クランクイン!

  • クラインイン!トレンド
no image

木村功

木村功 出演映画作品

  • 七人の侍〈新4Kリマスター版〉

    制作年:2025年10月17日(金)公開

  • 蜘蛛巣城〈4Kデジタルリマスター版〉

    蜘蛛巣城〈4Kデジタルリマスター版〉

    制作年:2022年11月18日(金)公開

    シェイクスピア4大悲劇のひとつ『マクベス』の舞台を日本の戦国時代に置き換え、能の様式を取り入れた映画『蜘蛛巣城』を4Kデジタルリマスター版として上映する。忠義に厚いふたりの武将と老婆の不気味な予言を描く。黒澤明監督は本作をモノクロ・スタンダードサイズで撮影し、後世に影響を与えた。出演は三船敏郎、山田五十鈴、志村喬ら。

  • 錆びたペンダント

    制作年:

    渡哲也扮する一流ナイトクラブのバーテンが、無実の罪で服役。刑期を終えて出所後、真犯人を捜し始める……。江崎実生が随所に情感のこもった演出を見せるが、ヒロイン役の山本陽子が力不足で、作品のバランスがくずれてしまった。

  • 渚の白い家

    制作年:

    夫の転職に伴ってハワイで暮らす妻が、疑惑と妄想の果てに夫への愛を失い、当地の青年と激しい恋に落ちるというサスペンス・メロドラマ。ヒロイン、浅丘ルリ子の恋人役として登場の名高達郎はこれがデビュー作。浅丘ルリ子のファッションも見もの。

  • 母子草

    制作年:

    血のつながらない先妻の子二人と実の子一人を、女手一つで育ててきた女性・小沢しげとその子供たちの姿を、富士山麓のとある町を舞台に描き出した人情物語。1942年に田坂具隆が監督した同名作品の再映画化。俳優・山村聰が「沙羅の花の峠」以来、4年振りにメガホンを取った。

  • 若様やくざ

    制作年:

    宮津藩松平家から、将軍より贈られた千鳥の香炉が盗まれた。盗んだのは、大名・風早主税之亮から頼まれた、二代目鼠小僧。だが、風早が報酬を渋ったため、再び香炉は鼠小僧に奪われる。そして、その行方を追う謎の侍が出現するが……。時代劇の定石、秘宝争奪戦に、鼠小僧を絡めた、痛快時代劇。ビデオ発売時のタイトル「橋蔵の若様やくざ」。

  • 暴力

    制作年:

    大阪の歓楽街で、打算的にその日暮らしを続ける浮浪者やスリ、万引き、ムショあがりの人間たち。そうしたなかでポン引きをして暮らす孝子という女の力強い生き方を描いていく。松竹を退社した吉村が、脚本の新藤と近代映協を設立した時期の作品。横丁を徘徊する狂気の詩人の絶叫する詩が萩原朔太郎の作品というのが、興をそそる。

  • 関の彌太っぺ

    制作年:

    ふとしたきっかけから、孤児のお小夜を旅篭“沢井屋“に届け、名も告げず去っていった旅人・関の弥太っぺは、10年後、お小夜一家が彼を命の恩人として探していると知らされるが、ヤクザ渡世の身をはばかって立ち寄ろうともしない。しかし、同じヤクザ仲間の箱田の森介が、昔の恩人と偽って沢井屋に乗り込み、お小夜を苦しめていると知るや、素性を隠してお小夜の前に現れる……。ヤクザ渡世に生きてきた男の苦渋と心の優しさを、悲しく美しくうたい上げた作品。特に、弥太郎とお小夜が運命的な再会をする場面がいい。今を盛りと咲きほこる白いむくげの花を垣根にして、ヤクザ家業で傷だらけとなり、変わりはてた弥太郎が、美しく成人したお小夜に“お小夜さん、この娑婆にゃあ、悲しいこと辛えことがたくさんある。だが、忘れるこった。忘れて日が暮れりゃ、あしたになる“と10年前と変わらぬ言葉をかけ、さっと立ち去っていく。ハッと気づいたお小夜が“旅人さん“と呼び止めようとする場面では、観る者の瞳を潤ますに違いない。

