45年間演じたローリー役に「さようなら」――『ハロウィン』ジェイミー・リー・カーティスが語ったホラーファンへの感謝
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――前作のハイテンションな作風から一転、今作は落ち着いたトーンのドラマ展開になりました。最初に物語を聞いた時の印象を教えてください。
前作の終盤のエネルギーのままで3作目を始めるのは不可能でした。だから4年という歳月を挟むことになったんです。その中で、ローリーは娘の死をある程度は受け止めて、心を癒す時間があった。ローリーが傷つきながらも孫のために生きるという選択をすることで、観客は最初「彼女は大丈夫かも」と思うはずです。それこそが重要でした。監督のデヴィッド(・ゴードン・グリーン)の選択はとてもクレバーだと思います。
――コーリーという新たなキャラクターについてはどう感じましたか? マイケル復活のためには、新たなキーが必要だったのでしょうか。
今回新たに登場するキーとなるキャラクター「コーリー」 (C)2022 UNIVERSAL STUDIOS
その通りだと思います。この映画のオープニングは、それだけでホラー映画だと感じるシーンになっています。そしてオリジナルの『ハロウィン』を想起させるシーンでもある。ベビーシッターの男性・コーリーと少年が登場し、ある悲しい事件が起きる。それは意図的なものだったのか、それとも事故だったのか。そのせいでコミュニティーの中に「怒り」のようなものが生まれますが、ローリーは若いコーリーに対して共感していく。このオープニングはすごく勇気のいる選択だったと思うし、すごく興味深いものでもありました。
――デヴィッド・ゴードン・グリーン監督とは、物語の結末について話し合いましたか?
実は、私が一番この映画に貢献できたのが最後のシーンなんです。撮影中に私から提案したんですが、私の中で、このシリーズはこう終わるべきだというものがあったんです。その案を受け入れてもらうために、かなり戦いました。私にとって、あの日、あの場所で、ああいう形でラストを表現するということがすごく重要だったんです。
殺人鬼マイケルが再びローリーの前に出現 (C)2022 UNIVERSAL STUDIOS
他にもエンディングについては常に意見を求められました。この映画のテーマは「善」と「悪」であり、ローリーが善、そしてマイケル・マイヤーズが悪の象徴です。なので、彼らは物理的に戦わなければならない。これはそういう作品なんだ、と改めて学びました。マイケル・マイヤーズの迎える終焉にあいまいさがあってはいけない。ハッキリとした形で終わらせなければいけない、という結論に至りました。
――劇中、ローリーとフランク・ホーキンス保安官補の会話の中で桜が印象的に登場します。日本では大きな悲劇があった場所に植えられる木でもありますが、桜にはどんなイメージがありますか?
それはすごく興味深いですね。フランクがなぜ桜に惹かれ、桜を見に行きたいと思っているのか、今すごく納得しました!私の中では、希望の象徴であったり、成長であったり、新しい命、新しい人生というものを象徴している花だと思います。自然というものは常に変化し続けていて、たとえ悲劇があったとしても、またそこに新しい花が咲く、そんな風に考えていました。