『進撃の巨人』『海街diary』…漫画原作、実写化成功のカギとは?

漫画原作の実写化が続々と登場している、日本の映画界。『アオハライド』や『ストロボ・エッジ』など、キャストがハマれば映画化可能と思われる恋愛ドラマや人間ドラマ。一方、『寄生獣』『暗殺教室』『進撃の巨人』など、「映像化は無理だろう⁉︎」と思われる作品にも果敢にチャレンジしている。
【関連】実写版『進撃の巨人』フォトギャラリー
原作ファンからは、思い入れのある作品ほど「これは実写化してほしくなかった」との悲鳴が上がることもしばしばだが、なぜ作り手はこれほどまでに漫画原作に着目しているのだろうか?第27回東京国際映画祭のトークイベントでは、北野武監督が「なぜ漫画原作の実写映画化が多いと思うか?」との質問に答えている。
北野監督は「漫画を題材として映画化するのは、客が入るから。それだけ。よくわからない台本にお金を払う勇気のある映画会社がない」とキッパリ。その言葉通り、原作自体が人気のある作品であれば宣伝もしやすく、クオリティもお墨付き。
ただ人気があればあるほど期待値も上がり、原作のキャラクターとのギャップに対する意見も厳しいものとなるのも事実。安易に「売れているからやろうぜ」と手を出すと、受け手は必ずそれを察知する。その壁を乗り越えるには、原作の魂をしっかりと受け継いだ内容、キャスト陣の熱演が欠かせないものとなるはずだ。
また、CG技術の進化が「映像化不可能」を可能にしていることも、実写化が増えている大きな要因だ。先日、完結編が公開された『寄生獣』は、『永遠の0』の山崎貴監督が最新技術を駆使して、ミギーをはじめ、おぞましい寄生生物の実写化に成功。原作のイメージ通りに、動くミギー、人を食らう寄生生物を目撃できたことは、原作ファンにとっても新鮮な驚きだったはずだ。何を隠そう、山崎監督自身が原作の大ファンとのこと。妥協を許さず、研究に研究を重ね、納得のいく完成作を作り上げた。