玉置玲央、高校時代衝撃受けた舞台『ポルノ』で念願の主演「令和にそぐわなくても考え続けなきゃいけない普遍的なテーマ」

――20年を超えるキャリアの中で玉置さんにとって転機を挙げるとするとどの出会いになりますか?
玉置:やはり大杉漣さんが最後に主演された『教誨師』という映画は間違いなくターニングポイントでした。漣さんとの出会いもですし、取り組んだ役もそうですし。おかげさまで役が評価されて賞もいただけて、そこからいろんなことが少しずつ楽になって、こだわりとかも捨てられるようになった気もします。
――昨年40代を迎えられましたが、40代の“玉置玲央”はどんな姿を見せていきたいと考えられていますか?
玉置:自分で意図して狙ってできるものかどうかわからないですし、しかも極めて個人的なことになっちゃうんですけど、どんどん楽になっていければいいなって。芝居することも、生きていくことも、人と関わっていくことも。
20代の前半なんか特に、なんとか人に気に入られなきゃ、次の仕事に繋げなきゃ、自分を取り巻く人たちも幸せにしなきゃとばかり考えていました。もちろんそう考えることは大事だし、今も考えるべきだとは思うんですけど、でも、大切なのは自分自身、満足させるべきはまずは自分自身だっていう考えが、年齢やキャリアを重ねていく中で芽生えてきたので、そこをちょっと信じて、それに寄り添って生きていってみてもいいかなと思っていて。なので、何をするにしても自由に。凝り固まった考えや、こうしなきゃ、ああしなきゃ、ここに応えなきゃみたいなものを手放して、40代、50代、60代は歩いていきたいですね。
――最後に本作を楽しみにしているみなさんへメッセージをお願いします。
玉置:はっきり言いますが、内容としては、令和の時代にそぐわない、価値観とかがコンプラに引っかかってしまいそうな内容なんです。じゃあ、なんでやるのよというのをずっと考えていて。それは僕と大悟にとって思い出深い作品だからというのもあるけれど、大悟が普遍的なテーマだと言っていましたが、やっぱり考え続けなきゃいけないことが描かれているんです。
稽古場でもみんなで話したんですけど、この『ポルノ』というタイトルはいろいろな意味で取れると思うんです。僕はやっぱり何か見てはいけないものを覗き見てるとか、見てしまっているっていう感覚を総じて「ポルノ」という言葉に捉えられるんじゃないかと思っていて。登場人物の本来の姿、裏の姿って言っていいのかわからないですけど、そうした部分をお客様に垣間見せるという意味で『ポルノ』というタイトルを受け取ってくれればいいなと思っています。
登場人物にはそれぞれの正義と正しさと愛情がその歪んだ表現や世界の中にある。それを俳優としてきちんと突き詰めて劇世界を立ち上げることができれば、この時代においては不謹慎かもしれないことが、きちんと意味を持って観てくださるお客様にも伝わるんじゃないかと思っていますし、そう信じています。
(取材・文:近藤ユウヒ 写真:高野広美)
舞台『ポルノ』は、東京・本多劇場にて4月2日~12日、福岡・西鉄ホールにて4月15日・16日、大阪・サンケイホールブリーゼにて4月25日・26日上演。

