上田麗奈&芹澤優、“猫まみれ”な日々を語る――癒しと笑いが止まらない、にゃんとも尊いアニメ体験

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7月7日よりテレ東・BSテレ東・アニマックスほかにて順次放送がスタートするテレビアニメ『ニャイト・オブ・ザ・リビングキャット』。人間を“猫”へと変えてしまうウイルスの蔓延により、世界中が“ニャンデミック”に陥る――そんな異色の設定で描かれる、“キャットフルホラー”な物語だ。猫カフェを営む兄のもとで働く高校生・カオル役を上田麗奈、カオルと同じ高校に通うツツミ役を芹澤優が担当。「猫の愛らしさ」と「猫になる恐怖」が交錯する独特の世界観に、ふたりはどう向き合ったのか? そして、“愛猫家”でもある彼女たちが語るリアルな猫エピソードとは?
【写真】上田麗奈&芹澤優、2人の“尊さ”を詰め込んだ撮りおろし(18枚)
■猫好きなら共感必至! ギャップだらけの“ニャンデミック”ワールドへようこそ
――本作は「猫になる恐怖」と「猫の愛らしさ」が混ざったユニークな世界観ですが、最初に原作を読んだ時の感想を教えてください。
上田:「ハード」と「キュート」が絶妙に混ざり合っていて、とても独特な世界観だなと感じました。読んでいて「こんなマンガ、他にあったかな?」と思うくらい、ジャンルの枠におさまらない面白さがある作品です。
原作の絵もすごく写実的で、どこかシリアスな空気をまとっているんです。でも、描かれているのは“猫の可愛さ”や“猫の素晴らしさ”。そのギャップに、最初はちょっと混乱するくらいで(笑)。
主人公のクナギさんの表情も、決して「猫ちゃんにメロメロ〜♪」みたいな顔じゃないんです。むしろサバイバルの極限を生き抜こうとする必死さが出ていて……でも、その中で描かれるのは猫愛に満ちた世界。登場人物たちは真剣そのものなのに、読んでいる側はそのギャップに思わず笑ってしまうんです。猫が大好きな人ほど、すごく共感してしまうと思います。
どんなに危機的な状況でも、「猫の命を守らなきゃ」「猫の安全が最優先!」って本気で思って行動している。その姿に「わかる〜!」ってうなずいちゃって……。気づけば私も「相当な猫好きなんだな」って再認識させられました(笑)。とにかく、猫への愛がぎゅっと詰まった、大好きな作品です。
芹澤:最初に絵を見たとき、「あ、これはいつも読んでる少女漫画とか、異世界ものとは全然違うジャンルだな」という印象でした。正直ちょっと怖そうだなって思ったんです。表情もかなり激しくて、迫力があるし。でもその激しい表情で言ってることが……「猫可愛い!」だったりするんですよ(笑)。いや、その顔で言う!? みたいな。
命がけで真剣に戦ってるのに、言ってることは猫への愛とか、ちょっとズレてて。こっちは思わずツッコミたくなるし、「なにこの状況!?」って、読んでる間ずっと心の中で突っ込んでるような感覚なんですよね。
でも、読み進めていくうちに、だんだんこの“ニャンデミック”の世界に入り込んでいって、一緒に体験しているような気持ちになるんです。そして何より、相手が“猫”だから……怖いとか恐ろしいって感情より、「ああ、可愛い……」っていう気持ちが勝っちゃうんですよね。
「え、自分いま何してるんだろう?」っていう、ちょっとした錯覚すら起こるんですけど(笑)、でもそれがすごく楽しくて。まるで新しいアトラクションに乗っているみたいな、新しい世界を体験させてもらってるような、そんな作品だなって思いました。
テレビアニメ『ニャイト・オブ・ザ・リビングキャット』場面カット(C)ホークマン・メカルーツ/マッグガーデン/ニャイリビ製作委員会
――そんな世界観の中で、カオルとツツミというキャラクターを、どんなふうに捉えて演じられましたか?
上田:カオルは、一見クールで厳しい人に見えるかもしれませんが、その言動の裏には深い思いやりがあるんです。クナギさんに対しても、時にはきびしく接しながら、でもそのすべてが「相手を想っているからこそ」で。毎日、猫たち一匹一匹の様子を丁寧に見ている姿にも、責任感の強さや優しさがにじんでいるなと感じました。
倒れていたクナギさんを家に連れて帰って、ちゃんと面倒を見るという行動にも、面倒見の良さと誠実さが現れていて。困っている人に手を差し伸べたり、「これは違うよ」ときちんと伝えられる強さもあって……その“まっすぐさ”が、すごく素敵なキャラクターだなって思います。
ちょっとツンデレっぽい猫的な可愛さもあるんですけど(笑)、私は演じるうえで、そんなカオルの“強さの奥にある優しさ”を意識していました。
あとは、コミカルなシーンでも真剣にやる、ということ。真面目な表情で“猫可愛い”とか言っちゃうような、そのギャップが面白い作品なので、私も苦手ながら頑張りました(笑)。
上田麗奈
芹澤:ツツミはカオルと同じ学校に通っている女の子で、ちょっといじめられていたりもするんですけど、内面はすごく明るくて。アクション映画が大好きだったり、実は趣味が多かったり。猫アレルギーなのに猫が大好きだったりと、見た目の印象と中身にギャップがあるところが、すごく魅力的だなと思って演じていました。
演じるうえで一番気をつけていたのは、「今、ツツミはどれくらい鼻が詰まっているか?」ということ(笑)。ちょっと変わっているかもしれないけど、これがすごく大事で。鼻の詰まり具合が、そのシーンでの警戒度。つまり、“どれだけ猫が近くにいるか”の指標になるんです。
たとえば、カオルの猫カフェに行くシーンでは、もう鼻が完全に詰まってて、ずっと苦しそうにしていたり(笑)。逆に猫があまり近くにいない場面では、少しだけ通るようにしたりとか。鼻水が出てきそうなレベルで詰まってるのか、ちょっと鼻声くらいなのか……そのあたりをシーンごとに細かく調整していました。
こんなに“鼻”に注目した演技って他ではないと思うんですけど、それがこの作品ならではのポイントだと思って、すごく楽しみながら演じていました。
芹澤優