愛され続ける『おいしい給食』を支えてきた歴代キャラクターたち<マニアが紹介する最重要人物>
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season1で甘利田のクラスの副担任を務めた新人教師の御園ひとみ(武田玲奈)、season2で教育委員会から甘利田の監視を頼まれた学年主任の宗方早苗(土村芳)、season3の副担任を務めた帰国子女の比留川愛(大原優乃)をヒロインとし、まるで寅さんのように、時にほろ苦い恋模様も演じてきた甘利田。
中でも、かなりいい感じに距離を縮めていったseason1の御園ひとみ先生が、最新劇場版『おいしい給食 炎の修学旅行』で6年ぶりに登場する。
映画『おいしい給食 炎の修学旅行』場面写真 (C)2025「おいしい給食」製作委員会
season2以降がドラマとしての進化がテーマだったとすれば、season1は『おいしい給食』の面白さの真髄を純粋に示した作品だった。そんな中、season1の武田玲奈演じる御園先生が視聴者にとって特別な存在であり続けるのは、初代ヒロインという理由だけでなく、甘利田幸男という存在との“未知との遭遇”を視聴者と共に体験していった、いわば視聴者にとっての“同志”だったからだと思う。
だからこそ、“教師に向いていない”と自信を無くしていた彼女が、甘利田という未知に触れ、自身と向き合い、成長していく姿に心から共感できた。武田玲奈の等身大の魅力がそのまま御園先生の可憐さと調和していたからこそ、忘れがたいヒロインとなったのではないだろうか。
御園先生最後の出演となった『劇場版 おいしい給食 Final Battle』で、彼女は甘利田に対してこう言っている。「先生のこと、ずっと応援してていいですか。そしたら私、少しだけ勇気が持てます」。この言葉の意味を、私は今でもときどき考える。
シリーズを重ねるほどに、私たち視聴者もまた甘利田の姿に何度も励まされてきた。不格好でも一生懸命な人の姿に背中を押され、自分も今日をまっとうしようと思える――。一生懸命な人の前では、自分も一生懸命でなければならない。それこそが、『おいしい給食』の真髄なのだと、改めて実感する。
(文:『おいしい給食』を愛する編集部員)
映画『おいしい給食 炎の修学旅行』は公開中。

