ったばかりの芸術家が捨て子は元の情婦の仕業だと思い、電話をかけて相手に怒っているところ。この芸術家と知り合ったカルメンは、彼の描いたシュールな作品に感激し芸術家に恋心を抱くようになる。ストリップを芸術と信じ、それゆえに芸術家まがいの男には、まるで弱いカルメンという女の天真爛漫ぶりが好評を博した。前作に続き、松山善三、川頭義郎が助監督についている。
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女の園
制作年:
良妻賢母型女子育成を教育の理想とする京都の全寮制の名門女子大学。そこでは徹底した束縛によって学生の生活に対する干渉が行われていた。恋人との自由な文通さえも許されず、また男友だちとの交際も禁じられ、これに反すると停学処分に。その一方では学校の有力な後援者の子女は特別扱い。その理不尽さに女子学生たちはついに自由を求めて立ち上がる。「日本の悲劇」に続く木下惠介の問題作。当時フランスでの長い滞在から帰国した木下は、日本の民主化のかげに、いまだ封建的な環境が存在していることを鋭くえぐり出す。来たるべき全国的学園闘争の予兆的作品。田村高廣のデビュー作でもある。
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女の園
制作年:
良妻賢母型女子育成を教育の理想とする京都の全寮制の名門女子大学。そこでは徹底した束縛によって学生の生活に対する干渉が行われていた。恋人との自由な文通さえも許されず、また男友だちとの交際も禁じられ、これに反すると停学処分に。その一方では学校の有力な後援者の子女は特別扱い。その理不尽さに女子学生たちはついに自由を求めて立ち上がる。「日本の悲劇」に続く木下惠介の問題作。当時フランスでの長い滞在から帰国した木下は、日本の民主化のかげに、いまだ封建的な環境が存在していることを鋭くえぐり出す。来たるべき全国的学園闘争の予兆的作品。田村高廣のデビュー作でもある。
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カルメン故郷に帰る
制作年:
東京でストリッパーをしているリリィ・カルメンこと、おきんは仲間のマヤ朱実を連れて里帰りする。おきんと朱実の派手な服装と突飛な行動で村は大騒ぎ。おきんの父は熱を出して寝込んでしまう。しかし、カルメンもマヤも自分たちは芸術家であると信じているので“芸術のために”ストリップ公演をこの村で敢行。大成功を収めて意気揚々と東京へ帰っていく。本作品は日本初の総天然色の長編映画である。しかも使われたフィルムは国産のフジカラー。この国家偉業的作品が木下惠介の手にゆだねられた経緯は、日本映画監督協会が当時最も景気良好だった松竹に要請し、その松竹で興行的に最も安定した力を持っていたのが木下だったことによる。木下得意のユーモア作品で、小林正樹、松山善三、川頭義郎の3人が助監督についている。
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カルメン故郷に帰る
制作年:
東京でストリッパーをしているリリィ・カルメンこと、おきんは仲間のマヤ朱実を連れて里帰りする。おきんと朱実の派手な服装と突飛な行動で村は大騒ぎ。おきんの父は熱を出して寝込んでしまう。しかし、カルメンもマヤも自分たちは芸術家であると信じているので“芸術のために”ストリップ公演をこの村で敢行。大成功を収めて意気揚々と東京へ帰っていく。本作品は日本初の総天然色の長編映画である。しかも使われたフィルムは国産のフジカラー。この国家偉業的作品が木下惠介の手にゆだねられた経緯は、日本映画監督協会が当時最も景気良好だった松竹に要請し、その松竹で興行的に最も安定した力を持っていたのが木下だったことによる。木下得意のユーモア作品で、小林正樹、松山善三、川頭義郎の3人が助監督についている。
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今日もまたかくてありなん
制作年:
湘南の海の近くに家を建てたサラリーマンが、借金返済のため会社の部長にその家を貸す。サラリーマンの妻と子供は軽井沢の実家に帰るが、そこではヤクザが暴力事件を起こしていて……。歌舞伎役者・中村勘三郎が現代劇に出演した作品で、ヤクザと対決する男を熱演している。
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今日もまたかくてありなん
制作年:
湘南の海の近くに家を建てたサラリーマンが、借金返済のため会社の部長にその家を貸す。サラリーマンの妻と子供は軽井沢の実家に帰るが、そこではヤクザが暴力事件を起こしていて……。歌舞伎役者・中村勘三郎が現代劇に出演した作品で、ヤクザと対決する男を熱演している。
