「007」クリエイティブ権を獲得したAmazon MGM、報道よりも安価で手に入れていた

今年はじめ、イギリスを代表する人気スパイ映画シリーズ「007」のクリエイティブコントロール権を獲得したAmazon MGM。この権利獲得のため、10億ドル(約1500億円 ※1ドル150円換算)支払ったと伝えられていたが、実際はもっと安く済んだようだ。
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「007」シリーズは、1962年公開の『007/ドクター・ノオ』以来、制作会社イーオン・プロダクションズが手掛け、同社のマイケル・G・ウィルソンとバーバラ・ブロッコリが、キャスティングや監督、脚本の決定など、クリエイティブ面で全権を握ってきたが、2月にウィルソンとブロッコリ、Amazon MGMが知的財産権を保有する合弁会社を設立。Amazon MGMにクリエイティブコントロール権が譲渡された。
Varietyによると、この度イーオン・プロダクションズの決算報告書が発表され、「2025年2月20日、同社は『007』シリーズの持分と関連資産、そして子会社であるB24リミテッドとB25リミテッドを売却することで合意した。売却総額は2000万ドル(米ドル)」と記されていることが分かったそうだ。
当初報じられていた額よりも大幅に少ないが、同サイトによると、取引の全体像が不明であるため、ストックオプションや利益分配でブロッコリ家に利益が渡るよう配慮されている可能性もあるという。
なおAmazon MGMでは、シリーズの舵を取るプロデューサーに、エイミー・パスカルとデヴィッド・ハイマンを指名。第26作品目となる『007』新作の監督に、『DUNE/デューン 砂の惑星』などを手掛けた仏系カナダ出身の監督ドゥニ・ヴィルヌーヴ、脚本にドラマ『ピーキー・ブラインダーズ』で知られるスティーヴン・ナイトの起用を明らかにしている。