室井滋、来年デビュー45周年 変わることは好まず「これからもこのままで」
映画『ぶぶ漬けどうどす』場面写真 (C)2025「ぶぶ漬けどうどす」製作委員会
――まどかを演じられた深川麻衣さんの印象はいかがですか?
室井:ポワっとされていて、だけどどっしりされていたので安心感がありました。まどかのKYぶりの演技がハンパなかったので面白いなって拝見していました(笑)。ご自身も、とっても真っすぐな人なんじゃないかな。私が「なんかもっと美味しいもの食べたくない?」とか不平不満をブツブツ言っていても、「本当にね~」とポーっとされていて(笑)。舞台裏もそんな感じでホンワカしてて良かったと思います。
――環さんのご主人である達雄さんを演じられた松尾貴史さんとの関係性も素敵でした。
室井:松尾さんは前から存じ上げていたんですけど、あんなに折り紙が上手だって知らなかったです。空き時間に何をやってるのかな?と思ったら、ずっと鶴を折ってるんです。これがまたすごく上手なんですよ! 普通の鶴じゃなくて、3羽続いた3連の鶴とか、ありえない上手さなんです。ああやって、いろんなお店で女の人を口説いてるのかなって思いました(笑)。
――京都の街中での撮影はいかがでしたか?
室井:大変でした~。2023年の紅葉の季節に撮ったんですけど、その年は1月に京都・南座で舞台をやって1ヵ月いたんですね。その頃はまだインバウンドも戻ってきていなかったので、わりと静かな京都でお店も好きなだけ入れたんです。でも秋にはもうどこにも行けなくなっていましたね。ホテルもみんなバラバラで、滋賀県から通っていました。京都の夜はどこに行っちゃおうかなといろいろと計画していたのに、ガラガラと夢が崩れましたけど、それでも近所の美味しいおうどん屋さんを見つけて、深川さんを連れて行ったり、隙間を狙って京都を堪能できました。
――室井さんは富山県のご出身ですが、京都に対してどんなイメージをお持ちでしたか?
室井:富山県人の気質は全く違いますが、ただ東京か京都かって言われると、京都のほうが近い感じがあると思います。大学もどこを志望しようかと思った時に、東京行く人、名古屋行く人、あとは関西、特に京都に行く人ってすごく多くて。北陸の富山・石川から見ると、東京には山を越えて行くという感覚があるんですけど、京都は海沿いに行くので、そこもまた意識が違うんじゃないかと思います。今は北陸新幹線ができたので、なおさら近くなりましたしね。
あとは、富山は真宗王国なんですよ。私の実家も浄土真宗で私が10代目。こうして私が10代目って言っちゃうところも、より京都っぽいですよね(笑)。今回の作品で描かれる伝統やしきたりを重んじる感じも近いところがあって、昔ながらの家のしきたりや、街のみなさんとの関わり方もそうですし、お嫁さんにはこうしてもらわないと困るとか、嫁入りのお道具がどうこうとか言いますから。
金沢のほうでは、「嫁をもらうなら富山から」ってことわざがあるんです。ある石川出身のプロ野球選手の奥様が富山のご出身だという噂が流れた時には、「〇〇選手はえらい!」ってみんなが言ったくらい(笑)。常に控えめにして、派手なところはあまり表に出さずTPOを考えて、表向きは家のしきたりを守り、人前で旦那さんを立ててしっかりやることはやって、後ろではきっちりしているのが富山の女の人なんです(笑)。