中川晃教「ミュージカルとミュージシャンとしての活動は繋がっているもの」 3つの異なるコンサートで25年の歩みを披露
中川晃教25th Anniversary Concert at Tokyo Opera City」キービジュアル
――3月の東京国際フォーラムでの公演はいかがですか?
中川:国際フォーラムホールCでのコンサートは、バンド編成で、テーマはタイトルの通り「I Sing」です。僕は、「歌を歌うことで自分の原点に戻る」という場所が、このコンサートと出会うまでなかったんです。もちろん、ミュージカルでもそうですし、いろいろな場所で歌う機会はあったのですが、「I Sing」というタイトルを掲げて、自分が歌と向き合うことで、原点に帰ることができた。もしかしたら、ミュージシャンの方々は、楽曲を制作していく過程が音楽と向き合う、自分と向き合うという実感を得られる時間なのかもしれませんが、僕の場合は、リリース活動やレコーディングをするということよりもステージに立つことが活動の中のメインになっているので、やっぱりステージに立つことに意味があります。なので、国際フォーラムでは、自分の中の引き出しにあるものを調合して、「こんな世界が見られるよ」と、この25年の歩みの中で僕が培ってきたものを感じていただけるコンサートにしたいと思っています。
――内容も形態も全く違うんですね。これまで周年をあまり大々的にやられていなかったということですが、今回、こうして開催されるのは、何か思いがあってのことなんですか?
中川:機が熟したというタイミングなのかもしれませんね。会場に足を運んでコンサートで音楽を聴くのと、CDやサブスクで聴くのとでは、また違った感動が詰まっていますよね。コンサートは、アーティストにとっても勝負の場所だと思います。僕は、2001年にデビューしたのですが、デビュー当時は、クラブサーキットといって、クラブを回ってショータイムに出たり、ライブハウスを巡るツアーを行ったりという経験をさせてもらいました。そのときに、あるプロデューサーの方が「ライブが本物でなければ本物じゃない」とおっしゃっていたんですよ。その言葉はずっと僕の心に焼き付いています。今は、何でもエディットすることができる時代ですが、その場の空気感やそのときの歌声、音楽は、生だからこそ感じられるものだと思います。そう思って続けてきて、さまざまな経験をさせていただいたからこそ、今、こうした機会が生まれたのだろうと感じています。満を持してというとおこがましいですが、心を込めて歌を届けたいですし、ぜひ足を運んでいただきたいです。
――音楽や歌と向き合うというところでいうと、それぞれのコンサート、そしてミュージカルなどの舞台公演もまた、違ったものなのでしょうか?
中川:気持ち次第だとは思いますが、全部違うものだと思います。若いときとは違って、今も情熱は変わらずに持ち続けていながらも、「僕はこういうものを持っていた」「こういう色が好きだった」と自然体で自分が持っているものを表すことができるようになってきました。一つひとつの歌やステージで、「ここを大切にしてみよう」と出していけたらいいなと思っています。ただ、たまには冒険もしたいし、自分の中にないものは吸収したい。そのバランスが取れてきていることをこの25周年で実感できたらいいなと思っているんです。
もちろん、技巧的な話になったらまた変わってきます。例えば、女性の曲を歌うときと男性の曲を歌うときでは、使う音域が違います。僕は、デビュー当時から、声が高いと言われていましたし、自分でもそう思っていますが、年を重ねるにつれて高音がより出しやすくなっているんです。それはミュージカル『ジャージー・ボーイズ』という作品に出会ったことが大きいと思います。さまざまなミュージカルと出会って、いろいろな声を磨いてきたからこそ今があるので、そうした技術的な面では、違いはあると思います。