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永遠の人
制作年:
昭和7年の九州阿蘇。地主・小清水の小作人の娘・さだ子には隆という恋人がいた。地主の息子・平兵衛はある日、片足を負傷して戦地から復員する。さだ子は平兵衛に犯され入水自殺を企てるが助けられる。12年の歳月が流れ、隆に去られたさだ子は平兵衛と結婚する。木下惠介得意のいわゆる年代記もので、全体が5章より成る昭和7年から昭和36年までのさだ子と平兵衛の愛憎、というよりは憎悪の半生記である。フラメンコのリズムに乗せて、従来の木下調リリシズムを裏返したように展開する“永遠の憎しみ”に貫かれた異色のホームドラマ。木下惠介はこの作品を木下作品には欠かせない高峰秀子のために作り上げたと言っている。吉田喜重が助監督として参加している。
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永遠の人
制作年:
昭和7年の九州阿蘇。地主・小清水の小作人の娘・さだ子には隆という恋人がいた。地主の息子・平兵衛はある日、片足を負傷して戦地から復員する。さだ子は平兵衛に犯され入水自殺を企てるが助けられる。12年の歳月が流れ、隆に去られたさだ子は平兵衛と結婚する。木下惠介得意のいわゆる年代記もので、全体が5章より成る昭和7年から昭和36年までのさだ子と平兵衛の愛憎、というよりは憎悪の半生記である。フラメンコのリズムに乗せて、従来の木下調リリシズムを裏返したように展開する“永遠の憎しみ”に貫かれた異色のホームドラマ。木下惠介はこの作品を木下作品には欠かせない高峰秀子のために作り上げたと言っている。吉田喜重が助監督として参加している。
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二人で歩いた幾春秋
制作年:
河野道工の歌集「道路工夫の歌」をもとに木下自身が脚本化した作品。妻、両親、息子らと質素な生活を送る道路工夫の姿を描いたもので、1950年代には二枚目スター的イメージの目立った佐田啓二が起用されている。妻役は「喜びも悲しみも幾歳月」でも彼と共演した高峰秀子。
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二人で歩いた幾春秋
制作年:
河野道工の歌集「道路工夫の歌」をもとに木下自身が脚本化した作品。妻、両親、息子らと質素な生活を送る道路工夫の姿を描いたもので、1950年代には二枚目スター的イメージの目立った佐田啓二が起用されている。妻役は「喜びも悲しみも幾歳月」でも彼と共演した高峰秀子。
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衝動殺人・息子よ
制作年:
行きずりの殺人で、罪のない息子を失った夫婦が、同様の被害にあった人々とともに、被害者遺族を保護する法律を成立させようと国に働きかける姿を描く、実話をもとにした作品。1980年5月1日、“犯罪被害者等給付金支給法”が公布され、映画の訴えは実を結んだ。
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衝動殺人・息子よ
制作年:
行きずりの殺人で、罪のない息子を失った夫婦が、同様の被害にあった人々とともに、被害者遺族を保護する法律を成立させようと国に働きかける姿を描く、実話をもとにした作品。1980年5月1日、“犯罪被害者等給付金支給法”が公布され、映画の訴えは実を結んだ。
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恋文〈1953年〉
制作年:
日本人女優で初めて役者から監督へ転向した、田中絹代の初演出作品。外国兵相手の娼婦たちに、ラブレターの代筆をしてやる男と、彼を取り巻く女たちのふれあいを描く人間ドラマ。成瀬巳喜男の「あにいもうと」で助監督を務めたこともあるという田中絹代は、女性監督らしい、繊細なタッチをうまくいかしている。
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恋文〈1953年〉
制作年:
日本人女優で初めて役者から監督へ転向した、田中絹代の初演出作品。外国兵相手の娼婦たちに、ラブレターの代筆をしてやる男と、彼を取り巻く女たちのふれあいを描く人間ドラマ。成瀬巳喜男の「あにいもうと」で助監督を務めたこともあるという田中絹代は、女性監督らしい、繊細なタッチをうまくいかしている。
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お嬢さん乾杯!