  • 仰げば尊し

    制作年:

    森繁久彌が老教師を淡々とユーモラスに演じた和製“チップス先生“の趣の作品。瀬戸内の小学校教師・浜口丈太郎は、かつての教え子たちの消息を訪ねて上京する。だが、彼らの多くは日々の暮らしに追われる、世知辛い生活を送っていた……。

  • 足摺岬

    制作年:

    田宮虎彦の短編小説『足摺岬』『菊坂』『絵本』を新藤兼人が脚色、吉村公三郎が監督した作品。軍国主義の重圧が次第に強まる昭和初期。社会主義者の検挙にあいながらも自己の主張を曲げずに生きる若者を描く。田宮文学に特有の暗い叙情を見事に映像化。

  • 雲ながるる果てに

    制作年:

    ベストセラーとなった同名の学徒航空兵の手記集をもとに、家城巳代治監督が松竹退社後初のメガホンを取り、鶴田浩二・木村功主演で映画化した反戦映画の代表作。太平洋戦争末期の昭和20年春、本土南端の特攻隊基地を舞台に、様々な思惑を胸にした学徒航空兵の短い青春が綴られる。家城巳代治監督は、特攻隊の学徒航空兵という後戻りできない悲運の青春群像を通して、決して力むことなくむしろ淡々としたタッチで、戦争に対する怒りをぶつけた。戦争の臭いがまだ生々しく残っている時代だけに、鶴田浩二・木村功らの出演者が実にリアリティーあふれる学徒兵ぶりである。

  • 悪党〈1965年〉

    制作年:

    谷崎潤一郎の戯曲『顔世』を新藤兼人が脚色し、監督した戦乱の世の物語。14世紀、南北朝の動乱の時代、田舎武士の妻で絶世の美女顔世に恋こがれる足利将軍の執事・高師直の愛と苦悩の日々をエネルギッシュに描く。京都市郊外の亀岡に寝殿造りのセットを組み、その近くにプレハブ住宅を建てて、スタッフ一同合宿して撮影に臨んだ。

  • 天下の御意見番

    制作年:

    外様大名と旗本が年始の挨拶に登城する正月二日、それぞれの行列が先を争って大喧嘩を始める。ところが3人の老中が大名びいきだったため、旗本側だけが切腹という片手落ちの断が下される。名物男一心太助から事情を聞いた大久保彦左衛門は、命を懸けて大名と旗本の確執を取り除こうとするが……。

  • 美貌の都

    制作年:

    大阪の町工場で働く千佳子は、同じ工場で働く恋人、耕一がいながら、貧しい生活から脱して陽の当たる場所にいきたいと願っていた。そんな彼女の前に現れた青年副社長、一彦。千佳子は彼の住む夢のような世界の虜となり、耕一を冷たくあしらい、工場を辞めてしまうのだが……。

  • 野良犬〈1949年〉

    制作年:

    暑い夏の日の午後だった。若い村上刑事は射撃訓練の帰り道、満員のバスの中でコルトを盗まれ、犯人を追ったが路地裏で見失った。そのコルトには7発の実弾が装てんされていたため、もしやこの銃を使って事件が起こるのでは、と村上は悩む。村上はスリ係の老刑事と、捜査線上に浮んだお銀という女を訪ね、なんとか貸しピストル屋を聞き出し、そこからさらに本多という男を捜し当てる。村上はベテラン刑事・佐藤と満員の後楽園球場に乗り込み、本多をおびき出す。逮捕された本多は、仲間の遊佐が拳銃を持っていると白状する。こうして村上と佐藤は遊佐を追いつめていくが、ついに村上のコルトによる強盗事件が起きてしまう……。黒澤はこの頃、初めて知った脚本家の菊島隆三と意気投合し、ジョルジュ・シムノンばりの犯罪映画を作ろうとして企画したのが本作品である。鋭い切れ味を出した演出が素晴らしい。

