横井佑輔×野田慈伸×富川一人×齋藤明里 最強の布陣で臨む『俺ずっと光ってるボーイ、健之助』をたっぷり語る!
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――台本を拝読する限り、2人は少し変わった恋人関係で、どうしようもなさ、ままならなさを抱えながら一緒にいようとする姿が印象的でした。同時に、何か予想外のことが起こりそうな予感も感じて、思わず途中で台本を閉じました(笑)。ネタバレしない程度にその役どころについてお聞かせいただけますか?
富川:なんですかね、まあでもクズです(笑)。本能のまま生きてるように見えますがどうなんでしょうか。野田さんから「健之助は優しいクズで」という言葉をいただいたので、一緒に落ちていくじゃないけど、この2人はこの2人じゃないとダメなんだなっていうニコイチ的な存在にはなりたいと思っていて、今そのあたりを稽古で探しているところです。
野田:執筆当時は僕もまだ30代になりたてだったんです。そこから40歳の男の結婚像やどうしようもない男のあれこれみたいなのをイメージしながら書いてたわけですが、7年経って自分も40代を目前という健之助とほぼ同じ世代になってみたら、「甘っちょろいこと言いやがって!」とすごく思ったんですよ。そして、その違いはこの作品を再演する上でもすごく面白いなと思ったんですよね。優柔不断な男として生きている人のどうしようもなさみたいなのは、やっぱり大きな見どころになると思います。
(左から)齋藤明里、横井佑輔
齋藤:2人に限らず、登場人物たちがみんな開き直って、「私はこういう人間です」って生きているのがいいなって私は思います。善悪は別として、私ってこうです、俺ってこうですという生き方を貫いている気がするし、もしかしたら現代社会で生きる人たちが隠しているものがそこにはあるのかもしれない。だから、「自分の恥ずかしいところもそんなに隠さなくてもいいかも」みたいに思ってもらえたらいいのかなって。今の話を聞いててそんな風に思いました。とにかく、みんなが一生懸命生きてますよね。そこを見てほしいです。
野田:そうなんですよね。正しさという面で言えば、決して正しいと言えるような行いではなかったりするし、きっと観ていてそれを嫌だと思う人もいると思うんです。でも、そこに合わせる必要もないというか、逆にそこで励まされる人もいるのが今自分たちが生きている世界だとも思うんですよね。そういう意味でも、過去作の中でも最も真正面から書いた作品。何の話なんだと言えば、やっぱり愛の話だと思います。改めて読み返すと恥ずかしいところもあるけれど、恥ずかしがらずにやれればいいなって思っています。
富川:健之助って、基本的にずっと逃げてるし、でも、どこかあっけらかんとしていて、つかみどころがない男ではあるんですけど、最後まで通して観た時に、「ああ、だから健之助はこうなったんだな」って、そんな風に見える人間でありたいなと思います。野田さんが書かれるちょっとしたセリフや言い回しにそのヒントがあったりするので、小さなところも大事にしてやっていきたいなと思います。
横井:そう。この作品の魅力ってまさにそこなんですよね。今回のチラシを作る時にデザイナーさんには「日常的な風景にしてほしい」というオーダーを出したんです。それは観終わった後にこのチラシやタイトルを見て、「ああ、そうだったんだ」って、ハッとしてくれたらいいなと思っていて……。見た人の心にもちょっと、光ってくれたらいいな。そんな想いを込めて企画しました。
■光るのか、光らないのか 答えは劇場で!
【公演概要】
舞台『俺ずっと光ってるボーイ、健之助』
11月4~8日 中野ザ・ポケット
■脚本・演出:野田慈伸(桃尻犬)
■出演:
富川一人(はえぎわ)、齋藤明里(柿喰う客)、佐野剛、帯金ゆかり、成瀬志帆、紺谷凪乃、
板場充樹(猿博打)、吉田ヤギ(大人計画別邸)、野田慈伸(桃尻犬)