2028年にデビュー100周年、時代を超えて愛される「ミッキーマウス」の魅力とは? その“愛され力”に迫る
もう1人話を聞いたのは、シカゴ出身でアニメーターのオースティン・トレイラー氏。数千人の応募者から選ばれ、ウォルト・ディズニー・アニメーションの手描きアニメーション見習いプログラムに参加した彼は、エリック・ゴールドバーグやディズニー・レジェンドのマーク・ヘンといったディズニー・アニメーションの巨匠たちのもとで手描きアニメーションのレガシーと技術を学んだ。そして、見習いとして参加した短編アニメーション『オズワルド・ザ・ラッキー・ラビット』(2023 年)を経て、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ100周年記念短編映画『ワンス・アポン・ア・スタジオ ‐100年の思い出‐』(2023年)に手描きアニメーターとして参加。ミッキーマウスやミニーマウスを含む複数のキャラクターのアニメーションを手がけた。
オースティン・トレイラー氏(C)2025 Disney
トレイラー氏にもミッキーについて尋ねると「ミッキーの進化はアニメーションの進化でもあります。ディズニーのアニメーションは過去100年でストーリーはより洗練され、それに伴ってミッキーのデザインも進化を遂げてきました」とアニメーターとして感じるミッキーの変化について触れ、デザインにおける最も大きなターニングポイントは、1939年の短編作品『Mickey’s Surprise Party(原題)』であることを教えてくれた。
「その作品でミッキーのデザインに変化が加えられ、より魅力的かつ生命力を感じるミッキーになりました。例えば、ミッキーの感情をより臨場感を持って表現する工夫として、白目の部分に瞳孔を付け加えたんです。私にとっては最も共感できるデザインなんです」と語った。一方で、アニメーターとしてミッキーマウスを描く上で最も難しいのは、デザインではなく彼らしさを伝える動きや演技だと、テイラー氏は目を輝かせる。
「ミッキーのオリジナルのパフォーマンスを研究できるものはたくさんあります。そして、そこから得られるものやインスピレーションも非常に多くあります。ですが、新しい観客が動きや演技をよりリアルに感じるため、自分自身がそのキャラクターを深く理解する必要があると思います。ミッキーを常に新鮮に、ただし時代にあったキャラクターとして進化させることがアニメーターとしては最も難しい部分だと思います。『過去にこのアニメーターはこう描いたから、それをただ真似すればいい』と簡単に考えがちですが、私たちアニメーターは常に『新しい観客に新鮮で新しいパフォーマンスを届けるにはどうすればいいか』を考えるべきなのです」とミッキーを描くうえで大切にしていることを明かした。
そして、レジェンドアニメーターのエリック・ゴールドバーグから「ミッキーのようなキャラクターと仕事をするときは自分自身に誠実であることが大切だ」と教えられたというトレイラー氏。続けて「ミッキー&フレンズの動きはいつも若々しさにあふれています。それは常にアニメーションで大切に描かれるべきところです。ミッキーはもうすぐ100歳になりますが、いつでも若々しく活気にあふれる表情をみせてくれます。そしてミッキーは、常にそういったキャラクターであるべきなのです」と打ち明けた。
■挑戦を諦めない姿に、思わず応援したくなる
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