制作年:
木下惠介が「破戒」に次いで撮り上げた作品。木下としては初の本格喜劇である。敗戦による社会体制の変化に伴い華族制度は廃され、いわゆる“斜陽族”が登場し、その一方では新興成金が生まれたりした。そうした世相にアイデアを得て作られたのが本作品である。自動車修理業で成功した圭三に元華族の令嬢・泰子との縁談がもち上がる。圭三は“提灯に釣鐘だ”として最初は断わるが、仕方なくお見合いするハメになる。ところが圭三は泰子に会ったとたん一目惚れ。圭三には雲の上の美女に思われた泰子の方も結婚を承諾。こうして成金と没落華族のチグハグなやり取りが始まる。この明るく快テンポの都会喜劇は、封切り当時大ヒットした。
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風前の灯
制作年:
木下が「喜びも悲しみも幾歳月」と「楢山節考」の間に撮った本格喜劇。小金をめぐって、ケチな家庭と強盗があの手この手の駆け引きをするところから生まれるユーモアが大いに笑える。木下はもっぱら叙情的な作風で知られるが、このような辛口の喜劇でも、その才気は際立っている。
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喜びも悲しみも幾歳月
制作年:
北は北海道・納沙布岬から、南は五島列島・女島まで全国15ヵ所をカバーする、日本縦断ロケを敢行した燈台守夫婦の25年にわたる年代記で、一種のロード・ムービーである。また同名の主題歌は大ヒットとなり今でも懐メロとして歌われている。上海事変の勃発した1932年、新婚早々の夫婦が観音崎燈台に赴任した。日本が国際連盟を脱退した翌年には、北海道石狩燈台へ転任となり、そこで長女と長男が生まれ、1937年には女島へ転任。ついに日米開戦を告げる前年、佐渡の弾崎燈台に移る、という風に“激動の昭和史”を副軸に置く感動編である。
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喜びも悲しみも幾歳月
制作年:
北は北海道・納沙布岬から、南は五島列島・女島まで全国15ヵ所をカバーする、日本縦断ロケを敢行した燈台守夫婦の25年にわたる年代記で、一種のロード・ムービーである。また同名の主題歌は大ヒットとなり今でも懐メロとして歌われている。上海事変の勃発した1932年、新婚早々の夫婦が観音崎燈台に赴任した。日本が国際連盟を脱退した翌年には、北海道石狩燈台へ転任となり、そこで長女と長男が生まれ、1937年には女島へ転任。ついに日米開戦を告げる前年、佐渡の弾崎燈台に移る、という風に“激動の昭和史”を副軸に置く感動編である。
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喜びも悲しみも幾歳月
制作年:
北は北海道・納沙布岬から、南は五島列島・女島まで全国15ヵ所をカバーする、日本縦断ロケを敢行した燈台守夫婦の25年にわたる年代記で、一種のロード・ムービーである。また同名の主題歌は大ヒットとなり今でも懐メロとして歌われている。上海事変の勃発した1932年、新婚早々の夫婦が観音崎燈台に赴任した。日本が国際連盟を脱退した翌年には、北海道石狩燈台へ転任となり、そこで長女と長男が生まれ、1937年には女島へ転任。ついに日米開戦を告げる前年、佐渡の弾崎燈台に移る、という風に“激動の昭和史”を副軸に置く感動編である。
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二十四の瞳〈1954年〉
制作年:
本作品はおそらく木下の作品歴のなかでも、その叙情的性格を最も色濃くうまく出しきった傑作。主人公の若き女教師・大石久子が小豆島の分教場に赴任した昭和3年から、終戦の翌年までの激動する18年間を年代記的に描いている。分教場の12人の生徒と大石先生の師弟愛が戦争や家族制度、貧困といったものに踏みにじられていく様子を、幾歳月を経ても変わらぬ、小豆島の美しい自然の中に対象的に映し出し、時代の悲劇を見事に見せている。女学校出のハイカラな大石先生は、赴任当初は村の人々から白い目で見られたが、次第に受け入れられるようになる。やがて時代の流れも12人の優しい教え子たちを離散させ、戦地で命を失う者も出る。終戦後、生き残った者が集まって、再び大石先生を囲む。“二十四の瞳”を演じる現地で募集した素人の兄弟姉妹と、20代から40代を演じる高峰秀子の演技が素晴らしい。DVDは「木下惠介 DVD-BOX 第1集」に収録。
