土屋太鳳&佐藤信介監督、『今際の国のアリス』キューマ役・山下智久の出演に衝撃受ける
関連 :
――本作のような生死を懸けたゲームを描く作品は日本でも以前から人気がありますが、近年、『イカゲーム』が社会現象を巻き起こすなど世界的な人気を得ています。こうした作品の魅力や傾向について、どのように感じていますか? その中でも『今際の国のアリス』ならでは面白さはどこにあるのでしょうか?
佐藤:この「今際の国のアリス」の映像化を企画されたのはもう何年も前ですが、その時、僕が感じたのは、日本では既にいろんなサバイバルゲーム系の作品があって、そろそろ一服したいというムードでした。
一方で、海外に目を向けるとちょっと空白期間があって、いまなら日本から改めて世界に向けて、現代的なサバイバルゲームものを出しても面白いかもしれないなと思いました。
佐藤信介監督
特に東京の街を舞台にしているというのがこの『アリス』は良いんじゃないかなと思いました。当時はコロナ禍が起こる前で、東京にものすごい数の観光客がひしめいていて、しかも数年後に五輪が開催される予定で、そのタイミングで配信ということだったので、あの東京のど真ん中が空っぽになって、そこでサバイバルゲームをするというのに神秘性を感じました。なので、コロナで東京から人気がなくなった時は、この作品で描いたことが、現実化されたように思いました。
コロナ禍でいろんな部分が狂いましたが、その根幹の恐怖は届いたと思います。
――土屋さんはこういうタイプの作品はお好きですか?
土屋:好き…でもないです(苦笑)。怖いじゃないですか。音とかに翻弄されるんですよね。「ブーン…」と聞こえてくると怖くなっちゃって…。でも「アリス」でちょっと強くなったかも(笑)。やはり、サバイバルだからこそ感じられるドキドキ感ってあると思います。
土屋太鳳
その中で、「アリス」ならではの魅力がどこにあるのか? 普段、私たちが生きている世界と“今際の国”って実はそんなに変わらないんじゃないかって思うんです。
それぞれ環境が変わり、学校や会社で関係性を作っていくのを繰り返すのが人生だと思うんですけど、それが今際の世界とリンクするというか、共感を呼ぶところが魅力なんじゃないかと思います。
(取材・文:黒豆直樹 写真:小川遼)
Netflixシリーズ『今際の国のアリス』シーズン2は配信中。