綾瀬はるか&妻夫木聡、初対面から20年超 夫婦役での共演で改めて気づいたお互いの魅力
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奇跡のような実話を映画化した『人はなぜラブレターを書くのか』で、夫婦役として共演を果たした綾瀬はるかと妻夫木聡。“生きること”に真摯に向き合い、まぶしいほどの希望の物語をスクリーンに刻んだ。綾瀬が17歳の頃から共演を重ねてきたという2人だが、長い時間を知るからこそ、妻夫木は「いい意味で、まったく変わっていない」と綾瀬に穏やかな笑顔を傾ける。40代に突入した彼らが語った初対面の思い出や、今の仕事の向き合い方、お互いへの感謝――。息の合ったやりとりから、本作でさらに更新された信頼が伝わってきた。
【写真】気心知れた同士だからこその表情も! 綾瀬はるか&妻夫木聡、美しさあふれる撮りおろしショット
◆脚本を読んで涙、完成作を観て涙… 本作に心を揺さぶられた理由
2000年3月8日に発生した地下鉄脱線事故により亡くなった、当時高校生だった富久信介さん。時を経た2020年、信介さんと同じ時間、同じ車両で通学し、彼に密かな想いを寄せていたという女性から1通のラブレターが信介さんのご家族の元に届いたという実話に惹かれ、石井裕也監督がメガホンを取って映画化した本作。想いを寄せた相手に24年の時を経てラブレターを書く主人公のナズナ役を、綾瀬。不器用ながらもナズナを気に掛ける夫、良一役を妻夫木が演じた。
――石井監督は、富久信介さん、そして信介さんの父親の気持ち、どちらも身近に感じられるものであり、「自分の人生とつながっていく感覚さえあった」とコメントされています。お二人が自分の人生と身近に感じたことや、脚本に込められた想いに共鳴したことがあれば教えてください。
綾瀬:脚本を読んで、登場人物のみんなが“誰かのことを想っている”という、人を想う気持ちの美しさに感動して、涙が止まらなくて。完成作を観た時も、ものすごく泣いてしまいました。誰かが誰かを想い、その気持ちを受け取った人がいて、そしてまたその想いを受け継ぎながら夢や希望を叶えていく人がいる。悲しいけれど、温かい気持ちになれるような作品だと感じています。
妻夫木:僕は子どもがいる身なので、富久さんのお父さんの気持ちにもグッとくるものがありました。もちろん死というのは何かが失われることだけれど、人の想いは決して消えない。信介さんの存在によって、生かされている人もいる。悲しみの先に希望を見出せるように、信介さんが僕らを導いてくれるような気がしました。
(左から)綾瀬はるか、妻夫木聡
――綾瀬さんは、本作で石井監督と初タッグが実現しました。役について、石井監督とお話して印象的だったことはありますか?
綾瀬:ナズナはふわっとしていて、どこかつかみどころのない人なんですね。娘の舞を車で送り届けた時に、ナズナは「着きましたよーん」と言うんですが、この「よーん」という部分をどうやって口にするかという時に、石井監督から「綾瀬さんは、こういう感じは得意なんじゃないか」と言われました(笑)。
――「おかしなこってすよ(おかしなことですよ)」という一言など、ナズナはコミカルでかわいらしい言い回しをする女性です。
綾瀬:そうなんです。そういったセリフをいかに自然に言えるかというお話をしている時に、石井監督が「綾瀬さんは、こういう感じは得意なんじゃないか」と(笑)。そして「神々しくあってほしい」というお話もありました。ナズナには常に「信介さんの分も」という気持ちがあり、「ありがたい」と思いながら日々を懸命に過ごしている女性。生きていることは決して当たり前ではないという達観した佇まいや、みんなへの大きな愛を持っているカッコいい女性だなと思いました。
――妻夫木さんは、石井監督とのタッグを重ねています。本作の完成報告会では、石井監督が「最も信頼できる俳優」だと妻夫木さんについて語っていました。
妻夫木:石井監督は喜怒哀楽をはっきりと言葉で表現できるような演出をする方ではなく、役や作品を通して「人間が生きているって、こういうことだよね」というところまでを表現してくれる監督です。そんな石井監督から頼っていただけることは、とてもうれしいことです。初めてご一緒してから10年以上の月日が経ちましたが、会うたびに石井監督を通して自分自身を知ることもあれば、石井監督に新しい自分を見せたいという想いも湧いてくる。石井監督がいい鏡となり、自分を見ているようなところもあります。

