『ベネチアの亡霊』ケネス・ブラナーだけじゃない! 歴代“名探偵ポアロ”俳優は名優だらけ
ケネス・ブラナーが監督・製作・主演を務める映画『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』が現在公開中だ。ケネス演じるエルキュール・ポアロは、“全てを見抜く名探偵である一方、偏屈な人間らしさもある”という難役。そんな難役を引き受けてきた、歴代ポアロ俳優を並べてみると、オスカー受賞やノミネート歴を持つなど“超”の付く名優ぞろいであることが明らかになった。
【動画】ケネス・ブラナーの演技が光る 『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』本予告
「相手を観察し思惑を見抜く。探偵業を行う上では、非常に複雑な人間の行動と向き合わなければならない。そういった名探偵らしさを持つ一方で、虚栄心やちっぽけで小さな人間的なものも持っているのが、ポアロらしさ。そして彼は、愛・欲望・残酷などを通して、人がなぜ、どのように行動するのかにも魅了されているんです」とケネスが語るように、天才的頭脳を持つ名探偵でありながら、妙な偏屈さを持っていたりと人間味にもあふれる男ポアロは、その両面をバランス良く演じなければならない難役。
そんな難役をケネスは見事に演じきっており、その出来栄えは、アガサ・クリスティのひ孫であり本作で製作総指揮も務めるジェームズ・プリチャードが「彼の演技は驚異的。並外れて頭が切れる上に非常に努力家で活力にあふれています。彼が本作でやっていることを成し遂げることができる人は中々いませんよ」と称賛するほどだ。
実は、これまでに“世界一の名探偵ポアロ”を演じてきた俳優たちも超の付く名優だらけ。『ナイル殺人事件』(1978)や『地中海殺人事件』(1982)のピーター・ユスティノフは、アカデミー賞4度ノミネート、2度受賞という経歴を持ち、俳優以外に小説家・脚本家・映画監督としても活動する多彩さを発揮する文句なしの名優。さらに、『オリエント急行殺人事件』(1974)のアルバート・フィニーも、ロンドンの名門・王立演劇アカデミーで学び、オスカー5度ノミネート歴を誇る名優だ。
さらに、“最も原作に近いポアロ”と賞賛されるテレビドラマ『名探偵ポワロ』(1989~2013)のデヴィッド・スーシェもロイヤル・シェイクスピア・カンパニーに参加し、大英帝国勲章も授与された演劇界の“至宝”。ほかにも、イギリス製作のドラマ『アガサ・クリスティー ABC殺人事件』(2018)では、『チェンジリング』『RED レッド』でも知られる、オスカー2度ノミネートの名優ジョン・マルコヴィッチなどもポアロ役を演じている。
そして、ケネスが監督・製作・主演を務める『オリエント急行殺人事件』『ナイル殺人事件』に続く、最新作『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』で世界一の名探偵ポアロが挑むのは、亡霊の仕業としか説明のできない、人間には不可能な殺人事件。ポアロは、謎めいた霊能者レイノルズ(ミシェル・ヨー)のトリックを見破るため、子供の亡霊が出現するという降霊会に参加。そこではさまざまな超常現象が起き、招待客が人間には不可能な方法で殺害されはじめる。
映画『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』は現在公開中。