横浜流星「誰に対しても失礼のないように」 熱く冷静に向き合う俳優としての流儀
こうした思いは、俳優を始めたころから意識していたという。しかしデビュー当時は、自分のことでいっぱいいっぱいで、なかなか実践はできなかったと言うが、少しずつ変化を感じることができているという。
「いまでも全然余裕はないのですが、作品を重ねることで、少しずつですが思っていることを伝えて、みんなで作品を作っていければ…という気持ちは実践できているような気がします。でも、作品が変われば監督も変わり、やり方も変化する。まだまだ自分の中で引き出しが多くないので、もっといろいろな経験をしていかなければと思っています」。
本作では、座長として作品の中心に立った。過去にも主演としての経験はあるが、意識の変化はあったのだろうか――。
「僕は共演者の先頭に立って、みなさんとコミュニケーションをとれるタイプじゃないので、どちらかと言えば、自分ががむしゃらに作品に向き合うことで、それを見た方たちが、なにかを感じていただければいいなというスタンスです。まだまだ、現場を引っ張っていくような立ち居振る舞いは難しいです(笑)。ただ今回の作品では、佐野(勇斗)くんとバディを組むのですが、その関係性はとても大事だったので、普段からしっかりとコミュニケーションをとろうと心掛けていました」。
映画『嘘喰い』 (C)迫稔雄/集英社 (C)2022映画「嘘喰い」製作委員会
それでも先輩の背中を見て、影響を受けることは多い。現在放送中の日曜劇場『DCU』でタッグを組む阿部寛の立ち居振る舞いには大いなる刺激を受けた。
「阿部さんもご自分を追い込んで、誰よりも作品とご自身の役に向き合っている熱い方。それを背中で見せてくださるので、ついて行きたいと思える。でもだからと言って話しかけづらいわけでもなく、ちゃんと向き合って真っすぐ返してくださる。本当にすごく格好いい方です」。