山田裕貴、「ウルトラマン」主人公役のオファーに「運命めいたものを感じた」
Netflix、円谷プロダクション、インダストリアル・ライト&マジック(ILM)が共同で製作したCGアニメーション長編映画『Ultraman: Rising』。1966年の放送開始以来、半世紀以上にわたり世界で愛され続けている不滅のヒーロー「ウルトラマン」を、すべての世代で楽しめる、「親子」「家族」をテーマにした新たなストーリーに昇華した物語となっている。そんな本作の主人公、サトウ・ケン役を演じるのは、山田裕貴。デビュー作となった『海賊戦隊ゴーカイジャー』(2011年)ではジョー・ギブケン/ゴーカイブルー役を演じており、今作でもヒーローに変身する。サトウ・ケンという人物を演じることに「運命めいたものを感じた」と語る山田。その理由や、苦戦したという吹き替えの裏話などを聞いた。
【写真】山田裕貴、かっこよすぎる撮り下ろしショット!
■ウルトラマン役に喜び「ウルトラマンになれるなんて!」
――世界中から愛される『ウルトラマン』がタイトルについた作品の主人公の吹き替えを担当。最初にこの話を聞いた時、どう感じましたか?
山田:「またヒーローになれるんだ!」と、とてもうれしく思いました。もう変身なんてできないだろうなと思っていたので(笑)。まさかまたヒーローに、しかもウルトラマンになれるなんて!と思いました。
――『ウルトラマン』に思い入れはあったのですか?
山田:『ウルトラマン』だけでなく、ヒーロー作品はすべて大好きです。戦隊ヒーロー、仮面ライダー、ウルトラマンなど、子どもの頃に通るであろうヒーロー作品はすべて見ていましたし、『ウルトラマン』に関しては、特に『ウルトラセブン』が好きでした。ビデオはもちろん、スーパーファミコンのゲームも家にありましたし、他には『ウルトラマンティガ』、『ウルトラマンダイナ』も好きでした。
Netflix映画『Ultraman: Rising』場面写真 (C)円谷プロ
――ウルトラマンに変身する前の姿、サトウ・ケンは野球選手。「ヒーローとプロ野球選手になる」という幼少期の夢を同時に叶えることとなりました。
山田:キャスティングの方が僕のインタビューを読んでくれていたそうで、今回のサトウ・ケンの設定を見て「山田くんしかいない!」と思ってくださったそうです。実際に、僕も脚本を読ませていただいて、サトウ・ケンに共感する部分がたくさんありました。プロ野球選手だった父があまり家にいなかったり、そんな父に野球についてどう教わればいいかわからなかったり……。そういう“父との距離感”みたいなものに共通点を感じ、縁を超えた運命めいたものを感じました。
――『ウルトラマン』を題材にした作品なのでバトルがメインかと思いきや、本作は「親子」「家族」をテーマにした、とても心温まる物語でした。視聴しての感想を聞かせてください。
山田:先ほど「サトウ・ケンに共感するところがたくさんある」と話しましたが、想像以上にサトウ・ケンに感情移入して見てしまって……。僕がサトウ・ケンだったら敵である怪獣の赤ちゃん・エミをここまで理解しようとしたか? そもそも敵とは、正義とは何だ?と自分に置き換えて考えてみてしまうシーンがたくさんありました。
考えた中で出した結論は、“ヒーローであっても完璧じゃなくていい”ということ。僕も、知らず知らずのうちにそういった凝り固まった固定観念が沁みついてしまっていましたが、そうではないということを教えてもらえた作品でした。