  • 山びこ学校

    制作年:

    無着成恭が編集して、当時大ベストセラーになった作文集『山びこ学校』を原作として映画化したもので、脚本の八木保太郎が自ら設立した独立プロ“八木保太郎プロダクション”の第1回作品である。山村で起こる生徒と先生、村人とのふれあいを、ドキュメンタリー的なタッチで描いたさわやかな一編。

  • 私たちの結婚

    制作年:

    松山善三と松竹ヌーヴェル・ヴァーグの旗手として活躍していた篠田正浩が共同で脚本を執筆、篠田が監督した青春恋愛事情。川崎の漁網会社に勤める圭子と冴子の姉妹は、二人とも職工の駒倉に好意を寄せていたが、冴子は姉のために身を引こうと決意する。しかし妹の思いをよそに、姉は金持ちの松本に惹かれていく。倍賞千恵子の新鮮な演技が初々しい。

  • 宮本武蔵 般若坂の決斗

    制作年:

    武蔵は京都で吉岡道場の門弟を一方的に破って遺恨を残す。また奈良の宝蔵院を訪ね槍の名手・阿巌と木刀で立ち合い、一撃で即死させる。さらに般若坂で、荒法師たちを煽動している牢人たちを斬りまくる。

  • 宮本武蔵 二刀流開眼

    制作年:

    高倉健の佐々木小次郎が初登場する。柳生石舟斎の指導を受けようと訪ねてきた宮本武蔵は、石舟斎の高弟たちと対決する。そのとき聞えてくるお通の笛の音。武蔵は心が乱れ窮地に陥るが、瞬間両刀を構える。それから京へ上り、吉岡清十郎と洛北蓮台寺野にて1対1で対決し、勝利を得る。

  • どっこい生きてる

    制作年:

    一株50円の株主を募集して、400万円の製作費で作られた独立プロ作品であり、映画のオープニングには“この映画は日本映画を愛する多くの人ーの協力によって作られたものである”とクレジットされている。職安の前にあふれ返る人波。毛利は今日も仕事にあぶれ、わびしい思いで家に帰る。仕事が見付からず、生活も苦しくなり、妻との折り合いも悪くなってきたので、毛利は妻と子供を実家に帰すことにする。やがて、やっと仕事に就くことができた毛利は喜ーとして働くが、給料日にポケットの金を誰かに盗まれる……。イタリアン・ネオ・レアリスモに影響を受けた今井正の代表作の1本。

  • 丹下左膳 飛燕居合斬り

    制作年:

    林不忘の原作を五社英雄監督・中村錦之助主演で映画化したアクション時代劇。将軍・徳川吉宗の時世、黄金百万両が隠された“こけ猿の壷”をめぐって柳生一族、将軍の側近、愚楽老人一味そして丹下左膳が激しい争奪戦を繰り広げる。豪快なアクション時代劇では定評のある五社英雄監督は、随所に見せ場を盛り込んで楽しませてくれるが、中村錦之助の丹下左膳は力演ながらミス・キャスト気味であった。林不忘創作による隻眼隻手の怪人・丹下左膳は、大河内伝次郎の一世一代の当たり役としてあまりに有名だが、戦後は大友柳太朗の豪快無比な丹下左膳が当たり役となりシリーズ化された。

  • 暗殺〈1964年〉

    制作年:

    司馬遼太郎の一連の幕末暗殺史を描いた“幕末”というシリーズの中に収められてる短編小説『奇妙なり八郎』を、篠田正浩監督が好漢・丹波哲郎を得て映画化したテロリズム時代劇の秀作。浪人・清河八郎は文武に優れていた。しかし、農村出身で何の門閥もないため、極端なまでに権謀術策を用い、ついに勤皇・佐幕の両派から敵としてつけ狙われ非業の最期を遂げる。篠田正浩の凝った画面構成と、シャープなアクション処理が見事なアンサンブルを見せ、特にラストの清河八郎暗殺シーンの息をのむ映像処理は、篠田のハッタリのきいた美学が見事に昇華した名シーンであった。丹波哲郎が清河八郎に扮し、豪快な中にも滑稽味を加えた演技をみせ、彼の代表作の1本となった。

