鬼才クローネンバーグの息子監督作 SFノワール『ポゼッサー』特報&番外編ビジュアル到着
2020年のサンダンス映画祭でワールドプレミアされ、各国映画祭のあらゆる部門で39のノミネートと15の受賞を果たしたブランドン・クローネンバーグ監督の映画『ポゼッサー』が、3月4日より公開。このたび特報が解禁、番外編ビジュアルが完成した。
【動画】戦慄のSFノワール『ポゼッサー』特報
本作は、第三者の脳に入り込み所有者<ポゼッサー>として殺人を行う完全無欠の遠隔殺人システムと、人格を乗っ取られた男との生死を賭けた攻防を、冷徹で研ぎ澄まされた映像美で描くSFノワール。第33回東京国際映画祭「TOKYOプレミア 2020」部門で上映されるや、その容赦ない暴力描写で観客の度肝を抜いた。監督は、鬼才デヴィッド・クローネンバーグの遺伝子を受け継いだ、息子ブランドン・クローネンバーグ。『アンチヴァイラル』から8年ぶりに発表した長編第2作となる本作は、彼自身の経験から着想を得て製作されたという。
主演には『マンディ 地獄のロードウォリアー』『ザ・グラッジ 死霊の棲む屋敷』など、ホラー、カルト系の映画との好相性を予感させるアンドレア・ライズボロー。意識を乗っ取られる男に『ファースト・マン』『ピアッシング』のクリストファー・アボットがふんする。
このたび解禁された特報では、 「全世界が言葉を失った 戦慄のSFノワール」のテロップに続き、他人を乗っ取った主人公タシャがミッションを遂行するシーンが映し出される。遠隔殺人に必要な特殊なデバイス、肉体と潜在意識の中に深く侵入していることを思わせるスタイリッシュな映像やフランシス・ベーコンの絵画を想起させる点滅の激しいシーンなどが挟みこまれ、監督自身「刺殺シーンで刺す回数を一回でも減らしたら作品が駄目になっていた」と語るバイオレンスシーンの一部が描かれる。「脱出」と呟いた後に全身に銃弾をくらうシーンは短いながらに鮮烈だ。タシャの子供や彼女に意識と人格を乗っ取られる男も登場、巨大企業による監視社会と人格が崩壊していく様を描く異常で冷徹な世界の幕開けを感じさせるものとなっている。
また、番外編ビジュアルも完成。本作の中でも特に強く印象に残る不気味な顔が大きくプリントされ、<監視による脳の制御>(BRAIN CONTROL THROUGH SURVEILLANCE.)と英語で綴られたぎょっとする存在感を放つデザインは、本作が内包している目を背けたくなる禍々しさが表されている。
映画『ポゼッサー』は、3月4日より全国順次公開。