唐沢寿明、朝ドラ好調の理由は女優の“演技力” 「新人じゃないというのが大きい」

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NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』で、6月21日放送回から編集者・花山伊佐次役で登場した唐沢寿明。花山はヒロイン・常子(高畑充希) との出会いから、生活総合雑誌「あなたの暮し」を創刊、ここから物語は山場を迎える。 撮影現場では、その役柄のモデル同様、唐沢も独特な存在感を発揮しているようだ。
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花山のモチーフとなっているのは雑誌「暮しの手帖」の創業者である名物編集者・花森安治さん。唐沢は「絵もかけて、文章もずば抜けていて、デザインもして、編集をトータルにできる、そういう天才的な人はなかなかいない」と花森さんを評する。
演じるにあたって花森さんに関する本は読んだというが、「そこに答えは書いてないんです。経験に勝るものはないけど、僕にはその(編集者)経験もない。取り入れるべきは取り入れて、いらないものは捨てる」。その作業の中で唐沢流の“花山伊佐次”が生まれていった。
花森さんは、女性読者の心を理解するためにスカートをはいて出勤するなどかなり異端の人だったという。「女性の気持ちを理解することは大事ですが、でも普通の男性編集長は女性の格好をしないですよね。そこまでマジメで不器用な人だったんじゃないかな。その部分は取り入れて演じたいとは思いますね」と笑う。
撮影現場では唐沢は、テストの段階からどんどんアドリブを入れていく。それは「ただ家でセリフを覚えて、現場で覚えてきたセリフを言うだけじゃ役が生きない。普段人と会話する時、頭で話すことを追っかけて喋ってるわけではないでしょ。なぜセリフだけ頭の中で追わなければならない? それは変だよね」という考えによるもの。
それには後輩に集中力をもって芝居をしてもらいたいという思いもある。テストではふざけた芝居も入れ笑わせることもあるそうだが、「緊張すると絶対にいい芝居はできない。たとえば泣くにしてもリラックスした状態でないと集中ってできない。多少バカげたことをやって笑ってもらえるくらいのほうがいいんじゃないか」と語る。