アダム・クーパー「舞台の上で観客からの愛を感じたい」新演出『コーラスライン』への思い語る

イギリス・ロンドン出身のバレエダンサーでロイヤル・バレエ団のプリンシパルとして活躍、退団後も映画やミュージカルで活躍を続けているアダム・クーパー。2025年9月からは、傑作ミュージカル『コーラスライン』の新演出版公演で日本に来日し、演出家のザック役を熱演する。アダムはどのような想いをもって、この役に挑んだのか、話を聞いた。
【動画】アダム・クーパーが演出家・ザックに! 『コーラスライン』第1弾ティザー映像
■アイコニックな作品への新アプローチにワクワクした
ミュージカル『コーラスライン』は、1975年にニューヨークのオフ・ブロードウェイで大ヒット。その後ブロードウェイへ進出した傑作で、15年間のロングラン公演を続け、トニー賞9部門、ピューリッツァー賞演劇賞などを受賞するなど高い評価を受けている。長らくオリジナル版で上演され続けてきたが、奇跡的に新演出と振付の許可が下り、オリジナルの精神を受け継ぎつつも、ドラマをより深く掘り下げて2021 年、レスターThe Curveで初演、そして2024年にはロンドンで上演、大成功を収めた。今回、日本で上演されるのは、その新演出版となる。
――『コーラスライン』を新バージョンで上演するというオファーを受けたとき、どのようなお気持ちになられましたか。
アダム:この新しいバージョンのオファーをいただいたとき、とてもワクワクしました。今、この作品にとても誇りを持っていますし、作品に参加していることに喜びを感じています。『コーラスライン』のことは昔からよく知っていて、映画は小さい頃に観ていましたし、12年ほど前にロンドンでリバイバル公演が行われた時にも観劇しました。このアイコニックな作品を新バージョンでやれること、新しいアプローチをするということを、とても楽しみにしていました。それに、演出のニコライ・フォスターをとても尊敬しているので、本当に興奮していました。
――以前にご覧になっていた『コーラスライン』をどのようにご覧になっていましたか。
アダム:もともと映画版がとても好きです。それぞれのキャラクターがすごく鮮明に描かれているところが気に入っていました。特に、マイケル・ダグラスが演じたザックがダンサーたちの話を聞き出そうとしているシーンが印象的でした。オリジナル版のミュージカルでは、ザックは舞台上に登場せず声だけなので、そこが映画とオリジナル版の違いだな、と感じていたんです。今回のバージョンでは、ザックも演出家として舞台上に上がってくるところがとてもいいなと感じています。オリジナル版のステージはすごく大きくて華やかだったんですが、今回はさらにそれぞれのキャラクターに入り込んでいきたいですね。
――今回のバージョンの魅力をどのようなところに感じていますか?
アダム:やはり新しいエネルギー、新鮮なエネルギーを持った作品になっていると思います。振付もとてもワクワクするようなものになっていますし、1人1人のキャラクターに感情移入することができるし、そこがすごくハッキリと描かれているので、とてもエキサイティングな作品になっています。