松本利夫、今江大地の“おかん情報”に爆笑 「持病との付き合い」「Funky8の活動終了」、どん底から得た経験も語る
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――作品は蒸気船のエンジンの機関部“ぼっとん(BOTTOM)”で働く人たちのエネルギーが、やがて外の世界をも動かしていくというストーリーです。松本さんと今江さんは、“どん底”の状態から何かを得た経験はありますか?
松本:何をもって“どん底”と言うかは人によると思いますが、僕は昔から持病を持っていて、25歳から33歳あたりはとくに病気がキツくてつらい“底辺”の時期でした。その時にメンタル面はとても強くなったかなと思っています。だからこの先に何があっても、強い気持ちではいられるかなと。我慢してしまう、我慢できてしまうというのは、いい面と悪い面がありますけどね。
今江:“どん底”というと難しいですが、しんどかったことでいうと、昔、関西にFunky8というユニットがあり、なにわ男子の藤原丈一郎と大橋和也や、Aぇ! groupの末澤誠也、草間リチャード敬太などと一緒に活動していました。でも、メンバーは分かれることになり、その時は自分のモチベーション的にもしんどかったなと思います。自分は自分で仕事があって居場所があったのに人と比べてしまい、「どうして自分はココなんだろう?」と思ったりしていました。自分のことを見てくれる人がたくさんいたし、その場での幸せもあったから、そこにもっと「ありがとう」という気持ちを持って伝えられていたらよかったなと、振り返って思います。
今江大地
――今回演じる役柄は、さまざまな人たちとの出会いをきっかけに、新たな学びを得て成長していきます。人生において、この人と出会えてよかったと思う方は?
松本:それはもう、HIROさんですね。HIROさんしかり、メンバーしかり、「出会いが人生を変えてくれる」という言葉のとおりだなと。僕は自分の実力でというよりも、人との出会いで今こうなれているという気がしていて。メンバーのMAKIDAIとUSAなんて10代からの付き合いで、今もたまに一緒にイベントをやったりしているので、しみじみ「すごいよな」と思います。この間3人で「30年後にこういうことができているって、すごいよね」と言い合いながら、20歳ぐらいの時に撮った写真と同じ構図で撮影してみたんですよ。本当に、出会いに感謝です。
今江:すべての出会いが大切ですが、最近でいうと、4月から担当してくれているマネージャーさんです。これまでがそうでなかったというわけではないのですが、連絡のやり取りや接し方からすごく親身になってくれているのが伝わってきて、本当にありがたいなと思っています。先日、2人で今後の仕事に向けた話をしたんですけど、これからがすごく楽しみになりました。「この仕事をしていてよかった」と改めて思えたので、新しいマネージャーさんに出会えてよかったなと思っています。
――登場人物たちが、蒸気船を動かすという国にとって新しいことをやっているように、最近チャレンジしたことは?
松本:僕は神奈川の川崎市で市民文化大使をやらせてもらっていて、そこで農家さんと一緒にいろいろな作物を作っています。川崎でワイナリーを運営している方から「松さん、ワイン一緒に作りましょうよ」と誘われて作り始め、そうしたらワインを勉強する流れになり、ワインエキスパートの資格の勉強を去年から始めています。
今江:すごい!
松本:正直、「ちょっと勉強すれば、資格は取れるんじゃないか」と思っていましたが、実際は想像をはるかに超えて大変でした(笑)。ただ、公に言ってしまった手前、なんとしても資格を取らなきゃと勉強を頑張っています。それに知れば知るほど、やっぱり面白くなっていくんです。学びも兼ねてワイン会に顔を出したらそこから新しい広がりができるなど楽しみが増えました。
人間は食べていくために働くわけですが、食べ物を作ってくれる農家さんがいなければ、我々は生きていけない。『よろしく候~BOTTOM OF HEART~』でも、船底でカマに火をくべる人たちがいなければ船は進まないわけで、ちょっと通じるところがあるかもしれませんね。
今江:僕は最近、DIYに挑戦しました! WEST.の重岡(大毅)くんが長年使っていた机を僕にくれるということで譲っていただくにあたり、一緒にキレイにしようという話になって、ワックスをつけたりして磨いたんです。そういうことをするのは初めてやったんですけど、ちょっと汚れていたものが磨くと見違えるほどキレイになる。「こんなにキレイになるんや」という体験ができて、すごく楽しかったです!
――DIYで作ってみたいものはありますか?
今江:近頃は読書が好きで、でも本棚が自宅にないので、作ってみたいなと思っています。
松本:本棚か…。簡単にはいかないかもね。板を買ってきて、そのサイズに切って。僕もDIYはけっこうやるので。
今江:へぇー!
松本:本棚は、引き出しとか動くものを作るわけじゃないから確かに段階としてはラクな方だけど、正確に採寸して材木を切らないと、上手くいかないから。
今江:そうなんや。今度、詳しく教えてもらいたいです(笑)!
――改めて、舞台への意気込みをお願いします。
松本:せっかく舞台をやらせていただくので、熱いものを届けたいなと思っています。暑い場所で、熱い男たちが新時代を切り開いていこうとする姿は現代の人たちにも響くものがたくさんあると思うので、なにか1つでも持ち帰っていただけたら。ぜひ、劇場に遊びに来てください。
今江:一生懸命に生きている人たちを描いている作品で、僕も本当に一生懸命取り組みたいと思っております。舞台をご覧になったお客様にとって、何か得るものがあればうれしいです。舞台、楽しみです!
(取材・文:木下千寿 写真:米玉利朋子[G.P.FLAG inc])
LEGENDSTAGE feat.カムカムミニキーナ『よろしく候~BOTTOM OF HEART~』は、東京・シアター1010にて6月26日~6月30日まで上演。