  • 幕末残酷物語

    制作年:

    新選組に入隊した、気弱で力もない青年の物語。舞台は新撰組の屯所内に限定され、その中で厳しい規律に縛られた若者たちが人間性を失い、破壊していく様を描く。徹底したワンセット・システムの撮影と、まだ幼さの残る藤純子が印象的。

  • 宮本武蔵〈1961年〉

    制作年:

    吉川英治の原作を、内田吐夢が中村錦之助を武蔵に起用して監督した5部作の第1部。関ヶ原の戦いから禅僧・沢庵の教示を得て修行の旅に出発するまでが、内田吐夢のダイナミックな演出で描かれる。

  • 女優須磨子の恋

    制作年:

    夫と離婚して新劇運動に飛び込んだ須磨子は、自由恋愛を説く学者・島村抱月と出会う。新劇界の大スターとなっていく須磨子と新劇運動のリーダーとして活躍する抱月との恋は、やがて悲しい結末を迎えることになるのだった……。溝口=田中の名コンビで描く女性の自立をテーマとした一編。

  • 蜘蛛巣城

    制作年:

    シェイクスピアの原作『マクベス』を日本の戦国時代にあてて翻案した作品。謀叛を起こした敵を破り主家の危機を救った鷲津武時は、帰城途中に出会った老婆の予言通り大将に任ぜられた。武時は妻・浅茅にそそのかされて城主を殺害し、自ら城主となったが、妻は再び親友・義明を殺すことを迫る。武時は今また義明を討ち、良心の呵責ゆえ半狂乱に。一方、身ごもっていた浅茅は死産し重体に陥る。義明の子・義照は城主の一子を奉じて軍勢を率い、蜘蛛巣城へ押し寄せてくる。城内の将兵は不安におののき、浅茅も発狂。武時は首を矢で射抜かれて死ぬ。黒澤は演出に能楽の様式を持ち込み、見事に成功させている。三船=マクベスが無数の矢にさらされるシーンが圧巻。

  • 制作年:

    名匠・今井正監督が手掛けた初めてのカラー作品。霞ヶ浦の農村を舞台に、地方の因襲や生活状況を描く。農家の母を演じる望月優子の体当たりの演技が評判をとり“日本のお母さん”女優と呼ばれるようになった。中尾カメラマンが捉えた田園風景が美しい。

  • 樹氷のよろめき

    制作年:

    札幌で美容院を経営する百合子は、愛人の高校教師・杉野と冬の旅に出る。これを最後に杉野と別れるつもりでいた百合子は、杉野の目覚める前に旅館を出て、かつての恋人・今井のもとへ向かった……。一人の女をめぐる二人の男の葛藤と、その果ての一方の死を描いた吉田喜重監督の現代の愛のドラマ。

  • あすなろ物語

    制作年:

    井上靖が少年の成長を描いた原作を黒澤明が脚色した作品。監督の堀川弘通は黒澤の助監督だったが、これは監督第1回作品。おばあちゃん子の気弱な少年が成長していく年代記ものである。題名は、桧になろうとする“あすなろ”の木に由来している。黒澤ヒューマニズムを理解する上でも貴重な作品。

  • 雪国〈1965年〉

    制作年:

    温泉町で知り合った芸者に不思議な魅力を感じて心惹かれていく若者の姿を描いた川端康成の同名小説の映画化。岩下志麻が演じる芸者・駒子のしっとりとした美しさと内面の強さが巧みに表現されていて、主人公の木村功もナイーブな青年の心理を好演。

