松本まりか、過激な役で飛躍 ブレイクまでの退屈と絶望の日々
もし自分が紗羅と同じような目に遭ったら、立ち直れそうもないという。
「ショックですよ。私は、事務所の人たちや現場でお会いする人たちも家族だと思って絶対の安心感で信頼していたいんです。芝居に集中するためにも、そこは私にとっては超重要なんです。それなのにあんなふうに裏切られると絶望しますよね。ただ、復讐まではしないですよ。復讐は紗羅ではなく、亜梨沙になってからの話ですから(笑)」。
質問に真摯に答えるが、明るい笑顔とユーモアも忘れない。実は、紗羅とは共通点を感じるという。
「5年間も引きこもった経験はありませんが、数ヵ月とか短いスパンでコンスタントに引きこもっていました(笑)。『ホリデイラブ』直前までは自分自身と人生にしょっちゅう絶望していました。でもそれが今の役にちょっと生きて、よかったかなと思いますけど」。
2000年にドラマ『六番目の小夜子』でデビューし18年のキャリアがあるが、女優としてブレイクするには『ホリデイラブ』まで待たなければならなかった。
「漠然とした、退屈。退屈って、ものすごい脅威だなって思います。自分の好きなことをできてない、なんか違う、つまらない。たとえばお仕事がないとき。役を生きていないときは自分に何もない。日々の生活で、ひとりで過ごす時間や会う人たちから刺激をもらったりはするんだけど、それを表現する場所がなくて、とても苦しかった」。