水川あさみ、年齢を重ね演じる役の変化に面白さ 40代を迎え「パワーがみなぎっている」
水川あさみが、石橋義正監督の約10年ぶりとなる最新作『唄う六人の女』で、セリフを一言も発しない謎の女役にトライ。また新たな境地を開いている。放送中のNHK連続テレビ小説『ブギウギ』の母親役も注目を集めるなど、年齢を重ねるごとにその輝きは増すばかり。「年齢を重ねるごとに、パワーがみなぎっている感じがして。すごく元気!」と大きな笑顔を見せる水川が、40代に足を踏み入れた心境や、「恥をかいていきたい」という今後の率直な希望までを語った。
【写真】やわらかく優しい笑顔が美しい! 水川あさみ、撮り下ろしショット
◆セリフなしの謎の女 新たな挑戦に「ものすごく面白かった」と充実感
本作は、異例のマネキン主演ドラマ『オー!マイキー』や、山田孝之の七変化が話題を呼んだ『ミロクローゼ』など独特の世界観を持つ石橋監督の最新作となるサスペンススリラー。人里離れた森の奥深くに迷い込んだ二人の男が、その森に暮らす六人の女たちと出会い、壮大な真実に辿り着くまでを描く。主演の竹野内豊と山田孝之が演じる二人の男が出会う女たちは、彼らが何を聞いても一切答えず、奇妙な振る舞いを続ける。水川は、彼らのことを小枝で突いたり叩いたりする、“刺す女”と名付けられた役柄を演じた。
映画『唄う六人の女』場面写真 (C)2023「唄う六人の女」製作委員会
六人の女たちが何も話さないからこそ、観客はあらゆる想像力を掻き立てられ、男たちと共に壮大かつ、不思議な世界へと誘われる本作。水川は「台本を読んで、どういう映像になるのかまったく想像ができなくて。未知なる可能性がたくさんある作品なんじゃないかと感じました」と惹かれた理由を吐露。一切セリフがない役についても「とても新鮮な体験をした」と続ける。
「台本にセリフがないとしても、演じる側としては何かを伝えようとしてしまうものなんですよね。例えば竹野内さん演じる男に何か話しかけられたりすると、どうしても答えてしまいそうになる。でも石橋監督は、女たちは“ただそこに存在する”ということを重視していたので『表情でもリアクションをしないでほしい』と言われていました。おそらく、映画を観る人にとっての余白を残しておきたいという意図だったんだと思います。今回は“何もしてはいけない”ということがテーマになりました。とても面白かったです」と新境地への充実感をにじませる。