森七菜、快進撃を支える無敵のマインドセット「好きなことだから、夢中」

両親に虐げられ、自分をうまく表現することができなくなった樹理恵。歌舞伎町に辿り着いてからも、彼女にはまた新たな試練が待ち受けている。森は「“じゅじゅ”はスポンジのように、いろいろなものを吸収していく女の子。それがいい方に向かう時もあれば、悪い方に突き進んでしまうこともある」と役柄について分析。
「私自身、樹理恵はハードなバックグラウンドや悲劇を抱えたヒロインだと捉えがちだった」というが、歌舞伎町に居場所を見つけた若者に取材を重ねた長久監督は「『どんなに深い地獄を味わっていたとしても、笑いながら“ヤバくない?”と過ごせるような強さを持っている』という話をしていて」と明かし、「たしかに、そうだよなと思ったんです。どれだけ辛いことがあっても、毎秒、悲劇を抱えて生きているわけではない。ゲームをするのだって楽しいし、みんなで話しているのも楽しい。そういった強さや、コントラストのようなものを大事にしていました」と役作りについて語る。
撮影中、樹理恵という役柄に没頭していた森は「当時は、苦しいとは感じなかった」という。しかし第42回サンダンス映画祭にて行われたワールドプレミア上映で客観的に映画を鑑賞した際、「“じゅじゅ”は苦しかったな、辛かったなと涙が出た」と打ち明ける。
「“じゅじゅ”に起きたこと、すべて。今思うと、そのひとつ一つが『ちゃんと悲しんでいいことだった』と感じて。“じゅじゅ”は苦しかったな、辛かったな…と泣いてしまいました。観客の皆さんと映画を観ていたので、『自分のお芝居で泣いている』と思われたらイヤだなと。顔を隠しながら、泣いていました」と樹理恵に心を寄せながら、照れ笑いをのぞかせる。
映画『炎上』場面写真 (C)2026映画「炎上」製作委員会
長久監督は「ピュアな役をたくさんやられている印象があったが、森さんの内側にはもっとドロドロとしたマグマのような真っ赤なエネルギーを抱えているのではないか、と勝手に想像していた」と明かしており、樹理恵役として森にラブコールを送ったそう。数々の役柄を演じてきた森にとっても、さらなる新境地を開いた作品となる。
「自分にとって初めての単独主演を務めたのが、この映画でよかったなと思っています」と目尻を下げた森は、「これから映画を楽しみにしてくれている方、すでに観てくれた方も『こういった役をやるんだ』と驚いてくれて、すごくうれしかったです。そこをしっかりと引き出してくれたのは、長久監督。そう思える作品に出会えてラッキーだなと思いますし、監督にとても感謝しています」と充実感をにじませる。

