50年近いキャリア史上一番の難役 『アオラレ』ラッセル・クロウのインタビュー映像解禁
オスカー俳優のラッセル・クロウが“あおり運転手”役で主演を務める映画『アオラレ』より、ラッセルが役作りなどについて語るインタビュー映像が解禁された。
【動画】『アオラレ』ラッセル・クロウ スペシャルインタビュー
本作は、誰しも経験する恐れのある「あおり運転」の恐ろしさを描くアクションスリラー。謎の男を演じるラッセルのほか、男の暴力的なあおり運転のターゲットになってしまう母親レイチェル役に『移動都市/モータル・エンジン』(2018)のカレン・ピストリアス、その息子カイル役で『チャイルド・プレイ』(2019)のガブリエル・ベイトマンが出演する。
今回解禁されたのは、メガネ姿のラッセルが本作についてにこやかに語るインタビュー映像。ラッセルは、本作を「今の世の中に通じるものがある。多くの人が、考えが異なる相手と礼儀正しく会話ができなくなってきている」と、現実社会とリンクした作品だとコメント。
続いて、自身が演じる「謎の男」について「この役の不思議なところは…過去について多くを語らないところ。映画の冒頭で、過去に身震いするような恐ろしい出来事に関わっていたことに少し触れているだけ」と説明し、「すでに男は危うい状態だったので、(あおり運転のターゲットが)レイチェルでなくても良かった。彼女の言動が男を刺激したわけじゃない。その前からすでに男は危険な領域に足を踏み入れていたんだ」と語る。
劇中の男の理不尽な行動については「この映画で起きることは、すべて理不尽だ。論理的なことなど何一つもない。正当な理由なんてない。彼は単に、自分の人間性を人生に飲み込まれてしまう人なんだ。よって、こういう結末を引き寄せる」と分析し、男が求めているものは「自分を取り戻そうとしている。自分が透明人間ではなく、価値のある人間だということを、人が認めてくれることを求めているんだよ」と語った。
役者として50年近いキャリアを誇るラッセルだが、今回の「謎の男」役は「今まで体験したことがない挑戦だった」と明かし、「すべてを失った男だ。理性も論理も何もない。ユーモアも使えないし、自分の人間らしさも使えない。こういう人物を演じるためには、そういう自分の側面をすべて排除しなければならなかったんだ」と役作りを振り返った。
また、レイチェル役のカレンについて聞かれると「ニコール・キッドマンやメリル・ストリープのように、脆さと強さが同居しているようなところがあった。まなざしが深くて…。オーディションが終わって彼女が部屋を去ったあと、監督のデリック・ボルテがこっちを向いて『彼女に決まりだろう?』と言ったんだ。僕も同感だった」と語っている。
映画『アオラレ』は5月28日より全国公開。