欅坂46、初配信ライブで30万人魅了 改名発表「強いグループになることを約束」

欅坂46が16日、初の無観客配信ライブ「KEYAKIZAKA46 Live Online, but with YOU!」を開催した。
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本公演はグループにとって、昨年9月の東京ドーム公演以来実に約10ヵ月ぶりとなるワンマンライブ。従来の公演とは異なり客席を設けず、楽曲ごとに異なるステージが用意され、複数のステージをメンバーが縦横無人に動き回る新しいスタイルのライブとなった。欅坂46初となる無観客ライブは複数の動画配信メディアで配信され、チケット購入者は約9万人、総視聴者数は推定30万人にのぼった。
この10カ月の間に多くの変化を吸収し、次のシーズンを目前とした欅坂46。OVERTUREが流れる中、緑の制服に身を包み一列に並んだメンバーの後ろ姿が画面に浮かび上がる。会場の外に立つ彼女たちは、徐々にせり上がるシャッターを抜けてスモークに覆われた場内へ。欅坂46の大きなフラッグが掲げられた簡素なステージに上がると、カメラの方へと一斉に振り向いた。
ミラーボールのまばゆい光が場内を照らすと、「太陽は見上げる人を選ばない」でライブがスタート。穏やかな歌声を響かせ、ライブができる喜びを分かち合うように笑顔で顔を見合わせるメンバーたち。楽曲の途中からは今年2月に配属が発表された新二期生も加わり、フレッシュな魅力をふりまく。最初のMCでキャプテンの菅井友香は、「この日を迎えることができて本当に感謝しています」とあいさつ。小林由依が「ライブをしたくてうずうずしていて。欅坂の曲を熱唱してダンスも踊って、家でも欅坂を楽しんでました」と話すと、二期生の森田ひかるは「いろいろな仕掛けが登場するので、楽しんでいただけたらうれしいです」とアピール。新二期生の大園玲は「初めてのライブが新しい形のライブなので緊張していますが、先輩方と画面の向こうの皆さんと一緒に記憶に残るライブにしたいです」と意気込んだ。
メンバーが次のステージへと移動し始める中、会場には突如として大型トラックが侵入。一人残された土生瑞穂がトラックに追われながらメンバーの元に合流すると、周囲をぐるりと車に囲まれた円型のセットが出現した。車のヘッドライトを浴びながら「エキセントリック」を一心不乱に歌い踊る彼女たちを、カメラはさまざまな角度から捉えて臨場感を伝える。会場奥に設置された巨大スクリーンに東京の夜景が美しく浮かび上がると、メンバーは3階建ての鉄骨子ステージへ。ここで披露された「東京タワーはどこから見える?」では、メンバーの個性光るダンスが際立った。
無観客ライブだからこそ実現できる大がかりな舞台演出で、楽曲の持つ世界観を色濃く表現していくメンバーたち。場内が暗転すると、手に持ったハンドライトで広い会場をあちこち照らしながら、学校風のセットへと歩きだす。真夜中の校舎にこっそり忍び込むように、彼女たちは教室、音楽室、理科室と3つに分かれた舞台をライト片手に探索していく。尾関梨香がふいに倒した花瓶が割れるその音を合図に、「Student Dance」のパフォーマンスが始まった。ここから彼女たちは、エッジの利いたサウンドに合わせて机やピアノの上で踊ったり、白衣を着てでたらめな科学実験に興じたりとやりたい放題。さらには椅子を叩き落したり花壇の花を引き抜いたりと、無秩序で退廃的なムードに没入していった。
教室にかけられていた額縁にカメラがズームインすると、次のセットに移動したメンバーたちが額縁の中に閉じ込められたかのような映像演出から「Nobody」へ。艶やかなダンスと共に、歌詞に合わせて展開していくグラフィック映像や傾斜のある部屋を使ったトリックアートのような演出で視聴者を楽しませる。間髪入れずに突入した「アンビバレント」では、会場中央を広く使ったダイナミックなステージングを展開。センターの小池美波は挑発的にカメラをにらみ、軽やかにステップを踏みながら迫力のパフォーマンスを見せつけた。
ここでいったん「換気タイム」を経て、メンバーは再びステージに。今回の公演ではライブ開始前ならびにライブの最中にインタラクティブタイムが設けられており、ここでは抽選で選ばれたファンクラブ会員300人とメンバーがリモートでつながり、会話を弾ませる。スクリーンに映ったファンの姿を見た彼女たちは、パフォーマンス中とは異なるリラックスした様子で久々の交流を楽しんでいた。また新二期生の6人はそれぞれ自己紹介を行い、初々しい笑顔をファンに届けた。
和やかな時間が終わり、ライブは後半戦へ。機関車の汽笛が鳴り響くと、グレーの新衣装に着替えたメンバーは「大人は信じてくれない」を披露。ステージ前を炎が這う中、センター山崎天は悲しみや怒りをたたえた真に迫る表情で楽曲を歌い上げた。落雷音と共に水が降りしきるステージが登場すると、「避雷針」のイントロが流れだす。メンバーはセンターの渡邊理佐を引きずるようにして雨の方へと突き進んでいく。水面に歌詞がプロジェクションマッピングで映し出される幻想的な空間から、彼女たちは冷たく鋭い表情をのぞかせた。
張り詰めた雰囲気から一転、雨の止んだステージに一人たたずむ小林由依が枯れ葉を吹き飛ばすと、「風に吹かれても」のエネルギッシュなステージが始まる。重機やコンテナが設置された舞台には火花の特効も舞い、メンバーは手をつなぎ元気いっぱいに飛び跳ねた。
壮大な音楽が流れると、ライブはいよいよ最終局面に突入。メンバーはスポットライトを浴びながら、横一列になって会場の端から勇み立って歩きだす。ずらっと並んだスタンドマイクとMA-1の前に到着すると、衣装をつかみさっそうと着込んでいく。最後に赤のMA-1を羽織った小林にカメラがぐっと近づくと、威嚇(いかく)するように勢いよくキックをかまし「ガラスを割れ!」を歌い出した。ミュージックビデオさながらのスタンドマイクを使ったパフォーマンスや、会場の端から端まで走り抜ける気合いたっぷりの熱演をぶつけていく。さらに、これまで使ってきた舞台装置の特効もフル稼働。すべての力をぶつけるようにして、最高潮の盛り上がりを一丸となって作り上げていった。