  • 真空地帯

    制作年:

    陸軍刑務所から原隊復帰した木谷一等兵の反抗ぶりと、ひそかに彼を支持する曽田一等兵。皇軍の兵隊を作り出す内務班教育の非人間的な残酷さの中で、木谷は上官に復讐し脱走しようとするが失敗し、外地へ送られる。野間宏の小説を山本薩夫がリアルに描く。

  • 子連れ狼 地獄へ行くぞ!大五郎

    制作年:

    「大魔神」などの特撮監督としてならした黒田義之監督による一編。3人の息子をことごとく拝一刀に倒された柳生烈堂は、一人娘の香織に“お手玉の剣”を体得させ一刀を追わせる。黒田監督の特撮技術を生かしたクライマックスの、大雪原の凄絶な死闘が見もの。

  • 愛と死の谷間

    制作年:

    美しい女医が、彼女を尾行する私立探偵とその正体を知らずに恋に落ちるという恋愛映画。名匠・五所平之助が監督、脚本を作家の椎名麟三が担当しているが、人間の生と死、そして愛情を悲劇とも喜劇ともつかない曖昧な視点で描いてしまったのは惜しい。

  • 天国と地獄〈1963年〉

    天国と地獄〈1963年〉

    制作年:

    高台に豪邸を構えている製靴会社の権藤の子供と間違えられて、お抱え運転手の子供が誘拐される。権藤は悩みに悩んだ末、全財産を投げ出して三千万円の身代金を払い子供を救い出す。警察の捜査が始まり、一人の非凡な知能犯である青年が浮かんでくる。その動機とは……。全編息づまるサスペンスで、特に鉄橋を利用した現金受け渡しのシーンは有名で、これを模倣した誘拐事件が実際に発生した。また白黒作品であるにもかかわらず、映画の最もポイントとなるシーンで一個所着色を施すなど黒澤明の映画魂が感じられる傑作。

  • プーサン

    制作年:

    数々のヒット作を生んできたとはいえ、市川崑の“才能”を一躍世に知らしめたのはこの作品であった。横山泰三の漫画を原作に、現代社会とそこで蠢く庶民の姿を、風刺コメディの形で完成させた逸品である。世渡りがヘタで、下宿先の娘に恋をしても想いを伝えられない主人公のやもめの教師が、俗物政治家が苦境もなんのその、スイスイ世を渡っていくのを目の当たりにして、非情の心を持とうとするが……。現代社会批判を、声高に訴えるのではなく、さりげなく良質のブラック・ユーモアのオブラートに包んでしまうあたり、「億万長者」「満員電車」などにつながっていく市川演出の面目躍如。

  • 決戦の大空へ

    制作年:

    土浦海軍飛行隊予科練習生を時代のホープとして描き、その予科練がいかに素晴らしいかを訴えた戦意昂揚映画。学生の自由な映画鑑賞が禁止された1943年、数少ない国民映画普及会選定映画として子供たちの鑑賞が許された作品でもある。高田稔と原節子が「望楼の決死隊」に続いて、息の合うところを見せた。

  • 億万長者

    制作年:

    実直で小心者なるがゆえにうだつの上がらない薄給税務署員・館。しかしそんな彼が作成した脱税メモが、周囲の人間を大騒動に巻き込んでいく……。安部公房、和田夏十、横山泰三らのシナリオ協力を得て完成した風刺喜劇。青年俳優クラブ自主製作作品。

  • 人間魚雷回天

    制作年:

    回天特別攻撃隊長・津村敏行の手記を松林宗恵監督、岡田英次主演で映画化した戦争映画。戦争末期、戦局挽回のため水中特攻艇・回天に乗り込み、太平洋に散っていった男たちの短い生涯を描く。冷静沈着な朝倉少尉を演じる岡田英次が好演。

  • 雁の寺

    制作年:

