『イカゲーム3』パク・ソンフン 「本当に悲しかった」衝撃シーンの裏側を語る<ネタバレあり>
画面に映るたびに、視聴者の心をつかんで離さなかったヒョンジュ。しかし、待ち受けていたのはあまりにも残酷で無慈悲な運命。彼女は一粒の涙を流しながら、静かに息を引き取った。
ソンフンは同シーンの撮影を「僕自身も本当に悲しかったですし、撮影現場も非常に厳粛な雰囲気でした」とあの瞬間に立ち返るように静かに語った。「実は本来の予定にはなかったのですが、ヒョンジュが2度刺される演出が加わりました。それに伴って監督からも『2度目に刺されて倒れる前に、一粒の涙を流せないか』とリクエストをいただいたんです。ありがたいことに、1テイク目でタイミングがぴったり合って、ポロッと涙が落ちたので、すごく良い気持ちで撮影を終えることができました」。
パク・ソンフン Yoon Ji-yong/Netflix(C)2025
同シーンだけでなく、重要な場面が続く『イカゲーム』の台本は、厳重なセキュリティー対策が施されていたそう。「このドラマはセキュリティー管理が非常に徹底されており、俳優一人ひとりにタブレットが支給され、パスワードを入力しないと台本が見られない仕組みになっていました。そのためマネージャーでさえ台本を見ることができず、俳優だけがアクセスできるという状態だったんです。さらに、登場人物が死亡する場合、そのキャラクターが亡くなる回までしか台本は共有されません。わたしも第2話で退場する役なので、それ以降のストーリーがどう展開するのか、実は今でも知らないんです」と話した。
ヒョンジュ亡き世界で待ち受ける第5のゲームは「大縄跳び」。「むくげの花が咲きました(だるまさんがころんだ)」でおなじみの女の子のキャラクター、ヨンヒに加え、「大縄跳び」には男の子のチョルスも登場する。
チョルス 『イカゲーム』シーズン3場面写真 Netflixシリーズ『イカゲーム』シーズン1~3:独占配信中
ソンフンは「チョルスとヨンヒは、わたしたちが子どもの頃に使っていた教科書によく登場していた、なじみ深いキャラクターなんです。以前はヨンヒだけでしたが、チョルスが加わったのは良いアイデアだと思います」と同ゲームを称賛。続けて「撮影に参加した俳優たちの話によると、現場には足(下半身)しかなかったそうなんです。上半身はCGだったとか」と撮影秘話も明かしてくれた。
ヒョンジュを演じたことによって、LGBTQ(性的マイノリティ)の人々への偏見をなくす手助けになればと願うソンフン。『イカゲーム』シーズン3は「命の貴重さや高貴さについて、もう一度考えられる作品になった」と語り、「パク・ソンフンという俳優が『イカゲーム』に参加し、全世界にいる視聴者の方に届けられる作品の一員になれたのは、本当にありがたいことですし、素晴らしいことだと思っています」と喜びをかみ締めた。
(取材・文:阿部桜子)
Netflixシリーズ『イカゲーム』シーズン1~3は独占配信中。