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吉高由里子、『光る君へ』まひろは「自分を見ているよう」 超長期スパンの大河ドラマを駆け抜ける思い

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■“源氏物語的”事件に吉高由里子が思うこと「感性の豊かさを削っていくものなのかな……」

 いよいよ『源氏物語』を書き始めたまひろだが、ここまでの展開の中に“源氏物語的”な雰囲気を感じている視聴者も多いだろう。このことについて、「(脚本の)大石静さんの思うツボですね」とニヤリ。中でも、第27回で再会したまひろと道長のシーンには、逢瀬の現場となった石山寺(滋賀県大津市)の公式SNSアカウントが反応するなど大きな反響を集めた。「大人が子どもに教えたくないというか、隠そうとしているリアルが、(まひろたちの)若い頃から行われていた。そういう時代だったんだとすごく驚くことがいっぱいありましたね」。お互いパートナーがいる2人。石山寺での逢瀬は、俗に言う“W不倫”状態に。『光る君へ』では、紫式部の娘は実は道長の子であるという驚きの展開となった。

大河ドラマ『光る君へ』第27回「宿縁の命」より(C)NHK
 「人間ですからね、そういうこともあるんじゃないかな(笑)」と受け止めたという吉高。「不倫、不倫ってこんなに騒がれる世の中になってしまったけれど、何事にもとらわれない自分があるべき姿を正義感で抑えて……そのルールは平和であるためだけれど、自分の感性の豊かさを削っていくものなのかなとも思ったりしちゃって。でも、感性がむき出しに先行していた時代で、それはそれで美しいんじゃないかなというふうには思います」と赤裸々な思いを語った。

■女性として、作家として……吉高由里子にとってまひろは「自分を見ているよう」

 第32回では、帝のために書き始めた『源氏物語』を“自分のため”に書こうと変わっていったまひろ。その心境について、「帝のために書いた物語が偽物っぽく感じたんじゃないかな」と分析する。「自分の中での違和感というか、私じゃない感じ。それで、書き方や向き合い方を変えたら、自分が面白いと感じる物語を書きたいと思ったんでしょうね。その“書きたい”という気持ちにたどり着くのって、作家さんにとってすごく大変だと思うんです。書きたい気持ちがあっても、書きたいものが明確にならないと書けない。(まひろは)多分バチっと出会ったんじゃないかなと思います」。

大河ドラマ『光る君へ』第24回「忘れえぬ人」より(C)NHK
 作家としてのキャリアをスタートさせたまひろに、父・為時(岸谷五朗)は「お前が女子(おなご)であってよかった」と語りかける。それは、幼い頃から「お前が男であればなあ……」と言われ続けてきたまひろにとって「1番認めてもらいたかった人である父からやっと認められた」という大きなできごとであったと語ってくれた。「彼女(=まひろ)の居場所をやっと見つけた。お父さんの一言で、苦しかった今までが報われたんじゃないかな」。“女性である”ことで苦労もあった。しかし『源氏物語』を書くことができたのは“女性だったから”でもあるのではないか。「女性としての視点から見てるから、政をやっている人からは見られない状況や関係性もあったと思う。紫式部が男性だったらまた全然違う話になっていたと思うし、女性ならではのものなんじゃないかな」と思いを明かした。

 男性優位社会の中、苦労しながらも物語をつづることで自己実現をはたしていくまひろ。良い相手のもとに早く嫁ぎ、跡継ぎを産むことが“女性の役割”だったような時代、彼女は特異な存在であったことが窺える。そんなまひろについて、吉高は「自分を見ているよう」だと語った。「女性って、『結婚して家庭に入るのか、仕事を選ぶのか』という波が一度来ると思うんですよね。結婚=幸せ、という考えに囚われないというか、そこが全ての幸せじゃないような感じがしていて。まひろも多分、(なかなか結婚しなかったのは)仕事が楽しいというのもあったと思うんです。そこに居場所があったからかもしれないですね」。

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■ここからの『光る君へ』は「まいた種が花を咲かせていく」物語に

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