    原作は前年に直木賞を受賞した水上勉の同名の小説。洛北衣笠山にあって、厳しい戒律の守られている禅寺、雁の襖絵で名高く俗に“雁の寺”とも呼ばれるその寺の中で、サディスティックな住職と愛人とのただれた愛欲と、それをのぞき見る不遇な少年僧の虐げられた生活が繰り広げられる。鋭角的でキビキビした川島雄三の演出、独特の角度と構図を見せる村井博の撮影、愛の犯罪ドラマともいうべきサスペンスに満ちあふれたストーリーを展開させた川島と舟橋和郎の脚色、そのどれもが驚嘆に値する仕上がり。そして若尾文子の妖艶さは観る者を圧倒する。

  • 生きる

    生きる

    制作年:

    ベルイマンの「野いちご」などとともに、老人を主人公にした世界的名作の1本として、観る者に深い感銘を与えずにはおかない作品。黒澤明の最高傑作と賞する人も多く、現在ハリウッドでリメイクを製作中。市役所の市民課長・渡辺勘治は、30年間無欠勤という模範的な役人だが、ある日自分が胃ガンで余命いくばくもないことを知る。早くに死に別れた妻との間の息子にも冷たくされ、絶望と孤独に陥った渡辺は、街へさ迷い出て飲み慣れない酒を飲む。“自分の人生とは一体何だったのか……”。しかし、元気な女性と出会い渡辺は人間が本当に生きるということの意味を考え始め、人生の最後に少しでも市民の役に立つことをしようと、下水溜りを改善して小公園を作ることに情熱を注ぐ……。黒澤明は、非人間的な官僚主義に対して痛烈に批判するとともに、人間が生きることについての哲学的な問題をも提示している。真面目一徹の渡辺が、老いて初めて夜の歓楽街を取り憑かれたようにさまようシークエンスの、めくるめく映像センスも忘れがたい。

  • 黒蜥蜴〈1968年〉

    制作年:

    怪盗・黒蜥蜴と明智小五郎との戦いを描く、三島由紀夫の戯曲の2度目の映画化。丸山(現・美輪)明宏のために三島が書き改めたという劇だけに、丸山の女装をはじめ、彼女(?)の魅力が十二分に発揮されている作品。名探偵はサシミのツマという感じ。三島自身が特別出演している。

  • 宮本武蔵 一乗寺の決斗

    制作年:

    武蔵は吉岡清十郎の弟・伝七郎から呼び出しを受け、三十三間堂で対決しこれを斬る。面目を失った吉岡一門は総力をあげて復讐を画策し、一乗寺下り松に武蔵を呼び出す。武蔵対吉岡一門73人の対決シーンは、内田吐夢の殺気みなぎる演出が冴えわたる名殺陣シーンである。

  • 炎と女

    制作年:

    人工受精をテーマに、吉田喜重監督が撮り上げた心理ドラマ。造船技師の伊吹と妻の立子の間には1年と7ヵ月の一人息子がいたが、実はその子は人工授精によって生まれた子だった。精子の提供者である坂口の妻は、その子が坂口と立子の姦通で生まれた子と思い込み、自分は伊吹を誘惑しようとする……。

  • 情炎〈1967年〉

    制作年:

    1966年に直木賞を受賞した立原正秋の小説『白い罌粟(けし)』を原作に、日本のヌーヴェル・ヴァーグを牽引していた吉田喜重監督が撮り上げた女性映画の意欲作。女性の性とその心理を斬新な演出によって映し出す。玉の輿に乗って結婚した女の夫には愛人がいた。ある日、亡き母の愛人だった男と再会し、妙に懐かしい気持ちになり、やがて……。

  • 七人の侍

    七人の侍

    制作年:

