鈴木亮平、“評価されて頼られたかった”20代 弱さを受け入れることで生まれた変化
ディズニー&ピクサーが1995年に世界初の長編フルCGアニメーション作品として製作し、映画の歴史を変えた『トイ・ストーリー』。あれから27年、『トイ・ストーリー』シリーズ…いや、歴代のピクサー作品の中でも随一の人気を誇るバズのルーツを描く『バズ・ライトイヤー』が公開を迎えた。本作でバズの日本版声優を務めるのは鈴木亮平。目を輝かせながら、子どもの頃から大好きだったというバズを演じた喜び、そして本作が描く多様性について熱く語ってくれた。
【写真】優しく穏やかな笑顔が魅力の鈴木亮平
■作品を貫く「受け入れることの大切さ」
ちなみに、この取材が行われたのは、東京ディズニーランド(R)内で本作のプロモーションイベントが行われた日だったが、鈴木はイベントを前に、東京ディズニーリゾート(R)に今年4月に開業したばかりの東京ディズニーリゾート・トイ・ストーリーホテル(R)に足を運んだという。その“体験”を語る鈴木の表情、興奮した口調は少年そのものだ。
映画『バズ・ライトイヤー』ポスタービジュアル(C)2022 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
「エレベーターに乗ると、『ロビーに着陸した!』とか『任務の成功を祈る!』などのバズの声が聞こえてくるんです。エレベーターに乗り合わせた2歳くらいの子がいて、その声に『バズ?』って反応していて。それを見ただけで、これだけ影響力のあるキャラクターのルーツとなる物語で声を担当できるって、とんでもなく幸せなことだと感じました。それから、部屋で履くスリッパの裏を見たら“ANDY”って書いてあるんです。『トイ・ストーリー』の『1』でバズが自分はおもちゃだと気づかされるシーンと同じで…『お前はおもちゃなんだよ!』と言われて『いや、俺は人間として生きてきたし』と思いつつ、足の裏を見て持ち主の名前が書いてあったら…あの時のバズはこんな心境だったんだなと(笑)。そういう細かい演出がすごくて素晴らしかったです」。
いまの話にも出た、『トイ・ストーリー』に登場するおもちゃの持ち主である少年アンディが人生を変えられるほどに夢中になった映画――つまり『トイ・ストーリー』の世界の中で公開された映画という設定の本作。スペース・レンジャーのバズ・ライトイヤーが自らの失敗によって仲間たちと共に未知の惑星に不時着してしまい、なんとか地球に帰還しようと奮闘するさまを描き出す。
時代の先端を走り続けてきたピクサー作品なだけあって、本作はアトラクションのような映像体験でエンタテインメントとして観る者を楽しませつつ、多種多様な価値観や人生の教訓ともなるようなテーマをしっかりと描いている。鈴木が作品全体を貫く大きなテーマとして強く感じたのは「受け入れること」の大切さだという。
映画『バズ・ライトイヤー』メインカット(C)2022 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
「バズは過去の自分の失敗を受け入れ、自分が完璧なスペース・レンジャーではないことも受け入れ、仲間の存在も受け入れる。そうすることで成長していく物語なんですよね。それからこの映画は、バズが時間の経過を受け入れる話でもあると思います。時間が進んでいく無常さはありますが、それも全て受け入れて、だからこそ“いま”が素晴らしい、いまいる仲間が素晴らしいということを受け入れる。完成した映画を観て『受け入れる強さ』、『受け入れることが成長なんだ』というテーマ性を感じて、感動しました」。