市川團子・中村壱太郎・中村時蔵、スーパー歌舞伎『もののけ姫』を語る! 本番さながらの稽古の模様も
7月3日に初日の幕が開き、原作へのリスペクト感、歌舞伎としてのスペクタクル感が満載の舞台に話題騒然のスーパー歌舞伎『もののけ姫』。その初日前日に、アシタカ役とシシ神役の市川團子、サン役の中村壱太郎、エボシ御前役の中村時蔵が、それぞれの役のふん装をして登壇した囲み会見、そして直後に行われた本番さながらの公開舞台稽古の模様を、ここでご紹介!
【写真】歌舞伎になった『もののけ姫』、“アシタカ・サン・エボシ御前”のふん装ショット
初めに、各自からのごあいさつとして「初日を前にした各自の心境について」を市川團子、中村壱太郎、中村時蔵が語った。
團子「今回は祖父が生涯をかけて作り続けたスーパー歌舞伎と、スタジオ・ジブリさんの代表作でもある『もののけ姫』、この二つの大きな冠のもと、新たな歌舞伎が作られます。前回、製作発表会見でお話をさせていただいた時はまだお稽古前だったのですが、あれから1ヵ月くらい経ちまして、いよいよ明日が初日となりました。お稽古をしていて感じたことは、スーパー歌舞伎という目標に向かって、お稽古場のみんな、これは舞台に立つ者だけでなくスタッフさんも含めた全員が一つの目標に向かって進んでいるということが大変印象深かったです。みんな、同じ熱量を持ってこの作品に取り組んでおります。
それから前回の会見でお伝えできていなかったことでいうと、宙乗りが今回は一体どのようにされるのかという点で、ここはみなさん気になっているポイントかと思います。今回の宙乗りは、アシタカ役での宙乗りではなく、シシ神役として宙乗りをいたします。どのような場面でどのような演出で宙乗りがされるのか、ご期待いただけたらと思っております。
いよいよ明日が初日ということで、今は怖さと、それからワクワク感とで武者震いするような思いでございます。歌舞伎ファンの方にもジブリファンの方にも、そして歌舞伎をこれまで観ていただいたことがない方にも、すべての方に楽しんでいただける作品となるように、みな一丸となって努めます。ぜひ、劇場に足をお運びいただけましたら幸いでございます」
壱太郎「前回の製作発表会見の際は、たくさん話したいことがあり、口もどんどん回ったんですけれど、やはりこうしてサンの扮装をするとまったく喋れなくなるんですね。とにかくサンは、獣と少女という二つのテーマを元に、ここまで稽古を積み重ねてまいりました。このあと幕が開くともうずっと日々、獣でいるのではないかと思うような、そんな気持ちで過ごしています。そして今もこうして扮装をすると、カメラマンの方に『笑顔でお願いします』と言われても、なかなか笑顔になれないもので。やはりサンという役は、芝居が始まって物語が進むにつれてだんだんと表情が出て来る役だなと思っているんです。ですので、すみません、本日はかなり寡黙な壱太郎でいかせていただきます(笑)。
そんな私が唯一、すぐに笑顔になれるのはヤックルを見た時なんですね(笑)。アシタカが連れているヤックルが、もう、とてつもなくかわいいんです。そこも、ぜひ注目していただきたい私のポイントでございます。
サンは、とにかくスッとした表情や優しさがある中、いざ戦うとなると本当に獣のように激しく動くアクションもございまして。自分がこんなに舞台上で激しく動いたことはいまだかつてないんじゃないかと思えるくらい、戦っております。そして團子くんとは、名台詞を口にする有名なシーンがたくさんありますし、また戦うシーンでは時蔵のお兄さんとの一騎打ちもございます。女方同士で一騎打ちで戦うなんて、なかなかないことですよね。歌舞伎味がふんだんに盛り込まれた、単に『もののけ姫』をやるというだけじゃない歌舞伎版の『もののけ姫』になっていると今、確信を持っております」
時蔵「寡黙な壱太郎で、とおっしゃったわりには結構喋りましたね(笑)。私も、この偉大な作品に関われて、非常に光栄に思っております。稽古が進むにつれ、改めてこの作品のメッセージ性をとても強く感じているところです。そして先程、壱太郎くんもおっしゃっていたように、歌舞伎版の『もののけ姫』にちゃんとなっていると私も思っております。少しでも團子くんと壱太郎くんの力になれるよう、またエボシ御前という素敵なキャラクターを魅力的に演じられるように努めてまいりますので、何卒よろしくお願いいたします」
続いて質疑応答が行われ、まずは「稽古場で一番印象深かったこと」について聞かれた3人は次のように答えた。
團子「今回は横内謙介さんが演出なのですが、『ここはこれでいきたい』と横内さんの中で決まっている部分に関してはもちろんそのまま突き進まれるんですけれども、少々迷っていらっしゃる部分では積極的に稽古場にいる私たちの意見を聞いてくださいまして。そのような時『ここ、どうしようか?』と声をかけられると、一人だけではなく必ず数名から『これはどうでしょう?』と意見がすぐに出て来るのが、僕にとってはとても印象的でした。みんな、自分の中で『こういうふうに作りたい』といった工夫を持っていて、それを聞かれた時にすぐ答えられるように用意しているんですね。歌舞伎は“工夫の歴史”だと、僕は思っていまして。みんながそうやって同じように熱量を持っているから、質問があった瞬間にパッといろいろな意見が出せるんだろうなとも思いました」
壱太郎「まさにそうやってみんなで作っていくという点が、僕らが普段やっている古典歌舞伎の稽古とはまったく違う作り方と言えます。そもそも、アシタカ、エボシ御前、サンというお役を歌舞伎俳優で演じた方は、これまでいらっしゃらないわけですから。その中で自分たちが今までに培ってきた経験ももちろん活かしつつ、やはり演出の横内さんを筆頭にみんなで意見を出し合っていくことで、今まで気づかなかった発見があったり、役の深掘りも出来たりしたので、とてもいい現場だったなと思っています」
時蔵「私の場合は、6月は歌舞伎座の舞台に出ておりました関係で稽古場にはあまり伺えていなかったのですが。その中でも特に思い出深いことといえば、まず何と言ってもヤックルの大きさですね。稽古場で初めて見た時は『こんなに大きいの?』と驚きましたから(笑)。あと、コダマがとってもかわいいので! そこもぜひ見ていただけたらなと思っております」
【公演概要】
スーパー歌舞伎『もののけ姫』
◆オリジナル音楽:久石譲
◆脚本:丹羽圭子、戸部和久
◆演出:横内謙介
◆出演
アシタカ/シシ神:市川團子
サン:中村壱太郎
エボシ御前:中村時蔵
ジコ坊:市川猿弥
モロの君:市川笑三郎
甲六:市川青虎
猩々:市川寿猿
ヒイさま/トキ:市川笑也
ゴンザ:市川門之助
乙事主:市川中車
※宮崎駿の「崎」は「たつさき」が正式表記
◆日程・会場:7月3日~8月23日東京・新橋演舞場
【公式サイト】https://mononoke-kabuki.jp
【公式X】@shochiku_stage
【公式Instagram】@shochiku_stage