    日本の時代劇に西部劇の面白さを取り入れ、黒澤流のヒューマニズムを盛り込んだ黒澤映画の最高峰。その後、「荒野の七人」「宇宙の七人」など、この映画をお手本にした作品が続出した。志村喬演ずる勘兵衛が泥棒を斬るシーンでスローモーションが使われているが、これにヒントを得たサム・ペキンパーがアクション場面でこの手法を引用したことは有名な逸話。戦国時代、野武士が野盗化していた頃。貧しい農村の百姓たちが、野盗から村を守るため、侍を雇うことにする。食うことにも窮する侍7人が集まり、百姓たちにも竹槍による即成の軍事訓練を始めさせる。そしてついに野武士の群れが全力を上げて村に攻撃をしかけてきた……。早坂文雄作曲の『侍のテーマ』が実に印象的に使われており、次に展開するドラマへの期待感を盛り上げる。無口なサムライの久蔵を演じた宮口精二は、それまで剣道を1度もやったことがなかったが、この映画の中では日本一の剣豪に見えるから不思議だ。映画のマジックといえるだろう。

  • 美わしき歳月

    制作年:

    前年の「この広い空のどこかに」と同じ監督・脚本・主演カルテットによる青春ロマン。祖母とともに花屋を営む娘と、彼女の死んだ兄の友人たちが織りなす恋と友情の物語が展開していく。

  • 舞姫〈1951年〉

    制作年:

    川端康成の同名小説を映画化した成瀬巳喜男監督作品。バレエ教室を営む中年女性が愛情の冷めた夫と別れて新たな人生を歩もうとするが、結局もとの生活に戻るまでを香気豊かに描く。これがデビューの岡田茉莉子が美しく、早くも大女優の風格を備えている。

  • 純愛物語

    制作年:

    不良仲間から足を洗おうとしてリンチを受けそうになっていたミツ子は、ふとしたことから貫太郎に助けられる。二人は組んでスリをして稼ごうとたくらむが、警察に捕まり、貫太郎は鑑別所へ……。新人の中原ひとみを主役に起用し、みずみずしいタッチで描いて大ヒットした青春ドラマ。

  • 鰯雲

    制作年:

    成瀬巳喜男監督が初めて手がけたカラー・ワイドスクリーン作品。和田伝の同名小説を社会派の橋本忍が脚色、東京近郊の農村問題を扱っている。女性映画を得意とし、都会の下町を好んで描く成瀬監督としては異色の題材ながら、田園風景の叙情豊かな描写が秀逸だ。

  • 杏っ子

    制作年:

    室生犀星の小説を翻案した成瀬巳喜男監督の名作。高名な作家の娘が文学青年と結婚するが、夫が自分の才能を信じて売れない小説を書き続けるため生活が困窮し、夫婦仲も冷めていくという物語を成瀬独特の淡々とした作風で描いている。暗く起伏に乏しい内容でありながら、その映画的展開は圧倒的に素晴らしい。名声は天地の開きがありながら、同じ志を抱く作家としてのライバル意識を燃やす杏子の父と夫が、庭に隔てた障子越しに執筆中の互いの姿を気にし合うシーンなど、さりげないドラマの肌合いを捉える成瀬演出の白眉である。物語とは直接関係のない細部の卓抜な描写も印象的。

  • 武士道残酷物語

    制作年:

    自己を犠牲にしてまで主君に仕える日本人の被虐的精神構造を、江戸時代から現代までの7つのエピソードで描くオムニバス映画。第13回ベルリン映画祭で金熊賞を獲得した。物語は現代に生きるサラリーマン・飯倉が、ダムの入札をめぐって上役から競争会社の情報を盗むように言われ、スパイをしたその恋人が自殺未遂をするところから始まる。映画はそこから飯倉の先祖にさかのぼり、主君や国家のために犠牲になって死ぬ飯倉家七代の残酷な歴史を綴っていく。藩主の落度を被っての切腹に始まり、殉死、不義密通の濡れ衣で男根を切られたり、老中に娘を献上したり、戦争で死んだりと、異様なエピソードの数々に日本人の原形が重ね合わされる。

最新ニュース

  • [ADVERTISEMENT]

    Hulu | Disney+ セットプラン
  • [ADVERTISEMENT]

トップへ戻る