染谷将太「嫌悪感を持つ人もいるかもしれない」 『廃用身』で危うい領域に踏み込む医師役を怪演
7歳で芸能界入りした染谷は、9歳の時に『STACY』で映画初出演を果たした。『ヒミズ』では第68回ヴェネツィア国際映画祭のマルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人俳優賞)を受賞するなど、世界的に評価される実力派俳優として圧倒的な存在感を放っている。全身から映画愛を感じられる俳優だが、映画の力を実感した原点は、“ジャッキー・チェン”だという。
「自分の人生の元をたどると、ジャッキー・チェンをきっかけに、映画が好きになって。その流れで、この仕事をずっと続けているんです」と目尻を下げ、「そういったことからも、“映画には、誰かの人生を変える力がある”と実感しています」とにっこり。「配信で映画を見られるようになって、映画館でかからないものが増えていったり、映画館が少なくなっていくからこそ、より映画の大切さ、面白みを再確認していける時代」だと愛情を傾ける。
『廃用身』場面写真 (C)2025 N.R.E.
油がのった、33歳。「精神的な部分で年齢を重ねている感覚がないので、『何歳ですか?』と聞かれても、すぐに答えられないんですよね。自分の年齢を忘れちゃうんです。気分的には、22歳くらいで止まっています」と笑いつつ、理想の老後について「良い景色を眺めながら、のほほんとしていたいですね。自分のペースで仕事をし続けられていたら、最高です」と希望。
染谷のこれまでの出演作を眺めてみてもその数に驚くばかりだが、役者業を邁進(まいしん)するうえで「どういった役をやりたい」という意志よりも、「どんな役が届くのか」が楽しみなのだとか。『空海 -KU‐KAI- 美しき王妃の謎』では、チェン・カイコー監督のもと偉大な僧侶・空海を演じた染谷。「現場で緊張しそうな時は、リラックスするために空海でやっていたお芝居を思い出したり、空海や仏教について勉強したことをヒントにしています」と想像の限界を踏み越えてくるような役柄から、新たな考えや刺激をもらうこともあると話す。
「ありがたいことに、自分の想像を超えてくる役をいただくことが多くて。それは本当に役者冥利に尽きますし、演じていてもものすごく楽しいんです。企画書をいただくと、『えぇ! 嘘でしょう!?』とびっくりするようなものがよく届く。『廃用身』の台本を開いた時も、誰がこんな話、こんな役を想像できるのだろうかと思いました。そこにやりがいを感じ、現場でもとても楽しく過ごさせてもらいました」と充実感に浸っていた。(取材・文:成田おり枝 写真:米玉利朋子[G.P.FLAG inc])
映画『廃用身』は、5月15日より全国公開。

