ヒュー・ジャックマン、溢れるミュージカル愛!「ウルヴァリンは予定外だった」
ミュージカルとウルヴァリン、一見、無縁のようにも思えるが、実はその裏で、ヒューの俳優人生を左右する分岐点として密接につながっていたのだ。「俳優仲間の薦めもあって『X‐MEN』のオーディションを受けに行ったんだけど、それがちょうどナショナルシアターで『オクラホマ!』というミュージカルの舞台をやっているときだった。当時、カーリーという役で髪がクルクルパーマだったので野球帽をかぶって隠していたら、キャスティングディレクターが“帽子を取ってくれないか”って言うんだ。仕方なく取ったら、“君、いいね”ってことになったんだ(笑)」。
ユニークなヘアスタイルが逆にインパクトを与え、別の道を切り拓く。なんとも劇的な俳優人生だが、それまでストレートプレイで演技の基礎を学び、その後、ミュージカルで才能を開花させたヒューにとって、コミックヒーローでスターになることに違和感はなかったのだろうか。「確かにクラシカルな舞台に興味があった僕にとっては、まるで予定外だった。でも、今となっては、ダンスもアクションも同じこと。題材や表現の違いこそあれ、どちらも振り付けなんだ。バーナムとウルヴァリンで言えば、決定的な違いは、“爪”と“杖”くらいだと思っているよ」。
溢れるミュージカル愛を胸に抱きながら、アクション映画にも敬意を払うヒュー。俳優としての可能性はますます広がるばかりだ。(取材・文:坂田正樹)
映画『グレイテスト・ショーマン』は公開中。