丸山隆平「やっぱりグループっていいな」 ソロ俳優業充実の今、改めて感じる思い
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――『パラダイス』『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』などさまざまな作品に取り組まれてきていますが、舞台の醍醐味はどんなところに感じられますか?
丸山:やっぱり“生もの”ということじゃないですか。僕も舞台を観に行くときに思うんですけど、ドラマや映画で見たことがある人が目の前で演じているというのも醍醐味だと思うし。お客さんの緊張感みたいなものもあると思うんですよね。すごく繊細で神聖な空間で、一緒に緊張感や臨場感を共有できるというところは醍醐味なのかなと思います。
――本番期間中の健康管理やルーティンは何かありますか?
丸山:体に関しては仕事が終わったら食事して睡眠をとればいいんですけど、メンタルですよね。この演目の場合、自分のメンタルはどうなるんだろうとちょっと怖いんですけど楽しみでもあります。普通のメンタルでいくのもなんか良くない気もするし、自分の心がどういう風に形を変えるのか楽しみですけど、できるだけ人に迷惑をかけないようにしなきゃなと。
めっちゃ恥ずかしい話なんですけど、僕、意外と役に引っ張られるらしくて。映画『金子差入店』の撮影の時に行きつけのバーに行ったら、一瞬誰かわからんかった!って言われて。うれしいんだけど、寂しいし怖いし…。ちょっと前に流行った性格診断あるじゃないですか。撮影中にあれをやってみたら、全然自分じゃなかったんですよね。よく俳優さんが「役が抜けなくて」みたいなこと言いますけど、「何それ」って思ってたのが、自分がそうなっちゃって…。怖いし、嫌やし、恥ずかしいんですけどね。
――舞台もそうですが、先ほどお話もありました『金子差入店』や5月に公開される映画『名無し』など、演技のお仕事の面白さはどんなところに感じられていますか?
丸山:赤堀雅秋さん演出の『パラダイス』の時に感じたのが、日常を生きていると、これはたぶんみんなに共通することなんですけど、自分じゃないというか、社会に順応している人格みたいなものなんですよね。でも舞台の上では自分とは全く違う別の人物を演じていて、そこでは社会的にやってはいけないとされていることもエンタメとしては叶うわけで。もしかしたら自分って違う生き方をしていたらこうなっていたのかもな…を自由に体現できる。昔からいろんな人から言われるんですけど、舞台上の方が生きてるような気がする。むしろ日常の世界が疑似なんじゃないかっていうくらい、お芝居している時の方が自分らしくいられるのかもしれません。
できるだけ現実世界でもそうできたら良いなとは思うんですけど、あまり人間くさすぎると、ちょっときついじゃないですか、今。思ってることとか言えずに腹の中に溜め込んで、どう処理していいかわからないっていう人が多いと思うんですけど、そうやって生きてる人たちのこと思うと、すごく苦しいし、一生懸命だし美しいなとも思うんです。だからそういう人ほど、こういった舞台を見ると救われるところもあれば自分を戒める部分もあるんじゃないかと。声を大にして言えないことが、お芝居の上では成立するというか。作品が声を上げてくれるから、ちょっとそこに何か置いていける。そういう空間だと思うんで、僕は好きですね。痛みとか喜びとか、いろんな感情を共有できる場所だと僕は捉えてやっています。お芝居はとても豊かなものを得られると思うんですよね。