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二十四の瞳〈1954年〉
制作年:
本作品はおそらく木下の作品歴のなかでも、その叙情的性格を最も色濃くうまく出しきった傑作。主人公の若き女教師・大石久子が小豆島の分教場に赴任した昭和3年から、終戦の翌年までの激動する18年間を年代記的に描いている。分教場の12人の生徒と大石先生の師弟愛が戦争や家族制度、貧困といったものに踏みにじられていく様子を、幾歳月を経ても変わらぬ、小豆島の美しい自然の中に対象的に映し出し、時代の悲劇を見事に見せている。女学校出のハイカラな大石先生は、赴任当初は村の人々から白い目で見られたが、次第に受け入れられるようになる。やがて時代の流れも12人の優しい教え子たちを離散させ、戦地で命を失う者も出る。終戦後、生き残った者が集まって、再び大石先生を囲む。“二十四の瞳”を演じる現地で募集した素人の兄弟姉妹と、20代から40代を演じる高峰秀子の演技が素晴らしい。DVDは「木下惠介 DVD-BOX 第1集」に収録。
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破れ太鼓
制作年:
津田軍平は、戦後の混乱のなかで財をなしたらしい成金土建屋。津田家には、軍平の経営する会社にイヤイヤ勤めている長男、親爺を風刺した『破れ太鼓』を大声で歌いまくっている音楽家志望の次男、父の便を顕微鏡でのぞき回虫の卵を見つけて大喜びしている医学生の三男、『ハムレット』の芝居の練習に熱中している女学生の次女、その相手をさせられてうんざりしている中学生の四男、父の命令で会社の出資者の息子と愛情のない交際を強いられている長女、そして軍平の妻が暮らしている。軍平は無教養で傲慢な、やや時代錯誤的な暴君だった。こんな軍平と家族とが繰り広げる木下惠介得意のユーモア喜劇。日本映画を代表する大俳優、しかもどちらかというと時代劇のイメージの強い阪東妻三郎を、こうした現代ものの喜劇に起用し、見事に成功させてしまう木下の並々ならぬ力量を、本作品は如実に示している。木下惠介というと抒情的な作風で知られるが、こうした大喜劇においてもその才能は際だっている。小林トシ子のデビュー作でもあり、また木下の実弟・木下忠司も次男役で出演。
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破れ太鼓
制作年:
津田軍平は、戦後の混乱のなかで財をなしたらしい成金土建屋。津田家には、軍平の経営する会社にイヤイヤ勤めている長男、親爺を風刺した『破れ太鼓』を大声で歌いまくっている音楽家志望の次男、父の便を顕微鏡でのぞき回虫の卵を見つけて大喜びしている医学生の三男、『ハムレット』の芝居の練習に熱中している女学生の次女、その相手をさせられてうんざりしている中学生の四男、父の命令で会社の出資者の息子と愛情のない交際を強いられている長女、そして軍平の妻が暮らしている。軍平は無教養で傲慢な、やや時代錯誤的な暴君だった。こんな軍平と家族とが繰り広げる木下惠介得意のユーモア喜劇。日本映画を代表する大俳優、しかもどちらかというと時代劇のイメージの強い阪東妻三郎を、こうした現代ものの喜劇に起用し、見事に成功させてしまう木下の並々ならぬ力量を、本作品は如実に示している。木下惠介というと抒情的な作風で知られるが、こうした大喜劇においてもその才能は際だっている。小林トシ子のデビュー作でもあり、また木下の実弟・木下忠司も次男役で出演。
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