世紀の決戦『ゴジラvsコング』激闘勝負を完全レビュー!<ネタバレあり>
■<第2ラウンド>“最強の斧”を手にしたコングの逆襲
一度は敗れたコングだったが、もちろんこのまま頂点の座を渡すわけはない。コングは、巨大生物の発祥地と思われる地球の地下大空洞で、古代人が作ったであろう斧を手に入れる。そして巨大な玉座で先祖の英霊たちに気合を入れられたのか、コングは確実にこれまでと目つきが変わる。気合を入れ直したリベンジャー“キングコング“と、キング・オブ・モンスターズことゴジラの第2ラウンドが、ネオン輝く香港のビル街でさく裂する。
『ゴジラvsコング』より (C) 2021WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. & LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC.
香港にそびえ立つ無数のビルをジャングルに見立て、縦横無尽に動いてかく乱するコング。第1戦とはうってかわって、地の利を生かした戦法だ。パンチ&キックの応しゅうで次々と破壊されるビルたち。これまでの作品では、実はあまりちゃんと見せてこなかった都市の破壊描写は見応え十分。これまでの分もお釣りが来るくらいに、片っ端からぶっ壊していく。カメラワークもダイナミックで、ぜひともこの最終決戦を4DXで観ていただきたい。アトラクションとしても相当面白いはずだ。
飛び道具を持たないコングに対し、お構いなしで次々と熱線を吐きまくるゴジラ。まともに食らえば即終了な状況を、コングはギリギリでかわすが、なかなか攻撃に転じることができない。そこで手にしたのが地下空洞で手に入れた“最強の斧”だ。ゴジラの熱線を斧で受け止めると、ライトセイバーのごとく青く光る。大ジャンプと共に斧で熱線を防ぎつつ、そのまま脳天ぶっ叩きで強引に口を閉じられ、口内爆破を起こしてダウンするゴジラ。
『ゴジラvsコング』より (C) 2021WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. & LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC.
ついに仕留めたかと思ったのもつかの間、早々にダウンから復帰したゴジラは完全お怒りモードに突入。滅多に見られない、4足歩行状態で連続かみつき攻撃を仕掛けてくる。間合いを一気に詰めたゴジラは、今度は爪による切り裂き攻撃を開始。どちらもゴジラ史上で見たことがない、純粋で動物的な攻撃だ。そしてズタズタにされたコングにとどめのストンピングをお見舞いし、ゴジラはついにコングをKOする。ちなみにパンフレット情報によるとゴジラの身長は約120メートル、血液の量は200万リットルと書いてあるので、なんだかよく分からないが、たぶんとてつもなく重いのだ。
苦もんの表情を浮かべるコングに、どちらが最強かを思い知らせるため、顔面至近距離で全力咆哮(ほうこう)をお見舞いするゴジラ。ついに勝負あり。だが、とどめは刺さない。恐らく「一度拳を交えたやつはダチ」の精神である。兎にも角にも、地球最強の座に就いたのは、ゴジラであった。