松本潤、7年ぶり日曜劇場で初の医師役挑戦 白衣姿は「まだ自分でも見慣れていません」
日曜劇場『19番目のカルテ』場面写真 (C)TBS
――松本さんは総合診療医について、以前からご存知でしたか?
松本:恥ずかしながら知らなくて、「どこの病院にいるんだろう?」「どうやって受診するんだろう?」というところからのスタートでした。ですが、生坂先生にお話を伺って、とても幅広い視点で人を診ていく診療科だと知りました。身体的な症状だけじゃなくて、心や生活背景も含めて診ていく。このドラマを通して、「総合診療」に対する理解が少しでも広がっていくとうれしいなと思います。
――医師役を演じるにあたって意識していることはありますか?
松本:僕の中で(ドラマに登場する)医師というと、外科的な処置や手術の技術という印象が強かったんですが、今回の役ではそういったシーンはあまりなくて。むしろ“この人はどんな環境で生きているのか”という、社会的・心理的な背景も含めて診ていくスタイル。だからこそ問診が重要で、そこから物語が展開していくような印象があります。
生坂先生からは「最も重要なのは問診」と教わりました。患者さんとの会話の中に、診断のヒントがたくさん詰まっている。表情や口調、ちょっとした仕草に真実が隠れていることもある。そういう“聴く力”が総合診療医にとってすごく大切で、同時に人と人とのコミュニケーション全般にも通じるなと感じました。
日曜劇場『19番目のカルテ』場面写真 (C)TBS
――松本さんご自身が対話する時に大切にされていることはありますか?
松本:文面や人づてに聞いただけでは、言葉のニュアンスってどうしても伝わり切らないことがあると思うんです。その言葉を発した人の声のトーンや、表情といった情報が加わって初めて伝わる部分もあるのかなと。
この仕事をしていると特に感じるのは、誰かが間に入ってくれることでスピードや効率が上がる一方で、本質的な部分が伝わらないこともあるということ。結果として、かえって時間がかかってしまうこともある。もちろんリモートが便利な場面もあるけれど、「この芯の部分だけはちゃんと温度感を伝えたい」という時は、やっぱり直接会って話したほうがいいなと思うんです。
便利さが全てでもないし、手間がかかることが正解でもない。その時々に応じて、どう伝えることが最善なのかを考える。そういう“バランス感覚”を大切にしています。
――最後に視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。
松本:今回は医療をテーマにしながらも、視聴者の皆さんの心が温まるような、そんなドラマを目指しています。2025年の“今”だからこそ描ける医療のかたち、人と人との関わり方、その温かさや意味を丁寧に描いていけたらと思っています。
総合診療というまだ新しい領域の医療に光を当てながら、専門医との関係や病院の中での役割など、リアルな部分にもこだわって作っていきたいと思っています。医療従事者の方々にも納得してもらえるような、なるべくうそがないものにしたいです。
視聴者の皆さんには、医療現場のリアルさと同時に、登場人物たちの人間味や温かさにも触れていただけたらうれしいです。楽しみにしていてください。
日曜劇場『19番目のカルテ』は、TBS系にて7月13日より毎週日曜21時放送。