橋本愛「自分に対しての反省ばかり」 18歳に心機一転したワケ

「月刊アフタヌーン」(講談社)で掲載されていた、五十嵐大輔によるコミックを実写映画化した『リトル・フォレスト』。女優の橋本愛が、東北の集落を舞台に自給自足生活を送るヒロインを演じている。実際に農作業を行うなど、未だかつてない1年間の撮影を通して訪れた心境の変化を伺うと共に、現在の自身の立ち位置についても聞いた。
【関連】橋本愛インタビュー フォトギャラリー
近くにスーパーもコンビニもない集落・小森で、いち子(橋本)が土から生まれる命を育て食べる姿を、春夏秋冬を通して描き出す。ほとんどのダイアローグが料理のレシピという一風変わった構成をとるために「何をどう掴めばいいのかわからなかったので、脚本よりも原作の漫画を読んで、作品の作りを把握していった感じ」と振り返る。
「普段から料理はする方」という橋本は、劇中で「くるみごはん」「ウスターソース」などの料理や調味料を手慣れた様子で作っていく。食材の収穫のために農作業にも初挑戦したが「畑とか田んぼはまるで子供みたい。面倒を見続けないとダメだという使命感もあるけれど、投げ出したくなってしまう瞬間もある。体験して初めてその大変さを知った」と実感を込める。
食材を生み出す苦労を、身をもって知ったこともあり「食べ物が食卓に並ぶまでのプロセスを想像できるようになって、好き嫌いもなくなった。今までは『なにこの葉っぱ』とか思って食わず嫌いだったものも『美味しいかもしれない』と食べるようになった。嫌いな野菜も克服できました」と意識と嗜好も大きく変わったよう。都会の雑踏から離れた場所でのロケでは「気持ち良くて自分自身が浄化されたような感覚があって『優しくなれてるわぁ~』みたいな。自然って凄い」とリフレッシュを図ることも出来た。
撮影自体は、昨年の夏から今年の春までという長期間。今年の春といえば、高校卒業という橋本にとっての大きな節目を迎えた時でもある。「卒業しても気持ち的には何も変わってはいない」というものの、橋本は今年の1月に18歳を迎えたことを契機にある誓いを立てたそうだ。「女優デビューしてから今までの4年分はすべて捨てよう。18歳を機会に、まるで初めて現場に行きます、というような新人の気持ちを持つことにした」と明かす。