山田裕貴、プレッシャーあふれる現場も乗り越え「自分の集大成に」
自身は過小評価するが、これまで『海賊戦隊ゴーカイジャー』から始まり、『HiGH&LOW』『あゝ、荒野』など出演作の幅も広く、個性豊かな役に扮してきた。それでも『特捜9』は、刑事ドラマという畑、12年続くシリーズもの、もっと言えばテレビ朝日系の「水曜21時」枠と、7年俳優をやってきた“若手”山田からは未踏の地といえる。「“山田裕貴”という俳優で考えれば、この作品はかなり重要なポジションというか、転機になる作品にしなければダメだと思っています。それは見てくださる方の数や層も違うし、新藤としてなじんでいるだけじゃダメで“いいね!”と思ってもらわないと」と意気込む。「新藤が映っている時間は、粗も出れば良さも出ると思う。どれだけ生かせるかを試す場所でもあるし、自分の集大成だと思っています」と言葉をつないだ。
「去年は映画12作、ドラマ5本出演と紹介してくださる機会も多かったけど、僕を知らない人もまだまだいる」と唇を噛む山田だが、心境の変化もあった。「人が何をしてくれたか、誰が何を言ってくれたのか、どう優しくしてもらったか…。いろいろな思いをキャッチできるようになってきました」と清々しく前を向く。「今までは自分が這い上がるために頑張ってきたけど、誰かのために頑張っていると思えたりする。それって、そんなないよなって。この状況にも、こう思えることにも感謝なので、…だから頑張ってきてよかったなと思いました。ご褒美のような作品です」と、ここへきてクシャッと笑顔が弾けた。その瞳に宿す景色を、一緒に見たくなる。(取材・文・写真:赤山恭子)
6日放送の第9話では、被害者の口からニセモノの警察バッジが出てくる殺人事件が発生。管内では同様の事件が過去2件発生しており、山田演じる新藤は、直樹(井ノ原)と共に被害者の周辺を捜査する。
『特捜9』はテレビ朝日系にて毎週水曜21時放送。